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1* 第一印象って大事

息抜きに書きたくなった代物です。

そのため不定期更新? かも。一応頑張って書きます。

オリジナルを書くのは初めてですので、生暖かく見守ってください。


※残酷描写? は念の為です。外すかもしれないです。

 4月。出会いの季節と呼ばれるのは、この時期進級や進学があるからだろう。

 そのたびに男や女、はたまた担任教師まで新しくなり、クラスはそわそわとした人見知りムードに包まれる。

 皆、新しい出会いの予感やこれからの生活に期待し、夢を膨らませる。


 ああ、あえて言おう。


 ―――そんな幻想(ウソ)俺には無い。




 4月、それは全く新しい人間関係を強制的に作らされることになる季節。

 そのたびに男や女、はたまた担任教師まで巻き込んでその後の一年を左右する戦闘へと身を投じねばならない。

 皆、取り残されないように戦々恐々とし、時には一人二人蹴落とす事くらいためらわない。


 そう、あえて言おう。


 ―――それが現実(リアル)だ。



 日高(ひだか) (えん)高校二年生、春。

 浮かれる人々の中、世の現実を知るのは俺一人だ。




 そもそも俺は一年の時から友人がいない。

 できないのではなく、作らないのだ。負け惜しみではない。


「キミ、日高君って言うの? これからよろしくね!」

「…どうぞご勝手に?」


 理由は、『面倒くさい:信用できない』の1:1だ。

 それに俺の容姿は人を引き付ける物ではない。


 前髪の長いくせ毛の黒髪に、目を隠すような伊達眼鏡。

 細身でひょろっと高い身長、どんなに頑張っても焼けない白い肌、猫背。

 さらにうちの学校の制服は学ランとかベストとか、そういう洒落たのじゃなくてただのブレザー。


 つまり一言でいえば暗い。二言で言えば近づきたくない奴。

 当然だろう、あえてそうしている。

 こんな容姿の男にためらいなく話しかけてくる奴は、無駄な正義感を持て余した周りが見えてない奴か、一人でぽつんとしている奴に同情しているか、自分も一人だから仲間が欲しい奴だ。

 そんな奴らとお近づきになるのは正直、めんどくさい。


「ちづはね、夜坂千鶴(やざかちづる)! お隣だよ!」

「あ、そう」


 しみじみ思う。第一印象は大事だ。いい意味でも、悪い意味でも。

 皆が新たな一年のために自分を好印象付けようとする中、俺はあえて悪印象付ける。

 それだけで一年の平穏が約束づけられるなら、安いものだ。

 前髪は前を見るのに邪魔だし、眼鏡うっとおしくても。


 それすなわち相手の目を見なくていいと言う結論につながる。

 よく、『相手の目を見て話しましょう☆』とか言う教師がいるだろう。そいつに問いたい。

 相手の目を見てなんになる?


 せいぜい私は嘘ついてませんよと主張するぐらいだろう。

 それにしたってずっと見てなくちゃいけない。少し目線をずらせば『こいつは何かたくらんでいる』事になる。

 今時目を見て話せば気持ちいいとか無い。じっと見られれば逆に緊張するだろう。


「日高君って目悪いの?」

「…別に?」


 人付き合いをめんどくさいと切って捨てる俺を、良く寂しい奴だと言う奴がいるが、それは違う。

 考えても見てほしい。


「じゃあなんでメガネかけてるの?」

「…俺の勝手」


 友達を作るとする。そいつとこれ以上ないほど仲良くなるとする。そこで、裏切られたら?

 信頼していただけダメージは高いはずだ。


「日高君って好きな食べ物何?」

「…特に無い」


 俺は慎重な性格なんだ。そんな危険は犯さない。


「じゃあさ、じゃあさ、嫌いな食べ物は?」

「…納豆?」


 あの粘々を見ていると思う。あれが腐ってないと判断するのはどこだ。

 くさい、粘々、色は茶色…それこそ納豆菌以外のものに侵食されていないと分かるのは…って違う!


「えー、納豆か! ちづは好きだよ? ネバネバが美味しいんだってお婆ちゃんが言ってた」


 なんだこの女、さっきからしつこく話しかけてきて。

 『仲良くしよう』『勝手にすれば』で大体はかかわるなオーラを察して自分から去ってくれると言うのに。

 …直接的に言ってみるか?


「…えーと、誰だっけ? 俺は良いから他の人に話しかけてくれば?」


 どうだ、副音声『話しかけてくんな』は!

 これで俺は『せっかく私が話しかけてあげてるのに上の空の反応しか返してこないあげくどっか行けと言ってきた、失礼な男』になるはずだ。

 それならこの女からクラス中に俺の悪い評判が広がって、明日から話しかけてくる奴はいない。

 よし、これで平穏な暮らしが戻ってくるはず。


「ちづはね、夜坂千鶴って言うんだ。気軽に千鶴って呼んでね! ちづの目標はね、クラス全員友達なの! まずはお隣の席の子と仲良くなりたいから、今は日高君だよ!」


 …なるほど、将を射んとすればまず馬を射よって奴か? 少し違うか。

 そこで初めて隣を見て、にこにこと笑う女を見た。

 夜坂、千鶴…なんだか、めんどくさい事になりそうだ。

主人公、遠君が結構内心でひどい事を言う時があります。

あらすじに書いてはいますが、注意してください。


『ポジネガ』を気に入っていただけるよう、頑張ります!


感想・評価・指摘お待ちしてます。

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