上書き
友田悠は富田優一に電話で聞きました。
「なんだって?」
「だから、教えて欲しいんだよ。
沙希子、デートしたんだろ? アプリの人と……。」
「したね。一回だけだけど……。」
「その時にどういうデートだったか知ってるか?を聞いたんだ。」
「お前……何を気にしてるんだ?」
「そのデートよりも……沙希子が喜ぶデートをしたいんだ。」
「ふ~~ん。……違うんじゃないの?」
「何が?」
「その時のデートに負けたくないんだろ? うん? 違うか?」
「………違わないよ!………悪いかっ!」
「いいんじゃない?……ただ、気を付けないとな。」
「何に?」
「だって、お前の方が過去ありなんだぜ。
過去のこと言いだしたら……な。
俺の言いたいこと分かるよな。」
「うん。」
「お前はその点が沙希ちゃんと違う。
だから、沙希ちゃんがたまたまデートして貰っただけのことを……
イジイジと……。
そんなこと気にするなよ。
それよりもお前の心の中に居る麻美さんのことを、今は何も気にならなかったと
しても、お前にの言動一つで沙希ちゃんは気になるぞ。
そっちを気にしろよな。」
「分かった。お前の言う通りだ。」
「一応、デートの時のことは言うから……。」
「ありがとう。」
「映画を見て、昼ご飯を食べて、買い物して帰ったそうだ。
因みに駅で解散だったらしい。
OK?」
「ありがとう。」
「気にするな。お前と一緒に居るだけで沙希ちゃんは幸せだと思うから、な。」
「うん。ありがとう。」
沙希子に電話した。
どうしても声が聞きたいから、メッセージよりも電話を使ってしまう。
「沙希子、今度の土曜日に出かけない?」
「私と……。」
「沙希子と……! 沙希子以外に誰と行くの? デートなのに……。」
「デートなの?」
「そう、デート!」
土曜日の約束を取り付けて、リビングにある麻美との結婚式の写真を見た。
陰膳をしている。
麻美の写真が入っているフォトフレームの前に、毎食、悠の食事と同じ物を少量供えている。
手を合わせる。
「麻美、ごめんな。でも、好きなんだ。
幸せになってもいい……そう思って貰えたら嬉しいよ。」




