麻美の墓前
悠は麻美の両親に電話をして、麻美の墓前に詣でる時に会いたいと話した。
その日、悠は墓前に手を合わせて再度報告した。
そして、麻美の両親への報告をする。
昼食を終えた後に悠は話し始めた。
「お義父さん、お義母さん。
ご報告があります。」
「伺おう。」
「再婚したい人がいます。
彼女から同意も得ました。」
「そうか! 良かった。本当に良かった……。」
「おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「お祝いさせて頂くわ。」
「いいえ、お祝いを頂くわけには……。」
「何を言ってるんだ。君は私たちの息子だよ。受け取って欲しい!」
「ありがとうございます。
お祝いを頂けるのであれば、お願いがあります。」
「なんだね。何でも言って欲しい。」
「ありがとうございます。
実は、ずっと麻美さんの陰膳をしていました。
ですが、再婚して続けるのは……。」
「当然だね。それで?」
「はい。その陰膳を止めたいと思います。
お許しください。」
「何を言ってるんだ。さっきも言った通り、再婚相手の気持ちを考えると止めた方
がいいに決まっているから、当然だよ。」
「ありがとうございます。」
「もう、ここにもね。なるべく来ない方がいい。」
「そうですね……。」
「悠君、麻美のこと今まで本当にありがとうございました。」
「いえ、俺は何も出来なかったです。」
「ううん。充分だったわ。」
「そうだ。充分過ぎるほどだった。」
「だからね、もう貴方と婚約した方とのことだけを考えて欲しいの。」
「そうだよ。そのためにも麻美の墓前に来るより、その方を大切にし給え。」
「はい。」
「おめでとう。どうかお幸せに………。」
「ありがとうございます。」
たぶん、もう会う機会が少ないだろう。
「今まで見守って頂いたこと忘れません! ありがとうございました。」と、去っていく麻美の両親の後姿に礼を言い、深く頭を下げた。




