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追放された悪辣幼女の辺境生活 〜チート魔法と小人さんのお陰で健康で文化的な最高レベルの生活を営んでいます〜  作者: もーりんもも


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33 衣&食&住 完備!

 キースが、「大丈夫ですから」とか言いながら、女性たちに中へ入るよう促している。

 最初に顔を見せたのは、子連れの女性二組だ。

 ちゃんと小さな子どもを連れたお母さんを優先して案内している。


「席に着いてちょうだい。後から来た人は立ったままになるけれど、とりあえず何かお腹に入れないとね」

「あ、あのう……」


 あ。初めて喋った。

 でも、今はいい。


「挨拶は明日でいいわ。とにかく食べてちょうだい。寝るところは、後でそこの二人が案内するから」

「は、はい」


 あれ? 泣かれてしまった。

 それにしても、こうして明るいところで改めて見ると、ひどい有様だね。もうボロボロじゃん。

 着ている物が本当にひどいことになっている。

 着替えがないから仕方がないんだろうけど、汚れてヨレヨレで、何ならちょっと匂う。


 あと、裸足だったから擦り傷とか切り傷とかもありそう。大丈夫かな?

 今日は空いている使用人部屋で寝てもらうつもりだけど、雑巾で足だけ拭いてから厨房を出て行ってもらわないとね。


 おっとっと。そんな心配は後!

 まずは食事だよね。


「マイア。どんな感じ?」

「はい。もう出来上がります。ボウルに入れたら、すぐに追加分を作ります」

「そう。その調子で頑張ってちょうだい」


 よしよし。いい感じだね。


「部屋に入った人から順番に座って食事を始めてちょうだい。大勢いるから、今日はおしゃべりなしでとにかく食べることに集中してね」


 そう言っている間に、リミがテーブルにスープを並べていく。パンはカゴの中に山盛りの状態でテーブルに四箇所置かれている。

 母親が私をチラリと見てきたので、早く食べろと頷いてやった。


 母親は震える手でスプーンを手に取り、スープを掬うと、膝の上の子どもの口に入れてやった。

 え? スプーンをちゃんと持てないほど力がないの?

 どんだけ衰弱してんの!

 もう一組の母子も同じことをしている。


 ……あ。

 見たところ、一人は二、三歳で、もう一人は四、五歳くらいなんだけど、それくらいの子って、普通はもっと(うるさ)いよね?

 子どもも声を出す気力がないの?

 大事(おおごと)じゃん!


 私の方がプルプル震えていたら、小学校高学年くらいの女の子が三人厨房に入って来た。


「どんどん詰めて座って。座ったらすぐに食べて」


 女の子たちは無言で指示に従った。

 今日は許す。返事がなくても構わない。



 その後も、中高生くらいが六人、二十代が四人と続いた。

 さすがに厨房が狭くなってきたので、この辺で退散することにする。




 廊下に出ると、アルフレッドが私を待っていた。


「お嬢。領民たちにはお嬢が魔法を使っただけだから心配しないように言っておきました。それにしても若い女性が一気に増えましたね」

「上等。上等。この屋敷の管理と私の世話をする人間が不足していたからよかったわ。体力が回復するまでは客扱いを許すけれど、復活したら仕事を割り振ってね」


 私は鬼でも暴君でもないけれど、ここはシェルターじゃないのでもちろん働いてもらう。


「それで……結局、ここに移ってきそうな人たちは、全員連れて来たっていうことかしら?」

「そうみたいです。ブレッツによると、声をかけたそばから『連れて行ってほしい』と皆、即決したって言っていましたから。お嬢のような領主のいる村に来られてよかったと、お嬢のことを聖人と崇め奉りそうな勢いでしたよ」


 オエッ。

 聖人なんて好感度マックスになったら、後は落ちるだけだから嫌なんだけど。

 どうせすぐに(あら)を見つけて、「思っていたのと違う」とか言われるに決まっている。


「聖人は却下で。新しく来た人たちにも、私のことは『シャーロッテ様』と呼ぶよう徹底させて。それから――ああキース。ちょうどよかった。あなた、明日からこの村の家の使用状況を確認してきて」

「は? 使用状況ですか?」

「アルフレッド!」


 教育が足らんぞ!


「キース。命令を鸚鵡返しするなど不敬だぞ」

「は、はい」

「いくら女性だからといって、平民をいつまでも領主館に住まわせる訳にはいかないだろう」

「承知しました。空いている家を確認します」


 ああ、そうだ。

 一応、労働の対価として衣食住を保証する訳だから、家以外にも、まずは最低限の支給をしないとね。


「あの人たち、ボロボロだったでしょ? 明日で構わないから、まずは着ている服は燃やして、体を隅々までよーく洗うように言っておいて。濡らした布で拭くんじゃなくて、水をかけながら布でゴシゴシ擦って汚れを落とすやり方でね」


 絶対にノミとかいそうだもん。全員、丸洗いは必須!

 ……あ。石鹸って貴族しか使えないんだっけ?


「特別に石鹸の使用を許すわ」


 キースは、「かしこまりました」と言ってから、「そうなると井戸の近くで囲いでも作って洗わせないと……」とブツブツ言っていた。

 まあ、私専用の風呂を使わせる訳にはいかないから、外で洗うことになるよね。

 女性と男性とを入れ替えて洗わないといけないし。


「やり方は任せるわ。新しい衣服は朝までに作っておくから、全員に支給してちょうだい」

「はい……?」


 できるはずだから。

 お昼寝でバスを作ったんだよ? 服ぐらい一晩あれば山のように作れるわ!


   ◇◇◇   ◇◇◇



 寝る前に新領民リストを見ながら平民の衣服について考える。

 とりあえず女性陣の服は、洗い替えも含めて五歳児用、十歳用、十五歳用、大人用と併せて五十着くらいは必要だな。

 平民女性の普段着ってどんなんだろう?

 まあ、下着用のタンクトップとショーツ、厚手のチュニックと七部丈のステテコみたいな物でいいか。


 男性陣は、村でよく見るやつ。

 丸襟のダボシャツにボテッとしたパンツ。

 サイズはスリーサイズ展開で、大は小を兼ねる的に使用してもらおう。


 靴は男女兼用だな。

 キャンパス地のスリッポンを、子ども用に十五センチと十七センチ、十歳以上用に、二十センチから一センチ刻みで三十センチまででいいかな。


「じゃ。後はよろしく!」


 小人ども!

 仕事の時間だよ!

 朝までに私が驚くほど大量に作れよ!

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― 新着の感想 ―
主人公の小人に対する言動が上からものを言う感じで面白いですね。読んでいて嫌な思いをしない程度にコミカルに感じます。
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