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人生...いや、狼生は楽じゃないね!  作者: ゴンピ~
第1章:森の異常
42/132

42話目



「おい!もっと火魔法が使える奴はいないのか!!!」


依頼板と依頼を受付するカウンターの間でそう叫んでいる人がいる。

他にも数人で固まり何かを話し合っていたり、カウンターの奥もあっち行ったりこっち行ったりと忙しそうだ。



そうこう見ていると男が1人此方に走ってきた。

何か用事だろうか?


「おい!退いてくれ!こんなに忙しい時にそんな入り口で突っ立てんじゃねー!!

ほらほら、退いた退いた!」


そう言いながらクラウドを押し退け何処かへと走っていった。

む......確かに入り口で立っていると邪魔になるな。

クラウドを伴って隅の方に行く。


「......ねぇー、ブランこれ、何が起こってると思う?」


いや、それは俺が聞きたいよ。

だがこれほど慌てているということは、何か大変なことが起こるのだろう。

最近のことを考えると、森に突如として現れたこの森ではあり得ない高いランクの魔物が、この街に迫っているのだろうか?


考えていると此方に男の人が歩いてきている。

入り口からは離れているし、俺達以外回りに人が居ないからクラウドに用があるのだろうか?


「おい、お前さっき来たばかりだよな!」


近づいてきて、いきなりそんなことを言う男性。

よく見れば先ほど叫んでいた人であることがわかった。


「...えっ、ええ。そうですが、何か「お前、火魔法は使えるか!!」


さらに近づき、叫んでいる。

そんなに大声でなくても、それだけ近づけば聞こえるって.........

クラウドは男性の迫力に圧されて少し後ずさっている。

返事に詰まっていると


「おい!どうなんだ!!使えるのか!使えないのか!!」


どんどん顔を近づけてくる。

クラウドは後ろに反るような格好になっていっている。


「......ぁあ、はい......使えます......」


「そうか!なら、2階の会議室で待っていろ!」


それだけ言うと男性は何処かに去っていった。

なんで火魔法が使えるやつを集めているのかとか、何も説明ないのね......


それにしても、このギルド2階なんかあったのか。

しかしこのギルド内に階段など見たことがないんだが、どうやって行くんだ?


「......おもわず、何も聞かずに答えちゃった......

大丈夫かなぁ......」


クラウドがため息をついている。


「まぁ、取り合えず行ってみる?

ギルド内で慌てている理由が分かるかもしれないし、2階の会議室?だっけ?

そこに行けば説明してくれるだろうしね......多分。」


『行くのはいいんだが、2階にはどうやって行くんだ?

階段が見当たらないんだが?』


『2階はギルドの奥の階段から行けるよ。

2階を使うにはそれなりにランクが高い人の話し合いや、今回みたいに大勢に徴集をかけたとき等だけなんだよ。

だから、受付の人に言って通してもらわないと2階には行けないようになってるんだ。』


ほー、2階では重要なことを話し合う場所になっているのか。

それに奥に階段があるんじゃ、見当たらないわけだ。



受付の所まで行き、火魔法が使え、2階の会議室に行けと言われた旨をクラウドが伝えた。

そして、受付の人に連れられギルドの奥に入っていく。

辺りには本棚のような物が沢山あり書類が入れられている。

何が書いてあるんだろうか?


キョロキョロしつつ進み、階段を登って右側にドアがある。


「ここが収集をかけていた会議室になります。

中の椅子に腰掛けお待ちください。」


そう言って受付の人は下に降りていった。



クラウドは少し躊躇いつつも扉を開け、中に入っていく。

俺はその後ろについて行く。

部屋の中を見ると、15人ほど人がいた。

1人でいるやつや、2~4人でグループになっているやつもいる。

皆がパッとこちらを見たが、収集をしていた人でないと分かると皆顔を戻した。

会議室と聞いていたが特に何もなく、机と椅子が沢山あるだけだった。

クラウドが近場にある椅子に腰掛けたので、俺もそのすぐ側で伏せて待った。



それから暫くして、やっと呼び掛けをしていた人が来た。

クラウドが来てから2人と3人のグループが追加できているから、この部屋に20人以上もいる。

それでもまだまだスペースがあるので、この会議室は大分広いんだなと思っていると


「よし、皆来てくれたな。

皆を収集した原因はほとんどの人が知っているだろうが、念のため説明しておく。

このミスルナの街に魔物の群れが近づいてきている。

姿は違うが、ここの森にいた魔物達だと思う。

そして、ここが一番の問題なんだが、倒しても倒せないというものだ。

切っても、潰しても、砕いても、何をしてももとの姿に戻り此方を襲ってくる」


「じゃー、どうやって倒すんですか!

僕はそんなに強い攻撃はまだ出来ません」


1人でいた魔法使いの装いをしている人がそう叫んだ。

確かに何をしても倒せないのなら、何故これだけの人に収集をかけたのか......

というか、これってまさかあの変な魔物のことじゃないか?


「1つだけ方法がある。

それが、燃やしてしまうことだ!

やつらは極端に火に弱い。

見た目もそうだがアンデット系統のようにな!

だから今回収集をかけたのは火魔法の使えるやつと、そいつといるパーティーだけとなっている。

ここまでで質問のあるやつはいるか?」


そう言って辺りを見回す男性。

うーん、性別で言ってると分かりにくいな。

あんまり他の人には鑑定かけたくなかったんだが、これは仕方ないか?

なんか個人情報を見てるみたいで悪い気がするが......


。。。。。。。。。。。。。。。

プルトリコ

種族:普人族

Lv18/50 状態:健康

HP89 MP10

力70

防御52

魔力5

俊敏38


[通常スキル]

二連撃Lv4 スラッシュLv2

カウンターLv1

。。。。。。。。。。。。。。。


何でどいつもこいつも強いんだよ......

俺が弱すぎるのか?

そうなのか?

......人を鑑定する度にこんなことを言ってる気がする。



俺が1人で頭を抱えている間も話はどんどん進んでいった。


「............よし、これで最後だ。

何か不満や、疑問はないか?

...無いようだな。

では、一時解散だ。」


そうプルトリコが言うと、パーティー内で話し合うもの、席を立ち出ていくものがいる。


「じゃー、僕達も準備しよっか。」


クラウドもそう言って席を立つ。


......うん、後半の話を全然聞いてなかったから、何をするのか全く分からん。


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