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人生...いや、狼生は楽じゃないね!  作者: ゴンピ~
第3章:平穏の終わり
101/131

101話目

ギリギリ土曜日に間に合いました。



くうぅーー。

あー、よく寝た。

猫が伸びをする様に俺も体を伸ばして、大きな欠伸をする。

昨日アイスウルフと会って、帰ってきてからヴィオラに何も無かったか聞かれた。

そう言えば、行く手前に気をつけろと言われたんだった。

しかし、特に何も無かったんだよな。

せいぜいあのアイスウルフに群れに入りたいと言われただけだし...

そのようなことを言えば、特に危険がなかったのならよかったと言われた。

...これってフラグを折ってしまったんだろうか?

大体何時も言わない心配事を急に言うって事は、その後何か大きなことが起こるというのが普通だよな。

物語とかだと...

まぁ、これは現実だし、そううまい事いくわけないか。

あ、決してフラグを回収したいわけじゃないぞ?

こういうフラグって死ぬ感じだろう?

死にたくはないからな。


さて、今日こそはあの氷の場所を探索するぞ!




・・・・・・・・・・・・・・・




氷の場所まで駆けて来た。

今日はヴィオラは何も言ってこなかった。

...まぁ、気にせず探索をしよう。

氷が割れないか確かめながら歩いていく。


......うーん何も無いな。

真ん中まで歩いてきたんだが、本当に何も無い。

雪が降っても積もらない場所だから何かあると思ったんだけどなぁ。

それと、ここの氷はちょっとやそっとじゃ割れないことが分かった。

試しに走ってみても跳び跳ねてみても割れることはないし、氷の軋むような音さえも鳴らなかった。


ガリガリガリガリッ


氷に爪を立て引っ掻いてみたが、薄い傷がついただけだな。

この氷、相当固いのだろう。


ピシッ......


...ん?

音が......

あっ、何か近づいてきているな。

これは...またアイスウルフだな。

それも昨日の奴。


...ビシビシッ......


あれ?

これってもしや割れる?


ビシッ、ビシビシッ!


は!?ヤバイ!

俺は咄嗟に前に跳ぶ。


バキンッガリガリガリ!!!


体勢を立て直し、俺が居たところを見れば鋭い爪を持った手が地面を削っている。

手と言っても人のような手ではなく、獣のような手で白い毛皮に覆われている。

俺がさっき薄くしか削れなかった氷を意図も容易く削っている。

...何だ、これは?

鑑定をしてみる。



。。。。。。。。。。。。。。。

[]

種族:コクオマリ

Lv11/130 状態:健康

HP 2404 MP 33

力 677

防御 846

魔力 46

俊敏 320

ランク B+


[通常スキル]

噛み砕きLv2 氷鎧Lv4

打ち払いLv2 突進Lv3

氷泳Lv4 かち上げLv1

アイスマニュピレイトLv1

プレスLv1


[特殊スキル]

堅牢Lv1 斬撃耐性Lv1


[称号]


。。。。。。。。。。。。。。。



『コクオマリ:氷のある所を住みかとする白い熊。

基本的には氷の中に潜んでいるため、あまり見られることはない。

しかし住みかである氷を汚す、傷つけられると怒り、攻撃をしてくる。

綺麗な氷の面がある所はコクオマリの住みかである可能性が高いので注意が必要である。』


......なるほど、雪が降っても積もらなかったのはコクオマリが綺麗にしているからなのか。

そんな事を思っているうちにコクオマリが氷の中から出てきた。

見た感じはホッキョクグマに似ている。

が、体長は4m位はありそうだ。

それに爪と牙が鋭く大きい。

牙なんか口を閉じててもはみ出てるんですけど?

まぁ、上の犬歯2本だけだが...

後、アイスマニュピレイトってなんだ?


そんな事より、こいつライガーよりランク高いんですけど?

レベルがそこまで高くないのが幸いか。

ちなみに今の俺のステータスは


。。。。。。。。。。。。。。。

ブラン

種族:ゲイルウルフ

Lv29/30 状態:健康

HP 750 MP 412

力 595

防御 220

魔力 238

俊敏 852

ランク D-


。。。。。。。。。。。。。。。


うーむ、比べると酷いな。

魔力と俊敏が勝ってる位か。

まぁ、ランクが2段階も違うし仕方がないよな。

俊敏が勝ってるというだけでも有難い。

これならなんとか逃げ......


「グゥオオオオォォォォォ!!!」


コクオマリは咆哮を上げ此方に向けて走ってきた。

くっ、このまま住みかに帰るとライガーとヴィオラに迷惑がかかるな。

どこかで撒かないと......

住みかとは反対の方角へ走る為、体を反転させようとした時...


「バキバキバキバキッ」


「ガアォゥ!?」


コクオマリの背中に氷の針が数本突き刺さった。

なんだ?

誰がこんなことを?

ばっと辺りを見回せば、アイスウルフがコクオマリを見ていた。

もしや......


「グルルルルッ!(私が相手よ!)」


待て、俺は逃げようとしていたのに......


「ガルル。(貴方は逃げて。私が時間を稼ぐから!)」


いや、違う。

そんな必要はないんだ。

俺なら速さでは負けていない。

だから......


