CD1
馬場大和に訓練の終了を考えていることを伝えると、海に試験を受けることを勧められた。
「CD1という試験なんですけれど受けてみませんか?」
「無理だと思います。」
「やってみましょうよ。」
「合格できますか?」
「お父さん……。」
「合格できる可能性があるからお話しています。
CD1ならリードを付けたままで受けられる項目が多いんです。」
「リードを付けたまま……。」
「はい。CD2からはリード無しで脚側行進します。
でも、CD1の既定の項目はリード付きで脚側行進と紐付立止です。
それ以外に.規定2課目の外を3項目受けます。」
「その規定以外とはどんな項目ですか?」
「お父さん………。」
「海君が出来ている項目がありますので、訓練して確実に出来るようになったら受
けられます。その説明をしますね。………。」
「ふむ、ふむ………。」
「お父さんったら……。」
「沙希子、諦めなさい。今のお父さん、海で頭の中、いっぱいなのよ。
CD1っていうのを受けさせてあげましょう。」
「お母さん……。試験を受けるために訓練したんじゃないんだけどなぁ……。」
CD1を受けるのは父と決まった。
「では、お父さん、これから頑張りましょう!」
「はい。」
馬場大和に聞かれないように小さな声でぽつりと「……お父さんじゃないって……。」父が呟いた。
その説明で、馬場大和は父に頼んだそうだ。
「試験を受けるのはお父さんと海君ですが、受験の書類には僕の名前で出したいの
です。すみません。それをお願いしても……。」
「別にいいですけど、何故?」
「実は僕の訓練士としての次の資格のためなんです。
本当にすみません。こんな無理なお願いをして………。」
「そうなんですか。いいですよ。」
「ありがとうございます。書類提出しておきます。受験日が決まったらお伝えしま
す。僕が入所していた訓練所の所長さんに審査をお願いする予定です。」
「はい。」
父は「真面目な子だ。」と褒めていた。
「伝えなくとも勝手にする訓練士も居るだろうに……。」と言って褒めていた。
その馬場大和からメッセージが届いた。
「沙希子さん、僕は莉緒と別れました。
あれから、大人しかったのは2カ月ほどでした。
すぐに僕のスマホから僕にとって大切なお客さんに会いに行ったのです。
沙希子さんの時と同じです。
約束を破ったら別れるという通りに別れる話になりましたが、それでもなかなか
応じてくれなかったんです。
莉緒自身が浮気していたので、そのことを言い証拠を見せると、やっと今日、応
じてくれました。
もう、絶対にご迷惑をお掛けすることは無くなりました。
これからも、よろしくお願いします。」
莉緒自身が浮気していたことが一番驚いた。
このメッセージを両親に見せた所「自分が浮気しているから、疑ったのだろう。」と言った。
「もう終わったんだ。」とホッとした。
莉緒が二度と会いに来ないことが確実だからだった。
恋は怖いとも思った。




