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人生...いや、狼生は楽じゃないね!  作者: ゴンピ~
第1章:森の異常
26/132

26話目


...俺の周りにはウサギが7羽倒れている。

いやもう本当に疲れた...

1匹に集中するとそいつと反対の方から必ず攻撃があるんだもん。

で、後ろに注意が行くとまた違うウサギが突っ込んできて、そっちに注意が行くとまた違うウサギが...

という風に数の利を活かして攻撃してきたのだ。

そのため攻撃もいくらか受けてしまった。

大変だったが、そのおかげでレベルは6になったが...


さて、このウサギ達どうしよう。

7羽もは運べない。

頑張っても背中に3羽、口に1羽の合計4羽しか運べない。

取り合えず4羽運んでもう一度取りに戻るか。

そう決め、背中にウサギを乗せ、口に1羽くわえて走り出す。

落ちないように注意をしつつ走っているが、それなりのスピードが出ている。


あっという間に門のところまで戻ることができた。

門の近くに二人立っているが、俺が外に出たときに居た人とは違う人のようだ。

俺がウサギをくわえて現れたことにより、ぎょっとしている。

あまり近づきすぎると武器を持って襲ってきかねないし、後3羽取りに行かないといけないから、ここに置いておくか。

ここなら門の二人も見ているから大丈夫だろう。

早く取りに戻らなければ、他の獣に食べられてしまう。

ウサギを1所にまとめ、走り出した。



何とか7羽無事に運ぶことができた。

それに門の1人の青年がデクを呼んできてくれたらしく、俺が運び終わるとデクがこっちに歩いてきた。

その後ろに少し怯えながらも青年がついてきている。


「ほー、ホーンドラビットか」

「群れで行動してるから囲まれないようにしないと危ないやつだな」


...余裕で囲まれて、危なかったよ......

そんなの知らないし......


「で、これどうしたんだ?」

「まさか自慢するためだけに持って帰ったんじゃないんだろう?」


...自慢する気は全くないよ。

こいつらを売りたいだけだ。

だが、また話が通じない。

言葉が話せないって言うのがこんなに不便だったとは夢にも思わなかった。

色々身振り手振りしたが全く通じない。

うーむ、諦めるしかないのか?

せっかく運んだのに...

俺が諦め落ち込んでいるとデクを呼んできた青年がウサギを見て


「これ全部毛皮が綺麗ですね」

「...なるほど、首の骨を折って仕留めてるんですね」

「皮を綺麗に剥げれば高めに値段がつくでしょうね」


独り言のようにそう呟いた。


「ガウッ!!」


「ひっ!?」


高めに値段がつくという言葉に反応し吠えてしまった。

それにより馴れてきていたのに青年がまた怯えてしまった。

...すまん...


「ん?皮を綺麗に剥げれば値段がつくというところに反応したな」

「もしやこのウサギを売りたいのか?」


デクは俺が反応したところを元に推理したようだ。

そう。まさにその通りです。

デクに頷くと信じられないという顔をし、


「魔物が魔物を売る?」

「いや、その前に人間の金銭のやり取りを知っている?」

「そんなことを理解している魔物知らないぞ」

「...とにかく、売りたいのなら解体しなければいけないが、解体はできないだろう?」


俺の爪では上手く切れないし、ナイフとかも持てないので解体は不可能だろう。

だからデクに頷く。


「解体を頼むという手もあるが、手数料がいるし、運ぶのが大変になるだろう」

「それらを色々合わせるとこんな位のランクの魔物では赤字にギリギリなるかならないかくらいだろうな」

「だから少しもったいない気もするが魔石だけで我慢するんだな」

「魔石が一番高く売れるし、それならお前でも取り出せるだろう?」

「あー、魔石のある場所は知ってるよな?」

「心臓の近くにあるからな?」


取り合えず頷いておく。

あーあ、解体ができればなー

他の部分がもったいない...

落ち込んでいるとデクがどこかに行ってしまった。

デクも隊長だから忙しいのだろう......似合わないけど...

仕方がない、持ってきたウサギから魔石を取り出して売りに行くか...


...あれ?そう言えばこれ何処に売りにいけばいいんだ?

ギルドでいいのか?

クラウドはギルドで売っていたが、あれは依頼かもしれないし、どうなのだろう?

ウサギを前に固まっていると、デクが戻ってきた。


「なに固まってるんだ?」

「魔石取り出しても運搬をどうすればいいのか考えてるのか?」


あっ!そうだ。

石を7個もどう運べばいいんだ?

背中に乗せるにしても、落としそうだし、口の中に入れる?

...間違えて飲み込んでしまいそうだ。


「なんだ、考えてなかったのか」

「まぁそれは安心しろ」

「これをやるから、これに入れていけばいい」


そう言ってデクは俺の首に何かを掛けた。

見てみると茶色の革でできた肩掛け鞄だ。


「なんのへんてつもない鞄だが、魔石を入れる分には問題ないだろう」


おー!これなら運ぶのも楽でいいな。


「ガウウッ!」


お礼をかねて吠える。

嬉しさで尻尾が自然と振れる。


「おう、いいってことよ」


デクは照れくさげに頬を掻いている。


よし!経験値とお金を集めるため頑張るぞ!!

猛然と森に向かって走り出す。


「...おい!?このウサギどうするんだよ!?」


...出鼻をくじかれてしまった......

Uターンをし、先にウサギの処理をするか...


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