2/3
監察官
現れたのは、目を引く二人組だった。
背の高い金髪の青年と、黒いマントのフードを目深に被って、大きな荷物を肩に提げた子ども。黒いフードの隙間から長い黒髪がこぼれ落ちている。
忌色。青年の髪を見て、そんな言葉を思い出す。その色を持って産まれた人の末路と共に。
「監察官様」
マーサが目配せしながらサーディの肩を一度強く押して、青年に向き直る。立ち去るようにという無言の圧を感じて、サーディは今度こそ踵を返した。
「あの、儀式は……」
「滞りなく」
マーサの不安げな問いに応える声が耳に届く。
一瞬、視線を感じたような気がしてサーディは振り返った。
けれどそこには閉じられた教会の扉があるだけだった。
微かに吹く風が木々の葉を擦らせて、さわさわと音をたてていた。
サーディは立ちつくしたまま、しばらくその音を聞いていた。




