修羅場?
海の訓練を馬場大和に教えて貰いながらしている時、急に若い女性が馬場大和と私の間に入って来た。
「消えてよ! おばさん!」
「おばさん?」
「莉緒! なんで?」
「あんたに言ってるのよ。早く消えてよ! おばさん!」
「莉緒! 止めろ! 僕のお客さんだ。」
「何がお客さんよ。付き合ってるんでしょ!」
「へ?」
「莉緒! 止めてくれ! 違うから!」
「あの……。」
「なんよ。早く消えて! あんたのせいで大和とデート出来なくなったのよっ!」
「?」
「莉緒! 止めてくれ! 今、訓練中なんだ。」
「このおばさんの肩を持つの?
私のこと放っておいて……会ってるじゃないのよっ!」
「だから! そんなんじゃない!」
「馬場さん、落ち着いてください。そちらのお嬢さんも……。」
「落ち着いてるわよ! あんたが消えてくれたらいいの!」
「お嬢さん、私は馬場さんと何ら関係ありません。」
「嘘よっ!」
「付き合っていません!」
「嘘、嘘!」
「信じられないのですか? 付き合ってないと言っても……。」
「当たり前でしょう!」
「犬がいるの見えてます?」
「犬?」
「この犬、見てください。うちの子なんです。海です。
生後4ヶ月なんです。生後2ヶ月から馬場先生に躾を教えて貰ってます。」
「本当だよ。家に帰ったら契約書を見せられるから……。」
「うそっ! 嘘よっ! そんなの……。」
「馬場さんにお会いするのは訓練の時だけです。
一度だけ家に来て貰ったのは、この子の去勢手術を教えて貰うためです。
信じられないのなら、うちの両親に会ってみます?」
「莉緒! ご迷惑なんだよ。橋本さんに………。」
「兎に角、馬場さんのお宅に行かれて契約書を見られたら如何ですか?
それをご覧になってから、うちの両親に会われたら良いのでは?」
「莉緒、兎に角、僕の家に今から行くよ。いいね。」
「そうして差し上げてください。そして落ち着いて頂ければいいと思います。」
「すみません。橋本さん。」
「いいえ。では、私は帰ります。」
「待ってよ。大和のこと」
「好きじゃないです。私が好きな人は友田悠という人ですから!」
「ともだ ゆう……。」
「さようなら。」
「橋本さん、申し訳ございません。」
「兎に角、誤解を解いてくださいね。」
「はい。」
⦅なぁ~にが、おばさんだっ!⦆
「帰ろうね。海。」
とんだ修羅場になって嫌になる。
それにしても、若いって凄い!と変な関心をして家路に就いた。




