冬の歌
生きていくってことは
知らなかった感情を食らうことだよ
嬉しいとか悲しいとか
楽しいとか苦しいとか
そんなんじゃなくて
言う術がない感情を食らい続けることだよ
命尽きるまで止まりはしないんだ
雲を乗せた水色の空が
ゆっくりと動いていた
それに気付いたとき
僕は少しやわらかくなった
狭い空だったけど
ほんの一瞬だったけど
攻め続ける日々を忘れて
揺らめく空を見送った
隙間を作っちゃいけないと思った
絶えず動き続けることが救いだと思った
溢れるものはもうなくなったよ
楽になりたくて
なってはいけない
正しさの基準はなんだ
過ちを知ればわかるのか
わからない正しさにしがみついてる
生きていくってことは
知らなかった感情を食らうことだよ
嬉しいとか悲しいとか
楽しいとか苦しいとか
そんなんじゃなくて
言う術がない感情を食らい続けることだよ
命尽きるまで止まりはしないんだ