表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪いの剣を持つ子どもと旅をした僕の話ーーファリン救記ーー  作者: シキ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/6

帰り道

「おや」


 低い、落ち着いた声がした。

 夜の帳が落ちる最中の空のような、深い青色の法衣を着た人物が、ゆったりと近づいてくる。金の瞳の子どもは、何事も無かったかのようにその背後に従うように移動した。


「人除けの魔法をかけたつもりでしたが、効きませんでしたか」


 その男性はサーディに構わず、もう人の気配のしない倒れたもののそばで片膝を着く。ほんの少し触れて、何か言葉のようなものを落とした。

 触れた場所から、死体が音もなくさらさらと崩れる。風は強くないはずなのに、灰のようにどこかへ飛ばされて、きらきらと流れていった。

 石畳に残った血糊は、鈍い金の光を帯びて地面に吸い込まれるように消えた。


「大人に言われませんでしたか? ここは危ない、と」

「近道、だから……」


 フードの下で口元の笑みが深くなる。いたずらを見逃してくれるおじさんのような。自分も覚えがあると言う大人の顔。


「……あまり心配をかけるものではありませんよ。特にあなたのような子は」


 諭すように言って、男性は立ち上がる。道を開けるように脇に避けた。


「そろそろ日が暮れます。早く帰ったほうがいいでしょう」


 サーディは少し悩んで、足を踏み出した。引き返していたら門限に遅れてしまう。

 男性の脇を横切る時に、ちらりと彼の後ろに控える子どもを見た。深く被られたフードに隠れて、その奥の金の瞳は見えない。

 怖いとは思わなかった。

 なんとなく後ろ髪を引かれる思いで通り過ぎる。


「あの……!」


 通り過ぎて踏み込んだ路地で、サーディは一度振り返った。


「誰にも言わないから!」


 それだけ言って、サーディは残りの道を駆け抜ける。返事はなかった。


 その夜は、胸がざわついてなかなか眠れなかった。

 金の瞳の子どものことばかりを考えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