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最高の客人  作者: 真翔
3/3

最高の客人 3

「あの...」

「何。」

「今回の出来のほうは...」

「普通。」


今回のは個人的に自信作だったんだけど...

このガ...この客人は並な作品じゃ満足しないってか。

こりゃ、帰ったら怒られるな。


「分かりました。それでは...」

「...ねぇ」

「はい。」

「ここ、この中盤の所...」


そこは、俺が一番悩みに悩んだ所...。

どうでもいい所に凝るなって怒られたけど。


「ちょっと面白かった...」

「...!」

「もう少し内容濃くすれば良いと思う。」

「わかり...ました。戻って直ぐに

改善させて頂きます。出来上がり次第、

再度こちらにお持ちしても宜しいでしょうか。」

「うん。」

「では、失礼します。」


俺がここに通い始めて3回目。

初めてこの子の面白いを頂けた。

大体の人は1回、大してやらずとも

物の珍しさに面白いといってしまう。

だが、この子は一言も面白いと言ってくれなかった。

だから、俺の中ではこの子を満足させるのは

凄く難しいと思っている。

そんな彼からの面白いは俺にとって

物凄くでかい言葉だ。

嬉しさを抑えるのに必死で

少年相手に声が軽く震える。


『キィ...』

「お邪魔しました。」

『バタンッ』


ここからまた数日かけて

帰らなくちゃ行けない。

だが、俺の心は褒められた事の嬉しさで

全く時間を感じさせなかった。


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