第60.5話 サブイベント回収06
サブイベントの中には、実際に立ち寄った可能性がないものも含まれています。
プレイヤーごとにやったり、やらなかったりするイメージでお楽しみ下さると助かります。
【魚釣りミニゲーム】
魔法都市キルファンの町外れにある桟橋へやって来たリーヴェ達。いくつも並ぶ桟橋の近くを通りかかると快活な声が聞こえて来た。
若者「やぁ、そこの旅人さん。どうだい、やって行かないかい?」
リーヴェ「やるって何を」
若者「見てわからないかい、こーれこれ釣りだよ」
若者が手に持っている竿や、近くに整えられている釣り用具を示す。彼の話では、この辺りはなかなか良い釣りスポットらしく、実にいろいろなモノが釣れるそうだ。
今ならいつもより安値で遊べ、必要な道具も貸し出してくれると言われた。そりゃ、普通に考えて有料だよね。安いとはいえ、どうしようかな。想像に難くないだろうが前払いである。
クローデリア「面白うですよ~」
セレーネ「ええ、そう? だってアレを使うんでしょ」
ラソン「オマエ、戦ってる時は気にしねぇじゃんか」
セレーネ「ソレはソレ、これはこれよ」
リジェネ「あはは……そういうモノなんですか」
リーヴェとしてはどちらでもいいんだが、仲間達は結構本気で意見し合っている。
虫は触りたくないしお金の無駄だと反対するセレーネに対し、面白そうだし試しにやってみたいというクローデリアとリジェネ。ラソンは比較的中立で、無駄遣いには一理あるが旅先でいい経験になるのではという考えも捨てきれないようだった。
若者がどうするのかと急かしてくる。で、結果は……。
ラソン「ふひょー、釣れる釣れる!」
クローデリア「ええ、またですかぁ。凄いですぅ」
リーヴェ「クロ―デリアは全然釣れないみたいだな」
リジェネ「何故なんでしょうね」
ポイントを選んでタイミングよく竿を振り、釣りを存分に楽しむ一行。
超快調に釣りまくるラソンに反して、クローデリアのほうはさっぱりだった。1匹も連れていないのが逆に凄いくらいだ。まあ、こういう時もあるとは思うけどね。
ちなみにリーヴェとリジェネは普通だ。釣れはするが、2人程極端な成果ではない。
セレーネ「皆ぁ、大物よろしくね! て……ぎゃああぁぁ、ソレこっちに向けないで~!」
ラソン「何だよ、いい加減に慣れろって」
リーヴェ「はは、2人とも賑やかだな」
リジェネ「あんまり騒いだら魚が逃げちゃいますよ」
思っていた以上に楽しい時間であった。
そして実は、リーヴェが奇妙なモノを最後に釣り上げている。「紅桜柄の鈴毬」だ。上品で質のいい、弾くと鳴る毬である。偶然なのかは知らないが、どうしてこんな物が川から釣れたのだろう。
リーヴェは貴重品「紅桜柄の鈴毬」を手に入れた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【金銀財宝の巣窟】※条件、キャラバン運行再開~最後まで。
徒歩でレ・ク村の近くを通った頃、一行は分かれ道に行き当たった。厳密には道らしい道はないのだが。
ふ、とセレーネが足を止める。
セレーネ「ムムッ、これは……」
リーヴェ「どうしたんだ?」
同じく足を止め、セレーネを顧みるリーヴェ。
彼女は臭いでも嗅ぐような仕草をし、顔色を変えて南側の道へ走り出してしまう。走り去る時、何か言っていた。この反応はまさか。
彼女を1人にする訳にもいかないので後を追う事になる。
リーオ遺跡と???の中間に位置する場所。岩場が出っ張るように伸びた辺りの岩肌を眺め、セレーネが気味の悪い笑い声を漏らしていた。
セレーネ「ヌフフフ、ここら辺な気がする。お宝の気配♪」
ラソン「やっぱりか」
リジェネ「お宝の気配って、わかりますか?」
クローデリア「さぁ、わたくしにはさっぱりですわ~」
リーヴェ(セレーネ、凄い顔になってるぞ)
あまり人に見せられない表情で岩肌を探る。
いい加減に行きましょう、と声が上がる頃。ドゥオンッと激しい音をたて、セレーネは岩壁ごと横穴の中へ吸い込まれていった。驚愕のあまり反応に遅れる。
我に返って急いでセレーネを助けに穴を覗くと――。
ラソン「あ、あうあう」
クローデリア「眩しいですぅ」
リーヴェ「何だこれは」
金銀財宝の山だった。洞窟いっぱいに所狭しと積まれている金品の数々。
セレーネは少し奥へ行った所で大はしゃぎしていた。完全にお祭り騒ぎだ。だが、1つおかしい事に気づく。
リーヴェ「なぁ、綺麗に積まれているように見えるのは見間違いか?」
リジェネ「いえ、僕にもそう見えます」
他の2人も同感と答えた。セレーネだけは宝に夢中で気づいていない。これは、自然発生した……訳ないよなぁ。だとすると――。
セレーネ「イギャァァァァ――!!」
全員「あ……」
魔物だ。全身金ぴかで、装飾過剰な魔物の群れが大挙してくる。やっぱりいたよ、住民が。
しかも、侵入者に対してめちゃくちゃ殺気立っていた。リーヴェ達は逃げる事にしたが、ひとつ言っておくと、ここは「金銀財宝の巣窟」という隠しダンジョンである。
ここにいる魔物を倒せば大量の資金を得る事ができる場所だ。その分、奴等は変わった能力や強さを持っているがね。
彼らは巣窟内に入った者にしか危害を加えてこないので、近くの町や村に被害が出る事は当然ない。
