二人だけの女子会
佐伯陽菜と終業後、晩御飯を食べる。
更衣室から陽菜と他愛ない会話をしながら、歩いて行った。
「ねぇ、今日、うちに来ない?」
「えっ? 新婚さんのお宅訪問? 止めとくよ。悪いから……。」
「居ないわよ。」
「えっ?」
「沙希子を呼ぶために、今日は、うちの人、ご実家にお泊りです。」
「そんな……申し訳ないわ。夫婦の時間を奪ってしまって……。」
「いいの、いいの。……あのね、うちの人にとって親孝行になるから……。」
「そうなの?」
「うん。だからさ、気にしないでね。」
「ありがとう。」
佐伯陽菜の家に向かう途中で、おつまみになるようなおかずを買った。
二人でお喋りしながら、何がいいか探しているのは楽しかった。
唐揚げは定番で欠かせない。
サラダも私たちには必要だ。
色々と買った。
お会計は沙希子が出した。
「ここは、私が……。」
「私も食べるから……。」
「出させてよ。だって、ビールは陽菜が用意してくれてて、お宅を提供してくれ
て…… しかもよ。愛する旦那様を実家に追いやって……。」
「追いやってないわよ!」
「そういう訳だから、出させてよ。でないと、行かれないわ。」
「じゃあ、今日は出して貰うわね。今度は割り勘にしてよね。」
「うん。」
陽菜の家でビールを飲んだ。
段々と、話すことに抵抗がなくなって、泣きながら自分の想いを話していた。
涙が止まらなくて、泣きながら最後には寝てしまった。
酔いが回ってしまったようだった。
「沙希子…… 辛かったね。……
はぁ~、新婚旅行から帰ってきたら……もっと苦しくなる、よね。
もうすぐ、友田君が移動してきて2年かな?
2年か3年で移動するよね。エリートさんは……。
移動して欲しいな。
そうしたら、沙希子、楽になるよね。きっと……。
早く出ていけ―――っ! 友田悠。」
暫くして、陽菜は沙希子を起こした。
「沙希子、沙希子、ここで寝ちゃ駄目よ。」
「うぅ~~ん。 あ……… 陽菜。」
「あっちにお布団敷いてるから、ね。あっちで寝よう。」
「うん。………陽菜、ごめんね。」
「何が?」
「泣いちゃって……。」
「いいよ。」
「寝ちゃったし……。」
「いいよ。そのくらい……。」
「本当にごめんね。」
「もう、いいからっ! 寝よう!」
「うん。」
二人で横になって、「お休み。」と言い合ってから、沙希子が言った。
「陽菜、ありがとう。」
それを聞いた陽菜は泣いてしまって何も言えなくなった。
そのまま、聞かなかったことにしてしまったのだ。
それは、きっと佐伯陽菜の優しさだったのだろう。




