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恋と嘘  作者: yukko
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友田家訪問

友田悠の両親に会う。

前日から不安が募っていた。

「どう思われるのかな?」

「比較されるよね。きっと……。」

「どうしよう……怖い……。」

不安で眠れない夜だった。

結局、一睡もできずに朝になった。


迎えに来てくれた悠にカイが大歓迎したが、家に入って来ないと分かった途端、分かりすぎる態度になった。

甘えだしたのだ。それも酷く……。

身体を預けるように甘える。

離れない……。


「始まっちゃったわね。カイ、友田君はまた来てくれるわよ。」

「うん。また来るよ。今日はバイバイ。」


「友田君、沙希子をよろしくお願いします。」

「はい。」

「お父さん、お母さん、行ってきます。」

「いってらっしゃい。」

「沙希子! その……なんだ……聞かれたことには正直に答えなさい。」

「はい。」

「沙希子! あの……な。……言葉遣いに気を付けなさい。」

「はい。」

「はい。分かってるわよね。

 お父さん、時間が迫ってるのよ。引き留めないでくださいね。」

「べつに……引き留め……何を言ってるんだ。」

「いってらっしゃい。友田君、お願いします。」

「はい。」

「行ってきます。」

「いってらっしゃい。」

「気をつけてな。」

「はい!」


家を出て、初めて友田悠が運転する車に乗った。

助手席に……嬉しかった。

頬が染まっていくのを感じた。


「お父さん、行かせたくないみたいだったね。」

「そうかな……。」

「愛娘だもんね。一人っ子だよね。」

「うん。」

「うちは兄貴と妹がいる。今日は二人も居るから……。」

「そうなの?」

「うん。……居ない方が良かった?」

「えっ?」

「緊張してるだろ?」

「うん。」

「俺も……。」

「友田君も……?」

「そりゃ、好きな子を家族に紹介するのって緊張するよ。

 結婚したいんだから………。」

「そうなんだ。」


狭い二人だけの空間が初めてだったので、沙希子は緊張……そして恥じらい……。

胸の鼓動は大きくなっていった。


到着して悠の家族全員の歓迎を受けた。

歓迎されるとは思っていなかった沙希子は、それだけで驚いてしまった。

挨拶も下手だった。

声が裏返ったり、言葉に詰まったりした。


⦅駄目だな私………。⦆


「緊張してるのね。」

「そりゃそうでしょう。初めて彼氏の家に来たんだからね。」

「そうそう、それに兄と妹も居るし……。ごめんね。妹まで同席して。」

「沙希子?」

「えっ?」

「聞いてなかった?」

「ごめんなさい。 あの……すみません。」

「気にしないでくださいよ。うちは気にして貰うような家じゃないからね。」

「本当にすみません。」

「それで、いつ結婚するのかい?」

「そうそう、それを聞きたいのよ。」

「これから式場を見に行こうと思ってるんだけど、その前に両家があっておいた方

 がいいのかな?」

「どっちが先でもいいけれども……沙希子さん、一人っ子なんだね。」

「はい。」

「ご両親様はお辛いだろうね。」

「そうかもしれません。何度も流産して、やっと出産まで母のお腹に居たのは私だ

 けだったんです。」

「まぁ、そうだったの。お母様……やっと……。嬉しかったでしょうね。」

「はい。」

「悠!」

「はい。お父さん。」

「大事にしなさい! 沙希子さんはご両親様の大切なお嬢さんだ。」

「はい。」

「式も楽しみになさるでしょうね。」

「式……。」

「そうよ。どんなお式がいいのかしら?

 和装? それとも洋装?」

「しなくていいです。」

「えっ?」

「私、結婚式なくていいです。」

「どうして?」

「しなくていいの。」

「沙希子、なんで?」

「しないで………。考えたいの。」

「沙希子さん、ゆっくり考えたらいいんだよ。

 してもしなくても、私たちは……。

 当人同士の人生だからね。

 君たち二人が納得して決めたことなら私たちは何も口出ししないよ。

 それは、安心して。」

「……はい。ありがとうございます。」


お礼を言って帰る時、悠の車に乗る前……


⦅式をしないって言ったら悪かったのかな?

 でも、再婚だから……しなくても……

 した方が……悪いような気がする。⦆


想いに耽っていたら、直ぐ傍に優が居た。


「不安、あるんだね。

 話してくれる?

 俺、出来る限り……叶えるから……。

 取り敢えず、車に乗って……。」

「うん。」


走り出した車の中で、話を聞いてくれた悠だった。

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