17話目
今回短めなので2回投稿します。
さて、進化も終わったようだが、急に進化したことにより少年が驚いていないだろうか。
そう思い少年の方を見たのだが...
...うん、見なかったことにしよう。
だって、驚いてると思ったら...
此方をとてつもなくキラキラした目で見てくるんだもん。
ちょっと恥ずかしい...
「狼、いや、ブラン、進化、した!」
「進化、初め、見た」
なるほど、少年は進化というものを初めて見たからこんなに興奮しているのか。
というか、少年少年と呼ぶのもそろそろやめよう。
折角俺の名前も付けて呼んでくれているのだから、それに答えるべきだろう。
名前は初めて会ったときに、もう鑑定しているから分かる。
鑑定の結果はこうだ。
。。。。。。。。。。。。。。。
クラウド
種族:普人族
Lv2/100 状態:健康
HP 14 MP16+2
力 2
防御2+1
魔力10+3
俊敏5
。。。。。。。。。。。。。。。
そういえば、進化してから俺自身のステータスを見るの忘れていた。
ついでに見ておく。
。。。。。。。。。。。。。。。
ブラン
種族:ブラックウルフ
Lv1/15 状態:健康
HP32 MP7
力14
防御7
魔力3
俊敏18
ランクE-
。。。。。。。。。。。。。。。
少年、クラウドは魔法に特化しているようだ。
数字の横に+がついてるのは多分装備とかの影響だろう。
それに、鑑定のレベルが上がったからか状態とランクというものが見えるようになっている。
スキルみたいなのが見えると思っていたのに...
残念だ...
俺は速さと攻撃特化のようだ。
子黒狼の時より大分強くなっている。
魔物というのは、それほどに強力なのだろうか?
それとも、元が弱すぎたのか?
「そろそろ、街、帰る?」
クラウドが不安そうな顔をして、そう尋ねてきた。
表情がコロコロ変わる子だな。
そんなに不安そうな顔しなくてもちゃんと付いていくよ。
だから、安心しろという風に力強く頷いた。
そうすることで、クラウドの顔が満面の笑みになり......
また、不安そうな顔に戻った。
何故だ?
「それ、とても嬉しい、けど、疲れる、ない?」
...なるほど、俺が考え事をしていたから、反応が薄くなり、それが先ほどの戦闘で疲れているのではないかと、そういう風に思ったわけだ。
不安ではなく心配をしてくれていたらしい...
なんとまぁ、さっき会ったばかりなのに、えらくなつかれたものだな。
悪いやつとかに引っ掛からなければ良いが...
何か、とても純粋そうだから怖いな。
まぁ、俺も街には入れるのならクラウドと一緒に居ることになるんだし、俺が気を付けてやれば良いか。
...俺も大概だって?
いやいや、そんなことはない。
俺はちゃんと人を見ているつもりだ。
そこまで考え終えて、クラウドを見るとよりいっそう心配げな顔をしていた。
あっ!
返事するの忘れてまた、考え事をしていた。
急いで顔を上下に動かす。
クラウドは心配そうな顔をしていたが
「そう?じゃー、街、帰ろう?こっち」
そう言い、クラウドは体を翻して歩き始めた。
俺は辺りに気を配りながら、クラウドの少し後ろを歩いてついていった。
さて、これからどのような生活になることやら...
そう、気楽に考えていた。
だがここから、俺の道は狂い始めていたのかもしれない。