そんな事、偶然立ち寄ったリーヴェ達が知る由もないのでこの話はここまでである。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【タルシス辞典 巣窟の魔物達】※全員、金ピカです。
名前 ゴールドリザード
種族 虫 属性 ‐ 全長 約1.0m 体重 約160.5㎏ 弱点 魔法
金銀財宝の巣窟でせっせと宝集めをしているトカゲの魔物。
表皮が非常に硬く、物理攻撃はすべて1しか効かない面倒くさい奴。主な攻撃はのしかかりと尻尾による足払い。長いベロでアイテムをランダムに盗むスキルを持っているぞ。
名前 クリューソスミュース
種族 獣 属性 ‐ 全長 約0.2m 体重 約2.0㎏ 弱点 物理
金銀財宝の巣窟でせっせと宝集めをしているネズミの魔物。
計算高く必ず群れて行動し、6匹で1体の魔物として戦う。密集陣形している時は魔法が一切効かず、毒、マヒ、火傷の状態異常を頻繁に付与してくるぞ。連続攻撃で一気に倒さないと増え続ける(補充)。
名前 オーロ・スコルピオーネ
種族 虫 属性 ‐ 全長 約1.5m 体重 約200.0㎏ 弱点 炎
金銀財宝の巣窟で魔物達を統率しているサソリの魔物。数は少なめで、HPは3種の中で一番低い。
味方がいる時は異常な程の再生力をもち、自分1体になった時は攻撃力が大幅に上がる怖い奴。構えの姿勢を取ると、数秒後には毒液をビームの如く噴射してくるぞ。受けると防御力ダウン+確率石化。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【モアとベルル】※条件、長老の買い物依頼を手伝う。
テールル村を訪れた一行は、村で一番の長寿だという老爺の話を聞くこととなった。え、何で聞くことになったかって?
それは町の広場で困っているのを助けた際、お礼がしたいからと半ば強引に家に招かれ、ついでに聞いていけとばかりに老爺が話し出してしまったからである。余程、誰かと話したかったようだ。
老爺「では、話そうかの……えーと」
セレーネ「何だか長くなりそうな予感……」
老爺が話始める前から、既にセレーネは退屈そうだった。
対照的にリジェネとクローデリアは興味津々で話が始まるのを待ち構えている。リーヴェも実はちょっと気になっていた。
こりゃ聞くしかねーな、とラソンがセレーネに耳打ちしている。
老爺が話してくれたのは、村の近くにある森での昔話。
昔々、大森と呼ばれていた森にはよく似た双子の「ウオカヅラ」がいたという。
ウオカヅラとは、風船カズラのような形の小さな魚で、小さな足ビレを使い陸を歩くことができる生物の事だ。歩けると言っても基本的には水中で暮らす事が多い。
話を戻そう。双子の兄は「モア」と言って紺色の身体に緑のヒレ、妹は「ベルル」と言って藍色の身体に黄緑のヒレを持っていた。2尾はとても仲が良く、よく泉の陸地で木の実で毬突きをして遊んだ。
モアはのんびり屋でよく泉の近くで日光浴をしていたが、ベルルは活発で遠出をしては何日も帰らない事が頻繁にあった。その度にモアは心配したが、いつも平然とした様子で帰ってくるのでやがて気にならなくなる。
セレーネ「随分と性格の違う双子だったのね」
ラソン「ああ、兄貴も大変だったんだろうな」
いつの間にか話にのめり込んでいる2人。いざ始まってしまうと違うのだろう。
老爺の話はまだまだ続く。
互いの心配はするが、これと言って何もなかった2尾のもとへ1人の旅人が訪れる。
旅人はモアのいない所でベルルにこっそり言った。森の南側には非常に珍しい木の実があり、その果実は食べると陸でも長く活動できるのだと。
冒険が大好きなベルルにとっては魅力的な話であった。でも、森の南側へはまだ自力で行った事がない。身体が乾くと動けなくなるからだ。
旅人は更に言う。自分が連れて行ってあげると。ベルルは兄に内緒で木の実を取りに行くことにする。
翌朝、モアは妹がいない事に気づいて探していた。
出かけるのはいつもの事だったが、いつもはちゃんと一言言ってから出かけるので不思議に思う。
何かあったのではと思い探していると、慌てた様子で旅人が奥から走ってきた。話を聞けば、ベルルが密猟者に襲われて逃げ、小さな亀裂に挟まってしまったのだという。
セレーネ「ええー!!」
リジェネ「しー、聞こえませんよ」
クローデリア「それでどうなってしまったのですぅ?」
セレーネ達の会話で一時中断された話が再開される。
モアは身体を滑りやすくする水草を口いっぱいに咥え、旅人とともにベルルが挟まっているという岩場へ向かった。
案内されて岩場に辿り着く。けれど、亀裂を覗き込んでも妹の姿は見つからない。近くを探してもいなかった。困惑するモアは知らなかったのだ。
そう、モアを案内した旅人こそ「密猟者」だったことを。不意を突かれ、モアは旅人に捕まって何処かへと連れ去られてしまうのだった。
リジェネ「え、終わりですか?」
老爺「ううむ」
リーヴェ「結局2尾はどうなったんだ」
セレーネ「そうよ、結末は!?」
老爺「それは儂も知らん。村に伝わっとるのはここまでじゃ」
嘘だ、と騒がずにはおれないリーヴェ達。
この昔話の最後が気になって仕様がない気持ちにさせられるのであった。
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