48話目
今回は短いですが区切りが良かったのでこれで......
サファイアが進化できると言うことなので、魔石の掘り出しの手を止め、サファイアを見る。
俺自身は進化したことあるけど、見たことはないからね。
少し気になる。
サファイアが淡く光り始め、プルプルと小刻みに震えている。
そして、体が少しずつ大きくなってきだした。
ある一定の大きさまで大きくなると止まり、光も段々輝きが消えていった。
光が完全に消える前に首元から長い羽が2枚生えて、進化は終了した。
。。。。。。。。。。。。。。。
サファイア
種族:ファイアーバード
Lv1/20 状態:健康
HP 21 MP6(55)
力10
防御5
魔力30
俊敏8
ランクE
[通常スキル]
つつくLv2 火の玉Lv4
火衣Lv1 飛翔Lv1
[特殊スキル]
念話Lv4 落下耐性Lv3
飢餓耐性Lv3
。。。。。。。。。。。。。。。
うん、無事に進化を終えたようだ。
外見をもう少し詳しく説明してみよう。
大きさはもう普通の猛禽類よりも大きくなっている。
体長は1メートル強。
翼を広げた長さは4メートル弱といったところか......
足もがっしりしており、爪が食い込むと痛そうだ...
そして、パッと見たときに一番変わっているのは首元から生えている長い羽だろう。
目から線を引いた一直線上にある。
体の半分くらいまでの長さがあり、先端は丸く、孔雀の羽のような目玉模様となっている。
サファイアは自分の体の変化をしばし眺め回し、羽を開いてはばたいてみたり、歩いてみたりしていた。
が、飛ぼうとはしない。
飛んでみないのかね?
あんなに立派な翼があるのだから少しくらい飛んでみればいいのに......
そうしてひとしきり動いた後、土の山の前に陣取りせっせと堀り始めた。
......本当に一回も飛ばなかったぞ、こいつ......
あんなに大きな翼があるのに......
あれか?
ダチョウとかペンギンみたいに飛ばない鳥ってことか?
だが、ダチョウのようであったら走るのが速いはずだし、ペンギンのようであったら水で泳げるような体型や、羽の作りをしているはずだ。
サファイアは完全に空を飛ぶ鳥の体型をしている。
スキルにある飛翔のレベルが低いから飛べないのだろうか?
それなら練習すればいいのに......
はっ!?
もしや、幼いときに召喚されて親から離れたから飛べなくなったとか!?
それならば誰かが親の代わりをして、飛ぶ練習をさせねば......
.........よし。
掘り進めているサファイアの隣に座り念話を繋いでくれるように頼む。
『なんだ?何か用事か?
魔石をさっさと掘り起こして帰るんじゃないのか?
早くしないと日が暮れてしまうぞ。』
『あぁ、それはそうなんだが...
そんなことよりもサファイア、飛ぶ練習をしよう。』
唐突に切り出し過ぎて、サファイアが驚きで固まってしまった。
いや、すまん。
どう切り出していいか分からなかったんだ......
『...なんだよ急に......
そんなことしなくたっていい。
そんなことする暇があるならさっさと掘り起こして帰るぞ。』
『いや、今でなくてもいいんだ。
また時間のあるときにでも.........』
『別にいいと言ってるだろ!!』
今までで一番の怒りの言葉に思考が停止した。
サファイアはハッとした顔をした後、気まずげに魔石の掘り起こしを再開した。
......どうやら地雷を踏んでしまったらしい。
そりゃそうか、普通飛ばない、というか飛ぼうとさえしていない時点で何かあると気付くべきだった。
そうしてそのまま気まずい雰囲気のまま土を掘る音だけが響いていた。