プロポーズ
友田悠が帰るとき、見送るために外に出た沙希子から……
「ごめんなさい。お父さんがあんなこと言いだして……
本当にごめんなさい。」
「ううん。俺は良かったと思ってるんだ。
沙希子、ごめんな。
順番が後になって… 沙希子………
俺と結婚してください。お願いします。」
「……私だよ。麻美さんみたいに綺麗じゃないし、可愛くも無いし、
何もあげられない……私、何も無いもん。」
「……麻美と比べられないよ。
麻美は麻美。沙希子は沙希子。だから、比べられない。」
「………………。」
「俺と一緒になるの、嫌? 俺とは結婚したくない?」
「………………。」
「沙希子、俺、今、必死になってるんだけど……。
だから、応えて!
俺と結婚してくれますか?」
「…………私じゃ……駄目」
「俺と結婚してくれますか?
俺は沙希子じゃないと駄目なんだ。
だから、YESと言ってくれないか……。」
「……………夢みたい。」
「なんて?」
「だって、友田君が……私と?……夢……みたい。」
「夢みたい?」
「うん。」
「じゃあ、YESって言って!
夢じゃないから…。沙希子、一緒にこれから先の人生を歩みたいんだ。
お前じゃないと…お前だから、結婚したいと思ったんだ。
YESって言って……。」
悠は沙希子を抱きしめました。
「放して……。」
「嫌だね。YESって言ってくれないと放さないよ。」
「………私で…いいの?」
「YESだけ言って……。」
「………YES………。」
「良かったぁ~。拒否されたら、と思って焦った。」
「ねぇ、放して……。」
「嫌だね。」
「だって、さっき……。」
「沙希子を抱きしめたかったんだ。
だから、もう少し……このままで……。」
「………もう少し?」
「うう~~ん。もっと!」
「やだ………。」
「嫌なの?」
「恥ずかしいから見ないで……。」
「こうしてたら見えないよ。」
家の中では父が娘を心配していました。
「見送るって長くないかっ?」
「長くないですよ。」
「でもなぁ………。沙希子、迎えに行って来ようか……海。」
「止めてくださいねっ! 恥ずかしい……。」
「でもな、長すぎるんだよ。」
「貴方も昔、同じことしてましたよ。」
「へ?」
「貴方を見送った私と長い口づけを……。」
「そうだっ! 海、引っ張りごっこしよう!」
「まぁ……同じなのに……。」




