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人生...いや、狼生は楽じゃないね!  作者: ゴンピ~
第1章:森の異常
25/132

25話目


さて、ルリカにあんなことを言ったのはいいがクラウドを守れるほど俺は強くない。

昨日だってとても危なかった。

あいつらが最初嘗めていたから何とかなったようなものだ。

それに、あいつらはまだ捕まっていない。

昨日の恨みを晴らすため、もう1度捕らえようとやって来るかもしれない。

それに対抗するためには、まずは強くならなくては...

のんびり生きるつもりが、いつの間にか大変なことになってるな。


さて、強くなるためにはやはりレベルを上げないといけないんだろうな。

そうするには魔物を倒さないといけない...

今暇だし魔物を狩りにいくか?

門、通してくれるかな...

ダメもとで行ってみるか?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


門に着いた。

出入り口付近に2人立っている。

うーむ、さてどうしよう。

声をかけるべきか...

そのまま通ってしまうか...


声をかけても分からないだろうし、驚かれかねないし...

そのまま通っても、止められそうだし...


うーーーん.........



「そんなとこに突っ立って何してるんだ?」


「ギャゥッ!?」


...急に声をかけられ、驚いて少し飛び上がってしまった。

振り向くと、話しかけた人物は面白かったのかくつくつ笑っている。

ひどいやつだ...

自分が原因の癖に...


非難の目をそいつに向ける。

すると、ばつの悪そうな顔をし、


「いや、悪かったよ」

「そんな目で見るなって」

「だが、魔物なのに感情豊かなやつだよな...本当...見ていて面白いわ」


楽しげな顔をしつつそんなことを言うデク。

......まったく...全然悪かったって思ってないな、こいつ。


「で、こんなとこで何してるんだ?」

「クラウドと一緒じゃないみたいだし...」


そんなことを聞いてくる。

だから素直に外に出たいことを伝えるため、門の外側を見つめる。


「ん?なんか外にあるのか?」

「特に何も変わったことはないように思うが...」


いや、そういう意味じゃない。

ただ俺が外に出て狩りがしたいだけだ。

狩りのことを伝えるため唸ったり、牙を見せたり、色々暴れてみた。

唸ったことで門の所に立っていた二人が身構えたが、デクが制止をかけたので警戒を解いてくれた。

デクは俺のことを見て何が言いたいのか分かったようで、


「......なんだ?外で暴れたいのか?」

「まぁ、元が野生だから街での生活が窮屈なのだろうが...」

「うーむ、森は一応危険だからな?気を付けろよ?前に住んでいたからと油断していると殺られるからな?」

「お前が死ぬとクラウドが悲しむんだから、よく注意しとけよ?」


...一応許可は出たが、こんこんと森は危険だと説明された。


俺一応魔物だよな...

周りの人が普通に接してくるから自信なくなってきた...

まぁ、周りのやつらがいいやつらだってことだろう...うん。

それなら良いことなんだから悩む必要はない。


さて、許可が出たので外に出て狩りをするか。

油断はしない。

クラウドを守るために強くなりに行くのに、それで死んでしまっては元も子もない。

だから慎重に気配消去と気配察知を同時に使いながら森の中に入っていった。



さて、森の中に入ってしばらく歩いているのだが......


......何もいないってどういうこと?

いや、それだと語弊がある。

魔物が全然見当たらない。

ネズミとか、ウサギ、鳥はたくさんいる。

何故?


...ん?

何かが今ものすごい勢いで、左側からこちらに近づいてきている。

このままだとぶつかるな。

ぶつかる前に後ろへ移動する。


すると、茂みから飛び出してきたのはウサギだった。

大きさは野うさぎと同じくらいのサイズで、毛色は薄い灰色。

耳は垂れていて、耳と耳の間に角がある。

角は白色で角自体に薄く螺旋模様がついている。

ドリルっぽいと思う。

こいつは多分魔物だろう。

鑑定をしてみる。


。。。。。。。。。。。。。。。

[]

種族:ホーンドラビット

Lv4/8 状態:怒

HP8 MP3

力5+2

防御2

魔力2

俊敏5

ランクF

。。。。。。。。。。。。。。。


状態:怒?何に怒ってるんだ?

ウサギがこちらを見た。

目線が合う。

数秒見合い、ウサギが身構えた。

そして、回転しながら此方に飛び込んできた!

ッ!?俺なにもしてないよ!?

慌てて跳んで避ける。

ウサギは地面に降り立つと、此方に体の向きを変えまた飛び込んでくる。

何なのこのウサギ!

速さは俺が勝ってるから余裕で避けられるが、何度も何度も攻撃してくると鬱陶しい。

鬱陶しいので、跳んで来るのを横に避け、叩き落としてやった。


『経験値を10得ました』

『知性Lv._により経験値を10得ました』

『レベルが3上がりました』


ありゃ?倒せた?

叩いただけなんだが......

...まぁ、よしとしよう......うん。


さて、これどうしよう。

魔物を倒せばこうなることくらい予想できるのに、全然考えてなかった。

クラウドが居れば解体してくれるんだが、俺では何が売れて何が売れないのか知らないし、そもそも解体できないし......

ほうって置くのもなんかもったいない気がするしな...

デクに相談するか。

何かと世話になるなー

いつか恩返ししないとな。

さて、ウサギをくわえ、取り敢えずは街に戻るとしますか。

そう思い歩き出そうとした。


すると、気配察知に複数の何かが引っ掛かった。

全部で6匹いるようだ。

それがどんどん此方に近づいてくる。

えっ?なんで?

考えていると6匹に囲まれてしまった。

やばいやばい!!

早く逃げなきゃ!!

茂みの中から姿を表したのはホーンドラビットだった。

全員が俺のことを睨んでくる。

いや、あの、これは事故なんです!

殺そうと思ってやったわけではなくて!

言い訳をしようとしたが、問答無用!というように、6匹が一斉に突っ込んできた。


俺はしばらく6匹のウサギと命の奪い合い、という遊びをすることになった。


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