幸せになる不安
佐伯陽菜は驚いた。
友田悠の行動の早さに……。
その渦中で訳が分かってないような沙希子に……。
「じゃあ、結婚するから友田君の両親に会うのね。」
「うん。」
「プロポーズ受けてOKしたのよね。」
「うん。」
「不安なことあるの?」
「う……うん。」
「何? 何が不安?」
「結婚式とか……していいのかな?」
「友田君が再婚だから?」
「離婚で再婚だったら……違ったかもしれないけれど……。」
「死別と離婚と、どう違うの?」
「心が残ってるでしょう。死別は……。」
「それか………。」
「そんな心で……私の両親のために……結婚式っていうのは……
友田君に悪い………。
それに、麻美さんのご両親……嫌なんじゃないかな?」
「なんで?」
「なんとなく……。」
「麻美さんって亡くなった奥さんだよね。」
「うん。」
「そのご両親の気持ちは分からないけど、気を使い過ぎだと思うけど…。」
「生きていたら……私は友田君の隣には……。
亡くなった麻美さんのこと忘れられないのは当たり前。
私は、これから法要とかどうしたらいいんだろう?
これから本当に友田君の妻になれるのかな?
私、多くを望んだらいけないと思うの。」
「どうして?」
「今のままでいいの。」
「結婚しないでいい、っていうこと?」
「分かんない。もう頭の中一杯なの。」
「急にいろいろあったからね。
でも、友田君の傍に居られて……どう思う?
幸せ? それとも……不幸せ?」
「幸せなの。怖いの。私が幸せって思っていいのかな?」
「いいのよ。」
「これから、実際には色々決めていく時に不安になると思う。
それが結婚なのよ。
沙希子だけじゃないからね。」
「うん。ありがとう。」
「口出しは……しちゃいけないわね。
それにしても、大変だなぁ~。友田君。
沙希子じゃなければ、楽なのにね。」




