15 私の魔法?
打ち捨てられていた領主館が輝きを取り戻していた。
……何で?
まるで竣工披露に駆けつけたみたいな気持ちにさせられる。
……どゆこと?
とにかく屋根も壁も窓もピッカピカ。
……だ、か、らー‼︎ どうしてなの?!
「お嬢! もしかしてお嬢の魔法属性は風ですか? 魔法で埃を吹き飛ばしたんですか? でも――それにしては綺麗になりすぎているというか……。ここまで完璧に磨き上げることができるものなのか……」
アルフレッドも急に綺麗になった屋敷に驚いて私を呼びに来たのか。
私が風魔法で埃を吹き飛ばしたと思って?
最後の方は独り言みたいになっちゃってるけど。
あ。そういえばその話をしたかったんだった。忘れてたよ。
「コホン。ちょうど私の魔法についてあなたと話がしたかったところよ。ちょっと中で――」
「アルフレッド様! よく分かりませんが、もう荷物は運んでよろしいのですよね?」
キース、このヤロー!
この私が話しているところに割り込んでくるとは、いい度胸をしているじゃないの。
「あのね――」
「ああ。みんなも! 急いで荷物を下ろしてくれ。それと、家畜は裏に厩舎があったから、悪いがそこに入れておいてくれないか」
アルフレッド!
あんたまで私を無視しないでよ!
「お嬢。悪いがまずは荷物を下ろして、あいつらを返してやらないといけないので、話はその後で。ああ、メイドが水を汲みに行っていたので、お茶でも淹れてもらって飲んでいてください」
「ちょっ、あっ」
アルフレッドは言いっ放しで私の返事も聞かずに行ってしまった。
なんだか命令されたみたいでムカつく。
でもちょと気になるから屋敷の中に入ってみることにする。
荷物を屋敷に運び入れるため、誰かがエントランスのドアを大きめの石をストッパー代わりにして固定している。
この時代には養生という概念がないため、荷物をあちこちにぶつけないか心配。
みんな早く帰路に就きたいのか、騎士だけでなく御者までもが荷物を運んでいる。
フン。急ぐのはいいけれど粗相は許さないからね。
騎士たちが行き交う隙間を狙って屋敷に入る。
エントランスが激変しているから中も変わっているのかも、とは思ったけど。
これ――まさに激変じゃん‼︎
内装は地味で調度品もほとんどない屋敷だけど、清潔ではある!
余裕で暮らしていける!
あ。私の部屋も綺麗になっているのかな? 見に行こう!
……すごい。
やっぱり地味は地味だけど、とっても上品な部屋に生まれ変わっていた。
ベッドにぽすんと座ると弾力を感じる。
思い切って仰向けで大の字になってみる。うん。悪くないね。天蓋はないけど、別に天井が見えるのが私には普通だしね。
荷物の搬入は一階の厨房から行われていたので、シャーロッテの荷物は最後になるのかもしれないな。
「でも、寝具は持ってきて正解だったかも。最高級の羽毛布団だもんね。それもちゃんと薄めのものと厚めのものと二種類。この町だか村だかでは手に入らない高級品だからね」
それにしても。
マイアとリミは何をしているんだろう?
ご主人様を放置するとは許せない。教育が必要だね。
これ――自分で取りに行かないとお茶も飲めない感じ?
ちっ。
でもわざわざ一階に下りて、メイドを探し回るなんてシャーロッテのプライドが許さないよね。
荷物を運び終わったらアルフレッドあたりが気を利かせて様子を見にきてくれるかなー。
それにしてもこの部屋は家具が少な過ぎるんじゃない?
応接セットとまでは言わないけれど、少しくつろいだり、私的な話ができるようにソファーとローテーブルくらいは欲しいわ。
はぁー。ま、いっか。さっき気持ちよく居眠りしていたところを起こされたせいか、ちょっと眠たい。
お子様の体が睡眠を要求してるのかも。
そのまま眠ってしまうかと思ったけれど、覚醒している。
前世で、めちゃくちゃ疲れているのに熟睡できない――みたいな感じ。
……うん?
なんとなく気配を感じて目を開けると、何かが部屋の中で動いていた。
……へ?
……子ども……たち?
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