春の俳句(蛙好きです)
『雨落ちて はや待ちきれぬ 初蛙』
春先の蛙は、不思議生物です。
それまでどこにいたのか影も形も見えなかったのに、少し暖かくなって雨が降った途端、一斉に鳴き始めます。まるで指揮棒に合わせて演奏を始めるオーケストラみたい。
地面の下スレスレで顔を出すのを今か今かと待ちかまえていたのでしょうか。
出待ちしていた蛙たちが土から続々と這い出してくる様子を想像すると、楽しげなような、ちょっと背筋がゾクゾクッとするような……。
『物干しの端に 降るよと 蛙居り』
毎年見かける指先ほどの小さな愛らしい蛙を“アマガエル”だと思っていました。
でも調べてみると、アマガエルは3~4cmほどの大きさだとか。違う種類なのかな? それともこれから大きくなるのでしょうか。
とっても綺麗な緑色。
あれ? 辞典には、アマガエルの色は保護色で蛸のように周囲の色に合わせて体の色を変えると書いてありますね。
綺麗な緑色の蛙ばかりなのは我が家の周りが緑ばかりだったからなのでしょうか。田舎? ええ、確かに。
『春雷や 何ごともなく ケロコロロ』
田んぼに水が入ると蛙たちは全開で鳴き始めます。朝も夜もありません。雷が近くに落ちても、ほんの一瞬鳴き止むだけ。
夜もすごいですよ。そのうちいろいろな種類の蛙が鳴き始めて、それはもう……。
慣れるとグッスリ寝てしまいますけどね。