本当の中の大きな嘘
マッチングアプリで3人の男性と会った。
一日で、次から次へと会ったのだ。
最初の人は優しそうだった。
二人目の人は……少し神経質な人かもしれないと思った。
そして、三人目の人が……会って直ぐに聞かれたのだ。
「どう? 今からホテルに行くでしょ。
その目的で会ってるんだよね。」
「違います。」
「えっ? マッチングアプリで、そういう目的じゃない人
初めてだ。」
「私は違うので、これで失礼します。」
立ち上がり店を出て行った。
勿論、テーブルにお金を置いて……
何故だか、その男性は追いかけて来た。
そして、お釣りを差し出した。
「これ、お釣り。
ごめんね。そういう女性だと思ったから……。」
「もういいです。お釣りは、折角追いかけて来てくださったから頂きますね。」
「……ねぇ、もう一度会わない?」
「お断りしたはずです。」
「駄目かな?」
「駄目です。」
「そうか………そうだよね。」
「失礼します。」
「あ……バイバイ。」
そのまま歩いていると追いかけて来てくれた優一と澪が声を掛けてくれた。
「良かったよ。無事で……。
あいつ、まだ付きまとうなら出ようとした時に帰ってきやがったから
ホッとしたよ。」
「ありがとう。そこまで酷い人じゃなかったみたいね。」
「でも、いるのね。私はそんな人に遭ったことが無かったから……
マッチングアプリに悪い印象、なかったの。」
「全てじゃないのよね。前の二人は普通だったもの。」
「良かったよ。……もう止めようよ。あんな奴、また居るかもしれないし…。」
「そうね。怖かったし……。」
「私も……もう、あんな奴が居るって分かったから止めにして欲しいわ。」
「止めるから、安心してね。」
「前の二人のうち、もう一度会いたい人いた?」
「ううん。ごめんね。そんな気持ちにならなかったの。」
「じゃあ、お断りしてからアンインストールね。」
「うん。帰ったらするわ。」
「嫌な思いをさせただけになっちゃったね。」
「いい経験よ。ありがとう。付き合わせて……優君もありがとう。」
「ありがとうって、言って貰えるようなことしてないよ。」
「でも、こうして付いて来て貰って心強かったから、ありがとう。」
「ねぇ、三人でご飯食べよ。」
「そうだな、どう? 沙希ちゃん。」
「お断りの……。」
「店でもできるよ。」
「そうね。行こうか。」
「うん。何食べるぅ?」
「そうだなぁ……。」
お詫びを入れつつお断りをした。
そして、退会してアンインストールまで、そんなに時間は掛からなかった。
食事を終えて駅で別れた。
帰宅した富田優一はメッセージを送った。
「元気か?
今日は沙希ちゃんのお供をして来たよ。
マッチングアプリで出逢いを求めたんだぜ。
沙希ちゃんが……。
上手くいってくれるといいな。
お前もいい人との出逢いがあればいいな。
じゃあ、今度会おうぜ。
またな。」
⦅本当の中に大きな嘘だな。
この嘘を……あいつがどう感じるか……。
嘘だけど、影響があるかないか……。
影響があればいいな。⦆




