両家の顔合わせ
店を予約し両家の顔合わせをした。
友田家からは両親と兄夫婦、そして妹夫婦。
橋本家からは両親。
最初、沙希子はとても緊張していた。
時間の経過とともに緊張は和らいできた。
和やかな会話が続く中、悠が結婚式について話し出した。
「結婚式ですけれど、僕たちは形式に捉われないものにしたいと思っています。
何かアイディアとかあれば教えて頂きたいのです。」
「どういうこと?」
「話した通りだよ。」
「でも、悠、貴方は一度お式を挙げたけど、沙希子さんは初めてなのよ。」
「すみません。私がお願いしました。」
「沙希子さん! いいの?」
「はい。」
「沙希子が望む通りで僕たちはいいからね。」
「お父さん。ありがとう。」
「で、どうするんだ? 白紙じゃないんだろう?」
「はい。まだ僕だけが考えていることですが……
今日みたいに両家でどこかで食事をして、皆さんの前で誓いたいと思ってるん
です。」
「そんな……沙希子さん……花嫁衣裳は? 着るのよね。」
「私は着ません。」
「そんな……。」
「それでいいんじゃないでしょうか。二人で決めれば良いと思います。」
「ありがとうございます。」
「結婚するのは友田君と沙希子ですから……。」
「でも……。」
「それで、沙希子さんはいいんだね。」
「はい。」
「じゃあ、二人で思うような形式を作ってくれ。」
「はい。」
沙希子は不安を抱えたままだった。
「これがマリッジブルー?」と思いつつも、「友田麻美」の存在が大きくなっていった。
「私なんて……近づけないくらい素敵な女性だった。」という想いが不安の元だと最近になって分かって来た。
花嫁衣裳を着る勇気すらないことにも気が付いた。
悠の両親は沙希子の両親のことを思い、結婚式を挙げないと言った息子に苛立っていた。
沙希子の両親は、顔に出さないように努力をしていたが、落胆は隠せなかった。




