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人生...いや、狼生は楽じゃないね!  作者: ゴンピ~
第1章:森の異常
27/132

27話目

うーん、なかなか話が進まない。

ここでこれが来るはずじゃなかったんだけど......

話がどんどんずれる。


俺は今、宿でクラウドの帰りを待っている。

待っているだけだが、俺は上機嫌だ。

尻尾もバッサバッサ揺れている。

ウサギから魔石を取り出した後、森の中を走り回り魔物を次々に倒していったのだ。

油断をしてはいけないと思っていても、Fランクの魔物しかおらず全て一撃で仕留められると、注意を払っているのがなんだか馬鹿らしく思えてきたのだ。

魔石を取りだすほうが時間がかかっているしね。


俺って強いんじゃないか?


と何度思ったことか...

だがその度に、あのカスパル達には負けているのだと気を引き締め直していた。

おかげでレベルは11ともう少しで次の進化ができるところまできた。

もうね、あの子供のときは何だったのかと思うほどの速さでレベルが上がる。


そこまで思っていたところで、階段を駆け上がってくる足音が聞こえた。

クラウドかな?

扉が勢いよく開かれる。


「ブラン、ただいま!」


クラウドが俺に抱きついてきた。

なんかテンション高めだな。

何か良いことでもあったのだろうか?


「あのね!とうとう理解したんだよ!」

「後は発動するだけなんだ!!」


理解?

発動?

何か新しい魔法でも習っていたのか?


「これからしようと思うんだけど一緒に見ててくれる?」


なんだろうか。

めっちゃ気になる。

だから頷く。


「良かった、1人だと少し不安だったんだー」

「じゃー始めるよー」


クラウドはほっと息を吐き出し、すぐに真面目な顔になった。

えっ、ここでするの?

宿の中なんだけど......


「我、汝を呼び出し者」

「我の呼び掛けに答え姿を現せ、召喚」


始まってしまった...

クラウドが詠唱している間、宿の床に魔方陣が描かれた。

そして今は光り輝いている。

眩しい...

思わず目をつむる。

まぶた越しに光が徐々に弱まっていくのがわかった。

そーっと目を開けると魔方陣の上に居たのは青い鳥だった。

サイズはカラス位だろうか。

だが細身で尾は長め、頭には冠羽と呼ばれるものがある。

なんという鳥なのだろうか。

鑑定をしてみる。


。。。。。。。。。。。。。。。

[]

種族:ファイアーバード(幼)

Lv2/8 状態:健康

HP6 MP5

力1

防御1

魔力3

俊敏2

ランクF

。。。。。。。。。。。。。。。


へー、ファイアーバードっていうのか。

ファイアーと付いてるから赤色をイメージするが、青色なんだな。

(幼)となっているが幼体なのか?

成体となったらどうなるんだろうか。

それに俺が子供だったときより強くない?

これが魔物と動物の差なんだろうか...


クラウドも目を開け自分が呼び出したものを見る。


「なんの種族だろう?」

「魔物のこと図鑑で見ているから結構知ってるはずなんだけどな」

「......ファイアーバードに形が似てるかな?」

「青くて、小さいけど......」


クラウドは首を傾げている。

ファイアーバードって青色じゃないんだ...

なら何故こいつは青色なのだろう?


「取り合えず、呼び掛けに答えてくれてありがとう」

「これから僕たちと一緒に来てくれるかな?」


青い鳥はクラウドと俺を交互に睨み付け、そっぽを向いた。

うわー、敵対心が凄いな。

こいつと上手くやっていけるのだろうか。

考えていると魔方陣が消えていった。


「やった!了承してくれたんだね」


...え?呼び出されたら必ず仲間ではないの?

それならあんなに反抗的な意思なのに何で帰らなかったんだ?

なんなんだ?こいつ?


「じゃー、名前決めないとね」

「どうしようかな...」

「...サファイアっていうのはどうかな?」

「サファイアっていうのはとても綺麗な青い石なんだけど、君の青色もとても綺麗だし、サファイアには目標を貫徹する助けとなる石っていう意味もあるんだよ」

「ちょうど僕たちのような関係と似てると思って...」

「もちろん、僕は助けて貰ってばかりでは居ないからね!」


青い鳥はチラッとクラウドを見ていたが、またそっぽを向いた。

こいつ......

名前を承諾しているのか鑑定をかけて見てみる。


。。。。。。。。。。。。。。。

サファイア

種族:ファイアーバード(幼)

Lv2/8 状態:健康

HP6 MP8

力1

防御1

魔力6

俊敏3

ランクF+

。。。。。。。。。。。。。。。


...了承してるし......

ツンデレか?

デレが分かりにくいがツンデレなのか?


「...あの......気に入らなかったかな?」


青い鳥もといサファイアが反応しないから、クラウドが心配そうな表情でいる。

この鳥、反応くらいしろよな。

仕方がないので俺がクラウドにすり寄り、取り合えず意識をこちらに向けてもらう。

それから大丈夫だという風に大きく頷いてやる。


「...大丈夫なの?」


もう一度頷く。

クラウドは少し安心したようだ。

サファイアの方を見ると、


「フッ」


......鼻で笑いやがった...

鳥の癖に器用なことしやがるな!?

そして、俺に冷ややかな目を向けてくる。

なんなのこの鳥野郎!

凄いむかつく!

今すぐ噛み殺してやりたい。

いや、だが落ち着こう。

クラウドがせっかく呼び出したやつだ。

俺が殺したらクラウドが悲しむ。

こういうときは深呼吸だ。


怒りを沈めていると、あのくそ鳥が嘲笑しやがった!


ぐぬぅぅぅー、俺、耐えられるかな。


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