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人生...いや、狼生は楽じゃないね!  作者: ゴンピ~
第1章:森の異常
37/132

37話目


目が覚め辺りを見ると、何時もの宿の中だった。

だが何時もより起きるのが早かったようで、クラウドもサファイアも寝ている。

ちょうどいいので先程のことを少し考える。

折角神に会えたのに、何も質問が出来なかった。

色々と聞きたいことがあったというのに......


それよりも先程のは本当に夢ではないのだろうか?

神に会うなどそうそう出来ることではないと思う。

自分が勝手に想像して見てしまった夢ではないのだろうか?

だが、本能が何故か夢ではないと訴えている。

あれが本当であるのなら、俺は間違えられてここにいる。

挙げ句、もう帰ることは出来ない。

そう思うと怒りが込み上げてくるが、今の生活には結構満足しており、別にこのままでもいいかなと思っている。

決して前の生活が嫌だったわけではない。

平穏で1日1日をただただ、のんびりと過ごしていただけ。

前はそれで良かった。

だが此方の世界に来て、劇的に変化があった。

それは大変で、痛みや苦しみもあったが、何処か楽しいとも感じていた。

今までにない刺激に心を踊らされているのかもしれない。

前は変化がなく、ただダラダラと時間を過ごしているだけだったが、今はダラダラしていると死に繋がる恐れもある。

そういうところが"生きている"と感じられるからかもしれない。

だから、それなりにのんびりと暮らせていければいい。

まぁ、のんびりと暮らすには大分力が足りない。

今のままでは、危険が多すぎてすぐに死んでしまうだろう。

それに、俺は一人ではなくクラウドとサファイアがいる。

彼らを守るためにも頑張らなくては......


そう思いつつ彼らの方に近づく。

二人はまだ、安らかに眠っている。

その二人に寄り添うように身を横たえ、再び眠りについた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



夜、クラウドは鞄の中を整理している。

今日使った分を確認し、次の依頼を受けるさい差し障りのないよう補充する物や数を考えているのだろう。

今日は昨日と同じように討伐の依頼を受けた。

しかし特に魔物が多いとは感じられなかった。

逆に少なくなったように思う。

それに、森の中がいやに静かな気がするのだ。

魔物の数を減らすため、冒険者たちが討伐していき数が減ったと言うのなら分かるが、それにしては早すぎる気がする。

大勢で討伐しに行ったのだろうか?

そうだとしても、魔物が多くなってきていると言って1日しかまだ経っていない。

それでこんなに魔物の数を減らせるのなら、魔物は全滅しているのではないだろうか?

それに、魔物以外の生物も何かに怯えるように息を潜めていた。

何か良くないことが起ころうとしているのだろうか?


「......えっ!?」


クラウドが急に驚きの声を挙げた。

なんだ?

鞄の中の物の数が合わなかったのか?

クラウドの方を見ても、鞄を持ったまま固まっている。

鞄に何か変なものでも入っていたのだろうか?

そんなことを思いつつ、クラウドの側に寄り鞄の中を覗いてみる。

だが、鞄の中は真っ暗で何も見えない。

.........あー、そう言えばこの鞄は空間拡張がされているんだっけ。

それに使用者はクラウドだけと決められているから、俺には見えないのかもしれない。

そこで頭の上に手が置かれた。

振り向くとクラウドが此方を見ている。


「鞄を覗いても何も見えないでしょ?驚いたのは鞄の中身に対してじゃないよ」


そう言い俺の頭を撫でる。

そして、俺の方を見


「召喚術のレベルが上がったんだ。こんなに早く上がるなんて思ってなくて驚いただけだよ。」


そしてサファイアの方を見


「普通、たった二日で上がる事はないんだ。...そう言えば大体こんな時間だったね、サファイアを召喚したのも。」


ほー、召喚術のレベルが上がったのか。

どのような恩恵が有るのだろうか?


