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第37.5-2話 サブイベント回収04

 【ヴァック・ストゥームの実戦訓練】※条件、カウンタースラッシュを習得後~。

 リーヴェ達はハ・グネの街に立ち寄って早々にある人物と出会った。


新兵「殿下ぁ~、お久しぶりです!」


 明るい声を上げ、手を大きく振りながら以前共に戦った新兵の青年が走ってくる。元気そうな彼の様子に一行の表情も和らぐ。


ラソン「おーう、元気だったか? えーっと、そういえば名前聞いてなかったよな」

新兵「はいっ、ボク……いえ、自分はヴァック・ストゥームといいます」

ラソン「へぇ、カッコいい名前じゃないか」

ヴァック「ありがとうございますっ」


 それで、と彼に何か用事なのかと尋ねるラソン。

 新兵ことヴァックは、ラソンに実戦訓練に付き合って欲しいと頼んできた。

 どうやら近々遠征訓練があるらしく、日頃に問題の多いヴァックは上司から自習訓練をするよう指示されたらしい。今のままでは、とても遠征に連れて行けない、と。


ヴァック「ですが、自分1人ではどうしても不安で……お願いします殿下!!」


 ヴァックが勢いよく頭を垂れた。所作が少し大げさな気もするが、気持ちはいたって真面目だ。

 ラソンはリーヴェに、付き合ってやってくれないかと説得を試みる。リーヴェもラソンの言葉に頷いた。今後のためにも断る理由はないだろう。

 兵士である彼が、少しでも生き延びられるようにしなくては。


ラソン「よし、わかった。とりあえず実戦の中で今の実力を見せて貰うぞ」

ヴァック「あ、ありがとうございます」


 一行はヴァックを連れて町の外へと繰り出した。



ヴァック「い、いやいやー来るなぁ!」

ラソン「おーい、前衛のお前が下がってどうすんだっ」

セレーネ「……へっぴり腰」

クロ―デリア「あらあらぁ~大変ね~」


 相変わらず無茶苦茶に剣を振りまわして逃げ回るヴァック。依然戦った時から全然進歩していない。

 クローロン平原はアンデットの出現が無くなり、魔物の異常な殺気具合も解消されて平常とさほど変わらない状態だ。

 彼のレベルはだいたい15前後で、落ち着いてやれば十分戦えるはずなんだが。アンデット以外の魔物も怖いようで、完全に及び腰になってしまっていた。非常に危なっかしくて、これは時間がかかりそうだ。


 基本的には、同系統の武器を使うリーヴェとラソンで彼の戦闘に参加している。

 ここの魔物はリーヴェ達全員でかかると、ヴァックの訓練にならないからだ。念のために他のメンバーも同行はしているが、戦闘には参加していない。


ヴァック「ひえぇぇ!」

ラソン「ヴァック、戦闘中に背中を向けんじゃねぇ。余計に危ないぞ」

ヴァック「で、でもっ」

ラソン「でもじゃねっ、オレの動きをよく見て学習しろよ。てりゃあぁぁ!」


 ラソンが攻撃の基本を実演して見せる。

 一応、戦闘に入る前に構えの確認などはしっかりしている。だが彼は実戦経験が少ない所為もあり、いざ本番になるとどうしても崩れてしまうのだ。こればかりは回数をこなしていくしかない。

 リーヴェがサポートに徹しながら、ラソンは何度も丁寧に教えていく。


 ――数時間後。


ヴァック「やあっ」

魔物「っ!!」

リーヴェ「お、上手くなってる」

ラソン「いいぞ、その調子だ」

ヴァック「はいっ」


 褒められて笑顔になるヴァック。だが、一瞬の隙をつかれて背後をとられてしまう。

 咄嗟に反応できないヴァック。


ラソン「はあぁぁっ」

ヴァック「っ、すみません。ありがとうございます!」

ラソン「油断するなよ。次行くぞっ」

ヴァック「はい、よろしくお願いします」


 それからしばらく戦闘を繰り返していった。徐々にコツを掴んできて、後半の動きは大分様になってきている。落ち着いて対処できるようになってきた彼を見ていて、ひとつ発見したことがあった。


