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恋と嘘  作者: yukko
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結婚式

挙式当日は晴天だった。

招待客を二人で出迎えた。

出迎えていたら、悠が招いていなかったはずの大切な夫婦が目の前に……。


「悠君、沙希子さん、本日はお招きいただき本当にありがとう。」

「お義父さん、お義母さん……。ありがとうございます。」

「麻美さんのお父様、お母様、沙希子でございます。」

「沙希子さん、本当にありがとうございます。

 貴女からのご招待をお受けして本当に何とお礼を言えばよいのか……。」

「お越しいただきましたこと、本当にありがとうございます。嬉しいです。」


カフェのスタッフが声を掛けた。


「どうぞ、お席にご案内いたします。」

「はい。」


招待客の出迎えを終えた時に、悠は沙希子に聞いた。


「いつ? いつ招待したの?」

「友田君のお母さんにお願いして、招待状を渡して頂いたの。」

「沙希子………。」

「いけなかった?」

「ううん。……ありがとう。」

「良かった。」

「……いけないのは……一つあるよ。沙希子……。」

「何? 私、なんかした?」

「俺、今日から友田悠じゃ無くなるんだけど……。」

「あ……。苗字……本当にありがとう。」

「いいえ、どういたしまして。………だけじゃない!」

「なぁに?」

「いつまで友田君? 結婚しても友田君って変だろ!」

「あ……。」

「友田君って呼んでも返事しないからな。」

「あ……うん。」

「ホントに……もう……。」

「ごめん。」


全員が席に着いてから、二人で婚姻届けに署名捺印した。

捺印はしなくても良いのだけれども、友田の印鑑を使うのが最後だから捺印することにした。

証人欄は両家の父親たちが署名捺印してくれた。


挙式は、30人ほどのカフェウエディングだったが、和やかな挙式だった。

新郎新婦がスーツ姿の珍しい挙式だった。

ただ、新郎新婦の胸には可愛い花が飾られている。

ブートニア……新郎だけがつける胸元の花だが、沙希子も同じ物を胸元につけた。

沙希子はスーツなのでベールもブーケも無かったからだ。

そんな娘の姿だったが、両親には眩しく映った。


沙希子の両親から「いい挙式をしてくださって本当にありがとうございました。」と言って貰えたことが、悠は嬉しかった。

沙希子の花嫁姿を望んで居るはずの沙希子の両親から「ありがとう。」と言って貰えると思っていなかった。


麻美の両親は泣いていた。

二人の席の間にもう一つ席があって「友田麻美」と記されていた。

その沙希子の配慮が嬉しかった。

テーブルに置いてある「友田麻美」の名札の直ぐ後ろに、麻美の遺影を置いた。

麻美に話しかけるように「麻美、見えてるか? 悠君だ。 とってもいいお嬢さんと結婚したよ。お前も嬉しいだろう? 心配してたもんな。本当に良かった……。」と言って、涙を拭いていた。


結婚式が終わり、沙希子は疲れていた。気疲れしたのだ。

「いい嫁、いい妻にならねば……。」という気持ちが大きくて、麻美の両親を招いたのも悠のためだった。

悠のために……が今の沙希子は不安を少しでも感じなくさせていた。


悠は沙希子の花嫁姿を見たいと、見たかったと、挙式が終わっても思った。

そして、大切にしたいただ一人の女性だと思った。

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