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プロローグ-幕間1

少し前のお話


ちょい重いくて、残酷シーンありますので苦手な方は注意してね


おじさんが死んでしまった。

あたしを助けたせいで。


おじさんはすごく変な人だ。

いわゆるオタクで36にもなって恋人のひとりも作らずアニメやゲームに没頭し、アニメやゲームのキャラクターを嫁と公言している人だ。

なのにあたしのことをすごくかわいがってくれる。

あたしがものごころ着いた頃にはすでに溺愛されていて、それこそおじいちゃんやおとうさんもあきれるほどだった。

あたしのわがままは大抵聞いてくれたし、いろいろ買ってもくれた。

でも、筋の通らないことだけはきいてくれなかったし、理由を説明したうえで叱ってくれもした。

だからあたしの小さい頃の口癖は「おとうさんじゃなくておじさんと結婚する」だった。

いう度におとうさんは苦い顔をして、おじさんはデレデレだった。

おかあさんやおじいさん、おばあさんはあきれてた。

でも最後はみんなわらってた。

変わってるけどみんな仲良しであったかい家族だった。



だった。



今日、そのあったかい家族が終わってしまった。




あたしは両親と祖父母と一緒に暮らしているが、おじさんは少し離れたところで一人暮らしていて、平日はそちらで暮らしているが週末や連休になると帰ってくる。

今日も仕事がおわったあと実家である、あたしの家に帰ってくる予定だった。

あたしは学校のあとの塾の帰りで、ちょうどおじさんが駅に着くころだったので一緒に帰ろうとおもい駅に向かっているとスーッと音もなく白いバンが横を通りすぎた。

最近の車ってほんと静かだなーと変なことを考えながら、おじさんに合流したらコンビニでスイーツを買ってもらおうなんて思っていたら通り過ぎたとおもったバンが止まっていた。


道の真ん中で迷惑だなとおもい、おじさんなら文句いいそうと内心笑いながらバンの横を通ろうとする

突然扉があき覆面をした男が2人おりてきて、あたしの口を布でふさぎバンに押し込もうとする!

あたしは一瞬混乱したが、おじさんの教えをおもいだし後ろから羽交い絞めにしようとしていたおとこの足をかかとでおもいっきり踏みつけてやった。

男は予想もしていなかったのか、外国語(何語かは不勉強なあたしにはわからなかった)で悲鳴をあげたあと残りのおとこになにかを怒鳴った。

するとあたしをバンに押し込もうとしていた男が右腕を振り上げ「殴られる!」と思わず目を閉じ、身をすくめたとき


「てめぇら、俺の愛しい姪っ子になにしてやがるっ!」


と聞きなれているのに聞きなれない言葉遣いのおじさんの声がした。

その直後、ガスッという鈍い音と男のうめき声が上がり、拘束が緩むとあたしは力任せに振りほどき、声がした方向に走り出す。


「おじさん!」

「そのまま行け!大声出しながら助け呼んできてくれ!おらぁ!」


あたしは少し迷ったが足手まといになるとおもいすぐさま、大声をだしながら大通りにむかって走り出す。

そして、このことを私はすぐに後悔することになる。


「だれかぁ!たすけてください!誘拐されそうになっておじさんが食い止めてくれているんです!だれか警察よんでください!」


あたしは男に口をふさがれたときに鞄も携帯も落としてしまっていたので警察を呼ぶのも人任せにするしかない。

大通りに出たところで手近な店にはいり事情を伝え110番をお願いする。

お店の人は快く答えてくれて素早く電話してくれる。

それを見届けてあたしは踵をかえしておじさんの元に戻ろうとすると、話をきいていたであろうお店(どうやら小料理屋のようだった)のお客さんが同行を申し出てくれた。

移動しながら話してくたが、どうやら最近このあたりは外国人による犯罪が増加しているため自警団として見回りをしていたらしい。

お店のお客さんではなく見回りでお店に訪れていたらしい、不幸中の幸いだ。

これでおじさんを助けに行ける。



だけど、あたしのその思いは儚く散った。

現場にもどると人が集まっていた。



「おじさん!」




人垣をかき分け進むとその先には






倒れたおじさん



まっかな


あか



ひろがっていた




一瞬頭がまっしろになった


でも一緒にきてくれた自警団のおじさんの「おじょうちゃん!」という呼び声にハッと意識を取り戻す。


「あなた、その携帯ですぐに119番で救急車呼んでください!」


と周囲にいた野次馬のひとりを捕まえて、自警団の男の人が依頼する声を後ろに私は駆け出す。


「おじさん!しっかりして!」


視界がぼやける


のどが引くついて言葉がしっかり出てこない


ふざけるな、勝手にでてくるな涙。


勝手に震えるな喉!


そんな暇なんてない、おじさんをたすけなきゃいけないんだから!


震える足を無理やりうごかして、おじさんのもとに駆け寄る。

(あとから知ったことだが、このときすでに私を攫おうとした外国人たちは逃走したあとだったようだ)


仰向けになって倒れて真っ赤に染まったおじさんの頭を膝枕する


「おじさん。おじさん」


もっと言いたいことあるのに言葉がうまくでてこない


なんで!


「やぁ。無事だったか。すまない、どじった」

「おじ・・・さん」

「泣くな。いや、無理か。泣いていいけど。泣き止んだら、もう気にするな・・・おれは好きに生きた・・・悪くないおわりだ」

「おわりなんていわないでよ!」


おじさんの顔がよく見えない

でもなんとなく笑ってる気がする


「無理言うな・・・血がこんな・・・でてんだ。まぁ・・・美人に膝枕され・・・て逝けるなん・・・てなかなかない」

「や・・・だぁ・・・」


おじさんの右腕が動いた。

あたしのあたまを優しくなでてくれる。

でも、いつもみたいにつよくない、いまにも崩れ落ちそうなほどよわいちから


「しあわせになれよ・・・愛しい・・・姪っ子・・・」


撫でてくれていた手が


あたまから


おちた


「・・・おじさん?」

「・・・」

「や・・・だぁ。やだ・・・よぉ・・・おじさん!!!!」



そのあとのことはよく覚えていない。


聞いた話では自警団のおじさんはあたしがなにもできないでいる間、おじさんの止血したり駆けつけた警察や救急車の対応をしてくれたようだった。

自警団のおじさんは私と一緒に救急車にのって病院にいってくれて、駆けつけた両親や祖父母への対応もしてくれたらしい。


最後にあたしに「助けられずにすまない」と言っていたらしい。


謝ることなんてないのに。全部あたしが悪いのに・・・



病院から帰ってきたらしい。

よくわからない。

両親も祖父母も話かけてくれて慰めてくれるのはわかるけど、

こころが反応してくれない。

あたしだけじゃない。おかあさんも、おばあちゃんも、おじいさんも。

きっとおとうさんだって、あたしよりおじさんとは長い時間を過ごしてる。

だからあたしより悲しいはずで、あたしだけこんなじゃいけないのに・・・


つらいよ、かなしいよ、おじさん

姪っ子ちゃん視点のお話。


くらーい

おもーい。


でも最後はみんな笑顔になります。


え?もう1万文字超えてる?ははは、まさかそんな・・・

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