14話目
さて、どうしたものか。
とりあえず、先ほどの攻撃でどれくらいHPが削れたか
怪我を追わせたドーウィに鑑定をかけ見てみる。
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種族:ドーウィ
Lv3/10
HP 5(8)MP 5
力 7
防御 2
魔力 4
俊敏 7
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うぇー、まだ半分以上も残ってる。
全体的に俺より強いんだよな...
それが2羽も...
これはヤバイな......
さっきのでもっとHPを削るつもりだったのに...
なんで飛び出したんだろ。
いや、分かってる。
少年が危ないと思ったからだ。
前は人だったからやっぱり人が殺されるのは嫌な気分になる。
それで飛び出してしまったのだ。
少年は呆然と固まっている。
此方には攻撃をしてこないようだ。
それなら、よかった。
少年の方にも気を配りながらドーウィをやっつけるのは無理だ。
只でさえ負けそうなのに...
怪我を負っていない方のドーウィが
睨み合っているだけというのが
我慢できなくなったのか此方に駆けてきた。
速い...が何とか目で追えている。
そして、先ほどと同じように蹴りを入れてこようとする。
それを掠りつつもかわす。
カウンターとして翼の部分を引っ掻いた。
そして、両者距離を取る。
また仕切り直しだ。
その間、怪我を負っていたドーウィは動かなかった。
結構怪我が響いているのだろうか?
今見ると片方の翼を振っている。
...なんだ?何をしているんだ?
すると、途端に背筋が寒くなりとても嫌な感じがした。
急いで横に跳びその場を離れる。
ガガガガガッ!!!
そのとたん、さっきまでいた場所に何かで切り裂かれたような後が複数できた。
...なっ......なんだ今の...
何も見えなかったぞ?
あまり深くまで切り裂かれていないので
1発で即死というわけではないだろうが、食らったら生きてここから離れることは無理だろう。
これも魔法だろうか?
それならMPを見て、後どれくらい使えるのか知っておいた方がいいな。
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種族:ドーウィ
Lv3/10
HP 4(8)MP 3(5)
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...ふむ、威力があるからあまり使えないようだ。
だが後1回、もう1羽の分会わせて3回は使える。
注意しておかなくては...
傷が軽い方がまた突っ込んできた。
今度は嘴でつついてこようとする。
それを右に左にかわしていく。
隙があるときは爪で引っ掻き、噛みつきし応戦していく。
相手に傷が増えているが、此方も傷が増えている。
すべて掠り傷のようなものだが徐々に体力が奪われていく。
...だが、向こうの方が奪われていくスピードが早かったようだ。
最後に蹴りを加えてきた。
それをまた掠りつつ右にかわす。
避けられたことと、体力低下によりドーウィは今までで一番体勢を崩した。
その隙をつき、首に思いっきり噛みつく!
「---っ!?」
ドーウィは逃れようと必死に暴れるがガッチリくわえているので逃れられない。
もう1羽も迂闊に魔法を放ち、仲間に当ててはいけないと思っているのか、こちらを睨むばかりだ。
口にどんどん力を込めていく。
それに比例するかのようにドーウィの暴れる力は弱くなっていった。
そして、最後にビクッとして、動かなくなった。
ドーウィを口から外し、地面に降ろす。
そして、もう1羽と対峙した。
向こうは此方を睨んでいるばかりで向かってこようとはしなかった。
だが、戦意が喪失したわけではない。
隙があれば魔法を放って来るだろう。
それならばこちらから仕掛ける。
魔法を放ってこられないようジグザグに走りながら近寄っていく。
後少しというところで魔法を放ってきた。
土を蹴散らしながら飛んでくる風の刃。
1つ目を左に2つ目を右にかわし、元の進路に戻るとすぐ眼前に3つ目の風の刃が!!
ザクッ!!!
...ぐぅぅっ、足が...
だが、ドーウィにはもう届く。
倒れ込むようにしながらも、もう一度首元に噛みついた。
『経験値を24得ました』
『知性Lv._により経験値を24得ました』
『子黒狼のレベルが1上がりました』
『進化可能になりました』
『鑑定Lv6になりました』
『噛みつきLv3になりました』
『引っ掻きLv2になりました』
『回避Lv1を得ました』
『斬撃耐性Lv1を得ました』
『刺突耐性Lv1を得ました』
『称号:救助者Lv1を得ました』
そう聞こえると安心して力が抜け地面に倒れ付した。
この声を聞いて安心するとか...
それに、なんかめっちゃ増えたし。
色々突っ込みたいけど今はそんな元気もない。
...あぁ、少年はどうしただろう。
そう思い少年の方を見ると、最初にいたところに居た。
だが、今は立って腰の所にある袋の中を探っている。
...元気そうだ。
少年は袋の中から目的の物を見つけたらしく
それを取り出した。
太陽の光を反射するそれは、短めながらもちゃんと刃がついている。
その物を右手に持ちながら俺の方を見た。
そして、ゆっくりとだが、確実にこちらに向かって歩き始めた。