メッセージ
あの日、澪に色々聞かれたが、騒ぎになると困るので濁して話した。
「あのな、悠は沙希ちゃんと同期なんだ。」
「知ってる。」
「それでな、何か仕事の関係で急に思い出したんだそうだ。」
「ほんと?」
「嘘言うわけ無いじゃないか……。」
「ほんとの、ほんとなのね。」
「当たり前だろ!」⦅ごめん、澪。⦆
「分かった。」
「で、また、日を改めて来るってさ。」
「そうなの。良かったわ~。ご懐妊祝いなんてぇ~頂いたし……。
お礼したいから!」
「うん。そうだよな。……で、何貰った?」
「優君と一緒に見ようと思って、まだ開けて無いの。」
「待っててくれたんだ!」
「当然よ。」
「じゃあ、今から開けます~。」
開けると、カタログが入っていた。
マタニティウェアのカタログだった。
ハガキを出したら購入できる。
支払いは、友田悠が支払い済みだ。
「嬉しい!」
「本当だな。こんなの貰えるもんなのか?」
「貰えない。くれるのは親くらい?」
「叔父さんも沙希ちゃんもくれたよな。」
「うん。でも、友達は無いでしょ。」
「そうだった。……悠、ありがとう。絶対に役に立って見せるぜ!」
「なんの役に立つの?」
「悠のために、いつか役に立てたらいいなぁ~って話だよ。」
「私も! 友田さんの役に立ちたいわ。」
「そんな日が来たらいいな。」
「うん。……でも、その前に無事に出産しないと!」
「それが一番だ!」
二人とも笑顔でカタログを見た。
どれを選ぶにしても大切に着ようと澪は言った。
優一はお礼の電話を架けた。
「もしもし、悠? 俺、優一。」
「おう、今日はありがとうな。
電話しないとって思ってたんだけど……。」
「電話するのは俺の方だよ。ありがとな。
めっちゃ澪、喜んでてさ。
代わってもいいかな?」
「奥さんに?」
「うん。横で待ってるから……。」
「いいよ。代わらなくても……。」
「代わっちゃいました!」
「あ……奥さん!」
「友田さん、お祝い、ありがとうございました。」
「いいえ、何がいいか分からなくて、あんなのにしてしまいました。」
「あんなの、じゃないです。素敵です。本当にありがとうございました。」
「お気に召して頂いて良かったです。」
「また、来てくださいね。
今度は今日みたいに帰らないでくださいよ。」
「はい。今日は済みませんでした。」
「いいんです。お仕事だったんでしょう。」
「?……はい。」⦅仕事?⦆
「代わりますね。」
「はい。」
「俺!」
「お前、仕事って何だよ。」
「あ……それは、またな。」
「おい!」
「じゃあ、そういうことで、また来いよな。
おやすみ~。」
「おい!」
電話を切った後で、優一はこっそりメッセージを送った。
「すまん。澪に知られたら騒ぎになるから、何も話してないんだ。
だから、お前が急に帰ったことの理由を……
沙希ちゃんと会社の同期で、仕事の話で沙希ちゃんを悠が追いかけた。
……にした。
そういうことで、よろしく!」
「I understand.」
優一は次の土曜日に沙希子が来るのかを聞くことにした。
もし、沙希子が来るのだったら、悠を呼ぼうと思っている。
「澪、次の土曜日は海君を誰が連れて来てくれるんだ?」
「叔父さんと叔母さん。」
「そうなんだ。」
「何?」
「なんか用意した方がいいかな?」
「要らないわよ。」
「沙希ちゃんなら要らないで済むけど、もうそろそろ叔父さんと叔母さんにお礼し
ないと悪いなぁ。」
「気になるの?」
「うん。」
「じゃあ、外食は?」
「それだと、また叔父さんが支払うよ。絶対に!」
「じゃあ、私の手料理?」
「それでがいいよ。俺の手料理でもあるし!」
「じゃあ、そういうことで、連絡するね。」
「頼む!」
次は沙希ちゃんが来ないって、直ぐに友田悠にメッセージをする優一なのである。




