30話目
さて、さっきので鑑定で見えるところが増えているはずだ。
まず俺自身を見てみる。
。。。。。。。。。。。。。。。
ブラン
種族:ブラックウルフ
Lv11/15 状態:健康
HP54 MP19
力46
防御17
魔力11
俊敏29
ランクE-
[通常スキル]
噛み付くLv5 引っ掻くLv4
食い千切るLv2 暗闇Lv1
重圧Lv1 気配察知Lv4
気配消去Lv3 穴堀りLv2
。。。。。。。。。。。。。。。
おぉ~、とうとうスキルが見えるようになった。
これは何気に嬉しい。
...そういや穴堀り覚えてたね...
忘れてた......
気を取り直してサファイアとクラウドのも見てみる。
。。。。。。。。。。。。。。。
サファイア
種族:ファイアーバード
Lv5/8 状態:健康
HP11 MP16
力3
防御2
魔力12
俊敏7
ランクF+
[通常スキル]
つつくLv2 火の玉Lv2
火衣Lv1 飛翔Lv1
。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。。
クラウド
種族:普人族
Lv3/100 状態:健康
HP18+1 MP16+2(21)
力3+1
防御3+2
魔力12+4
俊敏7+1
[通常スキル]
杖術Lv2 火魔法Lv3 水魔法Lv2
■■■ ■■■ ■■■ ■■■
召喚術Lv1 使役Lv1
。。。。。。。。。。。。。。。
サファイアもクラウドもレベルが上がっている。
...取り合えず気になるところを順番に見ていこう。
サファイアのスキルで気になるものを鑑定してみる。
『火衣:自身の体に火を纏い、攻防をするもの』
へぇ~、便利でいいな。
だが、こういうのは使いにくかったり制限があったりするのだろうな。
消費MPが多かったり、日に何回までだったり...
さて、後回しにしたがクラウドのステータスは突っ込みどころが多い。
それはクラウドのスキルで見えないものが4つあることと、ステータスが灰色で表記されていることだ。
他のところや今まで見てきた鑑定は全て白色で表記されていた。
なぜ急にその部分だけ灰色で見えるのだろうか。
その灰色の部分をもう一度鑑定しても、字がぼやけるだけで何の変化もない。
何なのだろうか...
気になるが見えないものは仕方がない。
これもレベルが上がれば見えるようになるかもしれないな。
せっかくレベルが上がっても見えないものがあるなんて...
最大まであげないと、こういうのがどんどん出てくるんだろうな...
鑑定だけでも早くレベルの上限まで達したいな。
そういえば、こういうスキルのレベルの上限ってどれくらいまでなんだろうか。
普通10が切りがいいから10な気がするんだけどな。
そこで、また気配察知に何かが引っ掛かった。
今日はよく引っ掛かるな。
『気配察知Lv5になりました』
おぉ~、やっぱりずっと使ってると早く上がってる気がする。
それにこういう風に何かを見つけたときは、輪をかけて上がりやすくなってる気がする。
さて、のんびりとしているように思えるかもしれないが、内心凄く焦っている。
何故なら、気配察知にどんどん引っ掛かっていくのだ。
今7匹目を越えた。
さっき戦ったし、気配察知のレベルが上がったお陰か、この気配が大体なんなのかが分かる。
何かというと、さっきのブルーゼリーと気配が似ているのだ!
絶対最後の変な死に方のせいで寄ってきてるよ!
それが俺の後ろの方からどんどん近づいてきている。
ヤバイヤバイ!
あんなのに囲まれて水の矢の魔法を使われたら、蜂の巣になってしまう‼
気配察知の範囲はレベルが上がったことにより半径50メートルになっているが、急がないとすぐに寄ってこられてしまう。
二人にこの事を知らせようと二人の方を見ると、クラウドは俺が倒したやつのゼリー状の部分を瓶に詰めていた。
瓶をゼリー状の所に近づけるだけでゼリー状の物が勝手に詰められていく。
謎だね......
