表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋と嘘  作者: yukko
36/92

優一と澪

あれから、富田優一と従妹・橋本澪は付き合い始めて、そして、結婚すると決まったと澪から聞いた。


「おめでとう。」

「ありがとう。」

「早いけど、この秋に結婚するの。」

「そう、おめでたいことは早い方がいいわ。」

「来てね。」

「当然よ。」


その結婚の報告は富田優一から友田悠にもされていた。


「そうか……。付き合って直ぐだな。」

「おう、こんなに惚れられたこと無いからな。俺……。

 このチャンスを逃したら、もう無いと思うからな。」

「そっか……。」

「今だから言えるけどな。」

「うん。」

「俺、好きだったんだ。ずっと……。」

「誰を?」

「大学の時から、ずっと好きだった。恋してた。」

「うん。」

「お前の奥さんだよ!」

「嘘だろ? だって、お前、俺に言ったよな。『病気も全て受け入れて二人で最期

 の時まで生きろ。』って!」

「おう、言ったよ。」

「なんで?」

「なんで? 愛してるからだよ! 愛する人の幸せだけを祈って願ったんだ。

 あの人を幸せに出来るのは、お前。お前ひとりだったから……

 最初から諦めてた……。」

「………知らなかった。……すまなかった。」

「いいよ。俺が自分で決めた道だから……。

 今度は俺が幸せになる番だと思う。」

「うん。……幸せになれよ。」

「おうよ。」

「俺、どんだけ、お前を傷つけてたか分かんないよ。」

「お前が気付かなかったから良かったとも言えるけどな。」

「そうか?」

「うん。気付かれてたら、もう友達でなくなったかもしれないからな。」

「それは、嫌だ、な。」

「俺もだよ!………あのな………。」

「うん。」

「もう一人、辛い片思いをしてた女性が居るんだけどな。」

「アイリーン?」

「違うよ。片想いだから……。」

「そんな女性、居ないぞ。」

「居るんだ。居る。………沙希ちゃん……。」

「さきちゃん、って誰?」

「橋本沙希子……沙希ちゃん、お前のこと、ずっと好きだったんだぞ。」

「え? 嘘だろ? 橋本が? 嘘だ!」

「嘘じゃないよ。最初から諦めてた俺と同じなんだ。

 自分の気持ちに気付いた時には、もう終わってた。

 だから、諦めて諦めて諦めた。……俺、沙希ちゃんの気持ち、分かりすぎるほど

 分かるんだ。 

 だから、ごめん。

 結婚式にはお前を呼びたいけど、呼べない。」

「え?……」

「もう、沙希ちゃんに笑顔を無理に作らせたくないんだ。

 ごめん。本当にごめん。」

「本当なんだな……橋本が俺のこと……って、の……。」

「嘘、つくわけないじゃん。」

「そうだな……。すまん。ちょっとパニックだ。俺……。」

「うん。……悠、本当にすまん。別の日にお前と澪ちゃんを会わせるから……。」

「う……?」

「澪ちゃんには別の日の会わせるから!」

「おう。頼む。」


沙希子の気持ちを友田悠に話したことに罪悪感を感じながら富田優一は帰路に就いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