20 【閑話】怖い。怖すぎる。
ちょっと短いですが。
うっうっ。怖い。怖いすぎる。
神に対して、『女神、出てこいやー‼︎』なんて言う人間がいるとは……!
あの人間の声が聞こえる度に震えが止まらなくなる。
『ファンタジーの世界なら、神を呼び出すアイテムとかあるかもしれない。待ってろよー! 女神!』
『あー、ムカつく。ちっとも返事をしないなー。教会じゃなきゃ会話できないってことなの?!』
『あ! もう一回教会のあの部屋に行ったら話ができるかも。落ち着いたら行こう! そしてありったけの鬱憤をぶちまけてやる!』
『神様だってちゃんと属性ごとに担当が分かれているっていうことは、与えられた仕事があるっていうことだよね? あの女神は自分の仕事をちゃんとこなしてないよね? 神様を叱れる存在っていないのかな?』
『あー、腹たつー‼︎ あー、ムカつく‼︎』
もう次から次へと恨み言をぶつけてくるので頭がおかしくなりそう……。
あの人間が生きている限りずっと聞かされ続けるのだろうか……。
一人でいると気分が滅入る一方なので、皆様がくつろいでいらっしゃる部屋に行ってみる。
……………………‼︎
中央の円卓に、五人の神々がいらっしゃる!
いつも空席の場所に、光を司る女神様のお姿が!
ということは――光属性を授けるに相応しい人間が現れたのだろうか。
私なんかがご尊顔を拝するのは畏れ多いけれど、一度目にしてしまうと、もう目を離せない。
四大元素の神々も口々に光の女神様を褒め称えている。
壁際でひっそりと息を潜めて聞き耳を立てている私に注意を向けるはずもないので、息を殺して五人の会話に集中する。
「――では本当に間違いなかったのですか?」
「ええ。久しぶりの感覚でしたわ。私の力と響き合うあの感じ……きっとあの子が世界を光で照らしてくれることでしょう」
うわぁ……。光属性を授けられた人間が現れたのか……。素晴らしい人間なんだろうなぁ。羨ましい……。
それに引き換え、私が力を授けたあの人間は……はぁ。
私やこの世界に悪態をつくことしかしていなさそう。
唯一の救いは、使える魔法が(私にもよく分からないけれど、おそらく)攻撃的な魔法ではないということだ。
火属性を手にしていたら、今頃どこかで誰かが犠牲になっていたかもしれない。
やはり火属性の女神様が私にあの役を譲られたのは正しかったんだ。
そうか……私もこの世界の役に立ったんだな……よかった。
それにしても。
光属性の人間の魔法で、あの人間の心を浄化してもらえないかなぁ……。
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