ブルーゼリー1匹で瓶が3本詰められている。
依頼はゼリーを3つということだから、1匹倒せばクリアできる依頼だったということだ。
サファイアの方を見ると疲れているのか眠っているようだ。
「ガゥッ!」
とりあえず危険が迫っていることをクラウドに伝える。
クラウドはゼリーを詰めながら此方を向いた。
「んっ?どうしたのブラン?」
俺は自分の後ろの方を向く。
「そっちの方から何か来てるの?」
早く逃げないともう10匹も寄って来てる!
どれだけ効力強いんだよ...
「...!?これ、ブラン?」
「いや、その前に早く逃げなきゃ」
なぜかクラウドに危険だということが伝わったようで、慌てて荷物を纏めている。
「ブラン、サファイア早く帰ろう!」
クラウドはサファイアを俺の背に乗せ、街の方に駆け出した。
その後に俺も続く。
そしてそのまま無言で走り続けた。
暫く走り続け、クラウドの体力が切れてからは歩いている。
「さっきの頭に響くような声はブランの?」
唐突にクラウドがそんなことを聞いてくる。
残念だが俺はその事についてはわからない。
クラウドはどうやら声が聞こえて、危険がわかったようだ。
声と言えば、サファイアが怪しい。
戦闘の時、頭に直接響くような声で話しかけてきた。
あれは、いったいなんなのだろう。
サファイアの方を見る。
すると、俺がサファイアを凝視していることにより、サファイアに何かあるのだろうと思ったのか、クラウドもサファイアを凝視し始めた。
最初は素知らぬ顔をしていたサファイアだが、じっと見ていると観念したのか
『...なんだよ。じっと見るな』
と不機嫌に返してきた。
クラウドにも聞こえているようで、目を見開いている。
『「今のはサファイアなの?」』
うわ......
クラウドの声が耳から聞こえるのと頭に響くのとで少し時間差があり聞き取りにくい。
『話さず頭で何が言いたいか念じろ。じゃないと、こちらは聞き取りにくい』
『...ごめん。こうかな?』
おぉ!何か凄い。
全員で会話ができるんだな。
だが、こんな便利なのになぜ最初から使わなかったのか...
俺も会話に加わるべく念じてみる。
『これは凄いな。ただ何で今まで使わなかったんだ?』
『そんなのは分かりきってるだろ。お前らとは初めて会ってるんだ。信用ならなかった。ただそれだけだ。』
『何で信用ならないんだよ。召喚されて、答えて、契約しただろ?信用したからそうしたんじゃないのか?』
『召喚に答えたのには......此方にも色々と事情があるんだよ。それに、契約した後気に入らないと思ったならば、契約解除してもらうために迷惑をかけまくるとかすれば大抵は契約解除するんだ。召喚は共に攻撃は出来ないようになってるからな。言うことを聞かない召喚獣は枠をとられるからさっさと契約解除するんだよ。』
......そんな軽いものなのか?召喚というものは...
気に入らなければやり直しなんて...
それに、共に攻撃は出来ないというのも穴がありそうな気がする。
俺が考え混んでいると
『......でも、特に迷惑なこともしていないし、それにさっきは助けもしてくれた。ってことは、僕たちのことを気に入ってはくれたの?』
クラウドが期待に満ちた目でサファイアを見ている。
サファイアはその視線から逃れるように顔を背けた。
クラウドはがっかりしたように俯いてしまった。
『...............でも、まぁ、少しは......な』
クラウドの落ち込み加減に悪いと思ったのか、そんなことを付け足した。
それを聞き、ばっと顔をあげると
『良かった~。これからはもっと信用してもらえるように頑張るね!』
嬉しそうにそんなことを言うクラウド。
『...あぁ』
さて、この会話できるスキルと思われるやつの詳細を聞きたいところだが、門の所までついてしまった。
これで話していると、耳から聞こえるのと両方になりあまり深くは考えられないから、詳細を聞くのは後にして、まずは街に入るか。