裏切り
翔也『美紅さん!!起きてください!大丈夫ですか???』
私を呼ぶ声がする
そこで私は目覚めた。
あぁ私あの後陰口が聞こえた反動でお酒をたくさん飲みすぎて潰れていたのだ。
美紅『気持ち悪い、吐きそう』
翔也『えぇ飲み過ぎにまじで気をつけてくださいよ』
翔也は何かと私を気にかけてくれる唯一の男の子
見た目なんていうか今時の男の子なんだけどちょっと荒々しくてガサツでそんな感じほんと今時の子
翔也『お水持ってきましたよ美紅さん。』
私はその水を飲み干す
陽菜『美紅〜大丈夫〜?』
私はみんなに心配かけて本当ダメな人間だ。
翔也『今日はもう帰りましょう美紅さん。あとは任せてください。』
意外とこいつ気配りできるんだなと心から感じた
美紅『ありがとう今日は先にあがっちゃうね。』
帰る際に色んな人にもう帰るの?って嫌味ぽく言われたのはここだけの話に留めておく。
次の日起きたら陽菜から連絡が来てた
二日酔いになってないかぁ〜?大丈夫か〜?
確かに若干二日酔いではあるが仕事休むほどでは無い。
うわ、やばもうこんな時間じゃん。
急いで私は家を出た
Edenのロッカールーム私の番号の場所開けてみると中にはあるはずの服やアクセサリーがなくなっていた。
嫌われてるのは薄々わかってた。
でもそんなに露骨にやらなくてもいいじゃん。
私はその場で崩れ落ちた。
陽菜『美紅どうしたの??え、なにこれ?』
一瞬で事態を察したのだろう。
陽菜『許せない。私の美紅を犯人探そうよ。』
美紅『いいよ。私が嫌われるのが悪いから』
案の定探したらゴミ箱の中にアクセサリーなどはあった。
誰だよこんなことした奴絶対性格歪んでるよ。
私が言えた事ではないけどさ!!
なんでこんなことするかな!!
ほんといやなっちゃうわ!!
精一杯の強がり。
そして、今日の営業の営業が始まった。
今日は金曜日ということもあり、やたらめったらお客さんの入りがすごい
休憩する暇もないほどに他の席に移動移動繰り返していた。
美紅『きゃっ』
見えなかったが誰かに足を引っ掛けられ
こけてしまった。
クスクスと周りの女の子たちが笑う声と
男の人達の心配の声が場内に響き渡る
近くにいた陽菜が真っ先に駆けつけてきた
陽菜『大丈夫?怪我ない?』
心配してくれてる
陽菜ってほんと優しいな
営業終わり着替えようと更衣室に向かってる途中
陽菜『美紅こんなにいじめられてて自分が嫌われてるの気がつかないのかな?笑
早くやめてくんないかなぁ正直邪魔なんだよね存在も何もかも、足引っ掛けた時の美紅みた?マジで面白かった笑もっかい見たいぐらいの傑作だよね笑』
陽菜の言葉が頭に響いた。
あんなに優しいと思っていた彼女が、まさか私の背中で笑っていたなんて。
胸の奥がじわじわと痛んでくる。裏切られた感情が、混乱と怒りに変わるのを感じた。
自分の目の前で起こっていることが、現実なのかどうかすらわからなくなっていた。
美紅『…そうだったんだ。』
思わず声に出してしまった。冷静さを保とうとしても、心の中で何かが崩れ落ちる音がする。
陽菜『え、聞こえてたの?あーあ、バレちゃったか。まあ、いいか。どうせ気づく頃にはもう遅いんだし。』
彼女の声は冷たく、今まで聞いていた彼女のトーンとはまるで違っていた。
美紅『…なんで?』
喉が詰まるような感覚だった。言葉を絞り出すのがやっとだった。
陽菜『なんで?それはこっちが聞きたいよ。なんであんたがいつも目立つの?なんであんたばっかり皆にチヤホヤされてんの?』
彼女の目が鋭く光る。今まで感じたことのない冷たさが私の心を貫いていく。
美紅『…そんなこと、ない。私は…ただ…』
声が震える。何もかもが崩れ去っていくようだった。
その時、誰かの足音が近づいてきた。
翔也『美紅さん、大丈夫ですか?』
彼の声が突然の救いのように感じられた。振り返ると、翔也が心配そうな顔で立っていた。
陽菜は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに無表情に戻り、軽く肩をすくめた。
陽菜『あー、やっぱりお姫様には守ってくれる王子様がいるんだね。ほんと、笑える。』
そう言い捨てて、陽菜は背を向けて歩き去った。
翔也は私に近づいて、そっと肩に手を置いた。
翔也『なんかあったんですか?』
その優しい声に、私の堪えていた感情が溢れ出しそうになった。けれど、今はまだ泣いてはいけない。そう自分に言い聞かせた。
美紅『…大丈夫。』
無理やり笑顔を作ったけど、きっと翔也にはバレてるだろう。
でも、今はこの笑顔しか自分を守る方法がなかった。
翔也は何も言わず、そっと私のそばに立っていた。
その沈黙が、少しだけ心を救ってくれた気がした。
その後、私は黙って更衣室を後にした。翔也が後ろで見送ってくれているのがわかったが、振り返らなかった。
全てが終わった後、私は夜の街を一人で歩きながら、これからどうするべきか考えていた。
もうここには戻れない。それはわかっている。
でも、次はどうする?私はこれからどこに向かうんだろう?
夜の風が冷たく、私の頬を撫でた。




