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恋と嘘  作者: yukko
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結婚式二次会

友田悠の結婚式は迫っていた。

同じ職場に居たら忘れられないかもしれないと思うようになっていた。

どんな想いを抱いていようが、時は過ぎていく。

結婚式の後の二次会に呼ばれていた。

気持ちは沈んでいく。

それでも、奮い立てるように笑顔を作った。


⦅スマイル! 笑って! さぁ、笑顔で……!⦆


鏡の中の私に言い聞かせる。

そして、思う。「まるで、出陣だ……。」と……ある意味、出陣だった。


笑顔を張り付けたまま、会場に入った。

席に座ると、新郎新婦が入場してきて、拍手で出迎えた。

時々、笑顔に自信がなくなる。

そして、心の中で言う。「スマイル!」と……。

新婦は可愛かった。

あのスマホの写真の数倍、可愛かった。


⦅あの人が友田君の心を射止めたんだなぁ……。

 お似合いの二人……だなぁ……。⦆


笑いながらも、それは自分ではないような不思議な感覚だった。

ふいに、声が聞こえた。


「次は、橋本の番だなぁ~。」

「そう言えば、年下の彼……どうなの? 結婚の話出てる?」

⦅勝手に作られた彼氏ですよ! どうしよう……この場を収めなくっちゃ。⦆

「そんなに言われても困るわよね。」

「そうよ。困ってるよ。ねぇ……。」

「えへへ………。」

⦅笑って誤魔化そう!⦆


そうしていると、新郎新婦がやって来た。


「主役が歩き回っていいの?」

「奥様、お式の間、食べられなかったでしょう。今食べて、ねっ!」


私は何度も自宅で練習した挨拶をした。勇気を出して……。


「あの……ご結婚おめでとうございます。」


「ありがとう!」

「ありがとうございます。」

「友田君、良かったね。めっちゃ可愛い奥様と結婚出来て!」

「そうだ! めっちゃ可愛い奥様を娶りやがって!……おめでとう。」


口々に「おめでとう。」と言い、新郎新婦は「ありがとう。」と返していた。

ゆっくり、私はその場を離れて、お手洗いへ向かった。

鏡を見た。


⦅なんて顔してるの?⦆


今にも泣きだしそうな顔だった。

誰にも見られなかったのなら良いのだけれど……と思った。

泣かないように!と思った途端、涙が溢れ出た。

それからは、もう駄目だった。

スマホを取り出して先輩に「体調が悪くなったので帰ります。すみません。」とLINEでメッセージを送った。

先輩からの返信を見る余裕はなかった。

直ぐに誰にも知られないよう会場を後にした。

そして、タクシーを拾って家に帰った。

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