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人生...いや、狼生は楽じゃないね!  作者: ゴンピ~
第1章:森の異常
50/132

50話目



魔物が居なくなった?

なぜ?


「おいおい、二人で会話するな。

俺達をおいてけぼりにするなよ。」


急にデクが寄ってきて、そんなことを言う。


「二人で会話?

クラウドが狼に話しているだけだろう?」


プルトリコがデクに向けて言う。


「いや、会話だ。

この狼は人の言葉が分かるのさ。」


「召喚獣か、テイムされた魔物なんだろう?

長年一緒に居れば少しくらい分かるようになるって聞いたことがあるぞ。」


「いや、違うんだな。それが...

こんな事を言うとドルグさんに怒られそうだが、この狼は召喚獣でもテイムされた魔物でもないんだ。」


「「な、何だと!?」」


あ、ドルグが静かにしていたと思ったら会話に加わった。


「お前!門番の役目をちゃんとしろよ!!

何訳の分からない魔物を入れているんだ!」


「そうだ。お前は仮にも街の警備の隊長何だぞ!

街の治安を守る役目だろうが......」



プルトリコは怒っているが、ドルグは呆れているようだ。

まぁ、普通そうだわな。

俺も街の中に入れるとは思ってなかったぞ。


「まぁ、落ち着け。

言質はとってある!

街の中で暴れたら殺すって言ったよな!?」


...おぅ、そこで俺に振るの。

まぁ、だいたいそんなことを言ってた気がする。

頷いておく。


「ほらな!だから大丈夫だ!」


「何がだから大丈夫だ!っだよ!!

魔物が言うこと信じてるんじゃねーよ!

それに、たまたま頷いているだけかもしれないだろ!」


うん、とんでもなく正論。

俺もその意見には賛成だ。


「そんなことないぞ。な?」


おう......、いちいち俺に振るなよ...

誰かこの状況から助けてくれ。


「ギルド長」


ルリカがドルグに向けて言う。


「今この場ではギルド長と呼んでくれるな。

ドルグでいい。」


「失礼しました。

ドルグさん、この狼、ブランは私も会話しましたよ。

よく言葉が分かります。」


それを聞くとドルグは片眉を上げ、


「ほう?よくっか......

その話は今は置いておこう。

取り敢えず急を要するのは、あの奇妙な魔物が居なくなったことだ。」


おー、助かった。

話が元に戻ったぞ。

で、魔物が居なくなったってどう言うことだ?


「つい昨日突如出現し、街へ向かって来ていたと思っていた。

いや、確かに向かって来ていた。

しかし、今日プルトリコの依頼という形で、ルレットという新種の魔物退治をし出した。

最初は普通に街に向かって来ていたんだが、途中で止まり、元来た道を戻り始めた。

ルレットの数が減ったことで行動が変わった。

絶対とは言い切れないが新種であると言うことも共通しているため、ルレットとあの奇妙な魔物は関係性があるように思う。

今のところはこれくらいしか情報がない。

で、お前の言おうとしている情報はなんだ?」


ドルグがクラウドを見て尋ねる。

するとクラウドは此方を見て、


「昨日聞いたことや今日有ったことを話すから、説明が足りなかったら補足お願いね。」


俺が頷いたのを見るとクラウドはドルグに向き直り、


「僕達は今日プルトリコさんの依頼を受けてルレットの討伐をしていました。

そして、一区切りついたところで、昨日ブランからルレットが産み出されている場所を教えて貰っていたのでそこに行くことにしました。

その場所は真ん中に白い棒が刺さっており、その棒から半径50センチほど間隔が空いて、後はおびただしい量の血でいっぱいだと......

実際にその場所にいったときは白い棒はありませんでした。

が、多くの魔物が殺しあったか、殺されたかした場所のようです。

それほどに血で覆われていましたから......

それからその場所を離れていると、ブランがルレットの群れが此方に来ていることを察知し、倒しに行ってくれました。

これがそのときの魔石です。」


そう言って、俺の鞄をドルグに渡す。

鞄の中身を見て、


「ふむ、確かに多いな。

だが、この狼は見たところブラックウルフのようだが?

ルレットは燃やさないと倒せない筈だが?」


鞄をプルトリコに渡しながら言う。


「ブランにはサファイアが付いていっていましたから。

サファイアはファイアーバードなんですよ。」


「ほう?

ファイアーバードなどこの辺にはいない筈だが、どうやってテイムしたんだ?

先程見たローズディアも然りだが...

ファイアーバードは何処にいる?

お前はこの街に小さいときから住んでいると聞いたが?」


「二人は召喚獣ですからテイムなどしていません。

サファイアはブランの横で丸くなってますよ。」


「召喚獣だと?

なぜずっと外に出ている?

丸く......あの青い丸の事か」


そう、サファイアは俺の背から落ちてからずっと丸くなっているのだ。

......寝ている気がする.........


「サファイアもクプレも外に出ていたいと言うものですから。」


苦笑混じりにクラウドが言う。

それを呆れたという顔で見ているドルグ。


「まぁ、いい。

そのルレットが発生していた場所を詳しく教えてくれ。

調査に向かわねばならん。

少しでもあの魔物の事を知らなければいけないのでな。」




その後はクラウドが街からどの辺にあるかを説明し、それが終わると同時に魔石の換金も終わっていた。

クラウドは金額を聞いて少し驚いていたが、それは3分の2の金額だったんだぞ。

本当はもっとあったんだぞ。

と、言って自慢したかったが止めた。

クラウドが凄く褒めてくれたしね。


そしてギルドを出て宿に帰った。

そうそう、クプレはギルドの入口の近くの馬を停めるところに居た。

流石に中に入れてはいけなかったらしい。

そして、宿も階段の所で角が引っ掛かり、部屋にたどり着けなかったようだ。

ということで一瞬だけ帰り、部屋に着いたら出すという感じになった。


今はまだ大丈夫だが、これから召喚獣が増えたら宿はどうする気なんだろう。

床抜けないかな?


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