「グルァア!」


コクオマリは走る向きを俺からアイスウルフの方へ変えた。

アイスウルフは距離を取りながら、アイスニードルを放っている。

しかし、先程のは不意打ちであったから刺さっただけで、今は刺さるほどには至っていない。

かすってはいるがこれでは先にアイスウルフのMPが尽きるだろう。

そしたら負けるのはアイスウルフだ。


くっ、流石にこれでは見捨てられない。

俺を逃がそうとして殺られるなんて......

しかし、なぜそんなに俺に恩を感じているのか...

いや、今はそんな事を考えてる場合じゃない。

コクオマリを倒すことを考えなくては...

それと協力して倒すことをアイスウルフに伝えなくてはいけない。

一匹でコクオマリを倒すのは無理だ。

まぁ今はアイスウルフに意識がいっているから、出来るだけ大きなダメージを今の内に与えたい。

さてどうするべきか。

...あまり考えている時間はないな。

暗闇をコクオマリにかける。


「ガアァッ!?」


よし、かかったな。

追い風を自分にかけ、一気にコクオマリまで駆ける。

その勢いのまま爪で首元を引き裂く。


「グルァア!?」


うーむ、浅いな。

こいつ防御力が高いからな。

まぁ結構血は出ているんだが、思ってたほどダメージを与えれてないぞ。

これはやっぱりヤバイのでは?

逃げた方が良かったかも...


「ウォンッ!(どうして逃げてないの!)」


「グルル、ガウッ!(逃げれるわけないだろ。と言うか、何で俺を逃がそうとするんだよ!)」


そう言いつつ、暗闇が解ける前にカマイタチを大量にコクオマリに向けて放つ。

しかし、どれも小さい切り傷を付けただけだなこりゃ。


「ガルルッ、ガウガウッ!ワオンッ(それにだなっ、俺は速いから別にこいつから逃げられたの!お前が庇う事なんてなかったんだよ)」


「...グッ......グル(...えっ......そうなの...)」


「ガウッ!グルルル、グル。(そうだよ!だけどこうなってしまったらこいつを倒さなきゃいけない。そうしないとお前が逃げられないだろ。)」


「グ......キュイーン(う....ごめんなさい。)」


「ガルル、ウォン!(もう起こってしまった事は仕方ない。だから協力してあいつを倒すぞ!)」


「ウルルッ(ええ、分かったわ。)」


「グオオォォォアアァァッ」


コクオマリが吠えると、コクオマリの体の周りを氷が覆っていく。

ちっ、余計にカマイタチで攻撃しても意味がないな。

コクオマリの頭、背中、腹、腕、足に鎧のように氷が纏っている。

関節部分、動かす所は動きの邪魔にならないよう覆っていないようだが、そんな場所は狭い。

頭の部分、肩、背中には棘のような物もついている。

これが、氷鎧か。

防御力が高い癖に、余計に鎧とか攻撃通るのだろうか...


「ガアァァッ!」


コクオマリが跳び、氷の中に潜っていく。

うわ、あいつ更に氷の中に潜りやがった。

これでは此方から攻撃できない。

どこだ?

何処から出てくる?


「バキバキバキッ!」


後ろか!?

前に跳びつつ後方を見れば、氷が盛り上がって作られたであろう一本の鋭い針が、俺が元居たところに突き刺さった。

氷を操ってるのか?

そんなスキルあったか?

...あぁ、これがアイスマニュピレイトなのか。


「ビシビシビシッ!!」


針と言っても電柱位の太さがある。

それが氷に刺さったからか、地面がひび割れた。

これ、割れたりしないよな?


「バキバキ」


今度は左か!

氷の形成される音でどこから来るのか分かるから、まだ対処がしやすい。

右に跳ぶ。


「ガアッ!(ダメッ!)」


突如下から強い衝撃が来た。

俺の体が宙に浮かぶ。

下を見ればコクオマリが頭を振り上げている。

...なるほど、氷で注意を逸らしている時に出て来て俺が逃げるであろう方で待ち構えていたのか。

そして、かち上げで俺を打ち上げたと...

このままは不味いな。

宙にいるから次の攻撃も避けられないぞ。


「グルル!(氷牙爪撃!)」


アイスウルフがコクオマリに攻撃を仕掛けた。

爪に冷気のようなものを纏っている。

それをコクオマリは左腕の鎧部分で受け止めた。

鎧には傷が付いたがそれだけ。

反撃をするためか右腕を振り上げている。


逃げろっ!と言う前に右腕がアイスウルフに当たり吹き飛ばされていく。


「ギャンッ!」


ぐっ、しかしアイスウルフが時間を稼いでくれたお陰で俺は地面に降りることができた。

降りたと言うか、叩きつけられた。

フラフラするが何とか起き上がる。


さて、どうする?

俺らの攻撃は相手にはほとんど効いていない。

ただ最初に食らわせた首の傷は今だに血を滴らせている。

相手の攻撃を食らえば、俺達は直ぐにでも殺られてしまうだろう。

アイスウルフはまだ起き上がっていない。

左肩辺りに3本の切り傷が走っている。

少しは避けた用だが、それでも深く切られている。

アイスウルフの方に行かないよう俺が食い止めないと......



だがどうすればいいんだ.......





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