「で、レベルが上がると新しく召喚獣が呼べるんだけど、最大MPと魔力が高いとより強い者が呼べるから、少しの間帰還してもらえないかな?」


なるほど、新しい召喚獣が増えるのか。

サファイアの方を向くと、仕方ないなという風に淡く光って消えた。


............えっ、普通に帰ったぞあいつ

なんでいままで帰らなかったんだよ.........


そして、クラウドは左手首に付いている腕輪を取った。

するとクラウドも淡く光り.........


少し背が高くなった。

なんだ?

クラウドの雰囲気が何時もと少し違う気がする。


。。。。。。。。。。。。。。。

クラウド

種族:ハイエルフ

Lv9/100 状態:健康

HP49 MP65+1

力5

防御6+1

魔力59+3

俊敏13


[通常スキル]

杖術Lv2 火魔法Lv3 水魔法Lv2

地魔法Lv2 風魔法Lv2 雷魔法Lv1

光魔法Lv2 召喚術Lv2 使役Lv2

。。。。。。。。。。。。。。。


.........


......えっ?何これ?

ステータスが全然違う!?

...まぁ、力や防御、俊敏はあまり違わないからよしとして...

HPとMPと魔力どうしたんだ?これ?

魔法もめっちゃ増えてるし......

いや、増えてはいないのか。

昨日見たときと数は一緒だな。

隠れていたやつが見えるようになったということか?

それに、種族が......普人族じゃなく、ハイエルフになってる......

これ本当にクラウドか?


「ごめんね、ブラン。驚いたよね。後で説明するね。」


そう一言俺に断りを入れ、召喚術を始めた。

前のときのことを知っているから身構えていたが、前よりも魔方陣の輝きが明るく、目を細めつつ見る。

そしてよりいっそう輝き現れたのは.........


鹿だった。


蹄から頭までは180センチ位で、頭の上には角が生えている。

角は枝のようだが所々にトゲのようなものがあり、痛そうだ。

体は薄い緑色をしており、短毛。

足には蹄から足の付け根までいばらが巻かれている。


。。。。。。。。。。。。。。。

[]

種族:ローズディア

Lv4/18 状態:健康

HP61 MP15

力19

防御38

魔力9

俊敏23

ランクE+


[通常スキル]

頭突きLv2 ぶっ飛ばしLv2

茨打ちLv1 蹴り上げLv1

。。。。。。。。。。。。。。。


『ローズディア:薔薇のような蔦を足に纏い、蹴りで攻撃する際追加でトゲによる攻撃をする。トゲ自身の攻撃は余りないが、流血を引き起こし、そのまま放置すると無視できないダメージとなる。また、それなりに防御やHPが高いため長期戦を得意とする。』



.........強い.........


ランクも負けてるし.........

まだ俺の方がレベルが高いから同じぐらいのステータスなだけで、これはすぐに抜かれそうだ......


「んーと、名前どうしようかな。」


どうやら仲間になることはもう了承しているようで、魔方陣は消えている。

それに、サファイアもいつのまにかベットの上に召喚されていた。


「......そうだねー、クプレはどうかな~?綺麗な緑色にちなんだものを選んで、少し文字を削ってみたんだけど......」


ローズディアもとい、クプレはそれでいいのか頷いている。

サファイアみたいに性格に少し難があるかと思ったが、別に何もなかったな。

まぁ、今はまだ大分ましにはなってきているが......


『なんか失礼なこと考えてないか?』


サファイアの方を見てそんなことを思っていたからか、顔に出ていたのか分からないが念話でそんなことを言ってくる。

昨日の晩に肉をあげてから、念話でちょくちょく話しかけてくるようになった。

あんなにつっけんどんだったのに、肉の威力は凄いな!


そんなことを思っているとクプレがクラウドの側により.........


甘えだした。


角が当たらないようにしながらクラウドに顔を擦り付けている。

最初は名前を付けて貰ったから、嬉しくてそうしているのかと思っていたが、全然止めない。

クラウドも今では困惑した顔をしている。

仕方ないので、サファイアに念話を繋いでもらう。


『クプレ、クラウドが困ってるからそろそろ止めろ』


それを聞いた途端、クプレの動きが止まった。

そして、


『......誰?』



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