5話目
...取り合えず、兄弟と両親も鑑定を使い見てみたが
全く同じだった...
鑑定がこんなに役にたたないなんて...
それに、色々と考えたり、見たりしているうちに
兄弟達にネズミを全部食べられてしまった...
うぅっ、先に食べればよかった...
仕方がないので、次の獲物を両親が持って帰ってくるまで
空きっ腹を抱えながら辺りの物を鑑定していく。
『鑑定Lv2になりました』
...また声が聞こえた。
Lv2になったということは、少しは見れるものが増えたのでは?
早速自分自身を見てみる。
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種族:子狼
Lv1/5
。。。。。。。。。。。。。。。
...うん、レベルが見えるのはいいよね...
それだけ?
...いや、なにげに種族が詳しくなってるけれども
まぁ、Lv2だから仕方ないのかな...
兄弟も見てみる。
。。。。。。。。。。。。。。。
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種族:子狼
Lv1/3
。。。。。。。。。。。。。。。
んんっ!?
レベルの最大値が俺と違う?
種族一緒なのに?
何でだ?
悩んでいると、母親が帰ってきた。
今度もドブネズミのようだ。
鑑定のレベル上げも兼ねて見てみる。
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種族:ネズミ
Lv1/3
。。。。。。。。。。。。。。。
うーん、これだけではやっぱりよく分からん。
まぁ、取り敢えずはご飯だ。
もうお腹が空きすぎて死にそう。
兄弟達とネズミを取り囲み
攻撃しては離れ、攻撃しては離れを繰り返す。
『経験値を1得ました』
『知性Lv._により経験値を1得ました』
この声が聞こえたということはネズミはもう死んだのだろう。
弱っているやつを集団で殺すというのは
なんだか嫌な感じがするが仕方ない。
空腹を埋めるため夢中で食べる。
ネズミを、しかも生で食べているが特に嫌な感じはしない。
生前では、考えられないことだが、狼となったことで
本能に少し引きずられているのかもしれない。
だが、内蔵関係は食べないように注意している。
内蔵関係には菌が豊富におり、万が一当たったりすると嫌だからだ。
まぁ、肉の部分だけでも
当たるものは当たるのだけれども...
確率は低くなるはずだ。
...満腹になったのはいいのだけれど
口の中が気持ち悪い...
毛が歯に引っ掛かってるし、
口の中に毛がいっぱい入っている。
近場に川があったはずだからちょっと口を濯いでこようかな...
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
川に着いた。
流れは緩やかで、浅目なのだが子供だからか
多分胸元までは浸かる気がする。
川の周りは草が生えているが背が高くないし
少し開けているので、他の獣に見つかりやすいだろう。
注意しなくては...
辺りを見て、慎重に川に近づく。
そして、口の中を濯ぎ
ついでに食べたときに汚れた口元と胸元も洗っておく。
さっぱりしたので帰ろうとしたとき
視界の端に何か動くものが見えた。
パッと身構えそちらの様子をうかがう。
鑑定してみようとしても姿が見えないので、出来ない。
すると、
『気配察知Lv1を得ました』
と、頭の中に声が聞こえた。
緊張しているときなので、驚いたが聞いたことのある声だったので気が緩んだ。
その時、草の中から何かが飛び出してきた!
気が緩んだ時だったので反応が少し遅れたが
慌てて飛び出してきたものを見ると
それは、
...カエルだった。
体長20cmと大きめのカエルだが、
日本に居たときにも見たことのあるやつだった。
全体は茶色で黒の斑点模様がある。
腹側は白色。目の後方に鼓膜が大きくある。
体型は、太くて大きい。
...そう、ウシガエルだ。