プラント「♪(詠唱完了)」

ヴァック「させません! シュピーゲル・シルト!」

リーヴェ「っ! 魔法を弾いた」


 ヴァックはもともと魔法を反射するスキルを習得していたのだ。

 気持ちに余裕ができたことで、ちゃんと生かせるようになっている。


 じっくりと実戦訓練をし終えたリーヴェ達はヴァックを無事に町へ送り届けた。


ヴァック「皆さん、この度はありがとうございました。殿下、お礼と言ってはなんですが、我が家に代々伝わる技をお教えします」

ラソン「いいのか?」

ヴァック「もちろんです」


 ラソンはヴァックからスキルの伝授をして貰う。

 ラソンはスキル「シュピーゲル・シルト」を習得した。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆



 【名所巡り‐ムートリーフ編‐】


リジェネ「わぁ~、綺麗ですね」

リーヴェ「絶景だな」


 リーヴェ達はアジェヌ渓谷の奥地を訪れていた。

 前にここへ来たときは気づかなかったが、アジェヌ渓谷にはムートリーフ王国屈指の絶景スポットがある。それこそが今リーヴェ達がいる、ここ「夜桜草の花畑」だ。


 夜桜草は、桜に似た青白い花を咲かせる野草である。夜に花開くこの植物は比較的高地に群生し、周囲のマナを呼び寄せ淡く発光する小さな花だ。月明りの中で見るここはもっと美しいが、今は見れない。

 星の形をした特徴的な葉を広げ、ゆらゆらと風で波打つ様は非常に幻想的だった。


リーヴェ「ラソン、素敵な場所を教えてくれてありがとう」

リジェネ「僕からも、ありがとうございます」

ラソン「へへっ、2人には是非ここを紹介したかったんだ。喜んでもらえて、オレも嬉しいよ」


 リーヴェは「夜桜草の花畑」を名所図鑑に記録した。

 景色を存分に堪能して帰ろうとした矢先、リーヴェ達は奇妙な扉らしきものを近くの岩壁に見つけた。うっすらと何かの図形が書かれているようだが、雨風に晒されてとても見づらくなっている。重要そうな気もするが、押しても引いても開ける事ができなかった。

 近くに仕掛けらしきものも見つけられず、この時はやむなく変える事にするのであった。



 セレーネを仲間に加えたばかりの頃、ホルルッカ族の里を訪れたリーヴェ達はオランジアの果樹林に来ていた。

 ムートリーフ王国の名産であるオランジアの果樹が、辺り一面に生い茂っている。

 マナの恩恵によって色も形も良いオランジアが沢山実っていた。マナによる恩恵は果樹が実をつけるのを助け、冬以外でなら基本的に収穫することができるのだ。


セレーネ「スッゴ~い。これ全部果物!? この国では、これが普通なんだ」

ラソン「まあ、よっぽどの不作でない限りはな」

セレーネ「いいなぁ~。どれもキラキラしてて、ジャムにしたら美味しそう」

おばさん「良かったら、少し持っていく?」

セレーネ「え、いいのっ」


 果樹の世話をしていたおばさんが、早めに収穫できたオランジアをいくつか見繕ってくれた。満面の笑顔でお礼を言って受け取るセレーネ。代わりにと、セレーネが持っていた香辛料をいくつか渡している。

 香辛料は砂漠の地域が主な原産で、種類も砂漠方面が一番豊富なのだ。厳しい砂漠地帯で育つ数少ない植物のひとつである。

 リーヴェ達は「オランジア果樹林」を名所図鑑に記録した。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆



 【森の収穫祭】※条件、孤児の子供達と会う。

 リーヴェ達はホルルッカ族からの便りを貰い、砂漠の孤児達と一緒に彼らの里へ来ていた。

 同行している子供達は10歳~13歳くらいまでの年長組計8人で、セレーネとクロ―デリアは他の子供達とお留守番をしている。幼い子らには砂漠を渡っての移動は難しいからだ。

 頼りには「収穫祭を行うので是非来て欲しい」というもので、子供達を連れてきたのにはある理由があった。


戦士A「客人、よく来た。歓迎」

リーヴェ「こんにちは。お招きありがとうございます」

ラソン「先に連絡しといた子供達だ。よろしくしてやってくれ」

子供達「は、初めまして」


 出迎えたリーダー戦士の男に、子供達が控えめな声で挨拶をする。

 戦士は順々に子供達を見て頷く。彼に先導されてリーヴェ達は里の中へと入って行った。


 祭りというだけあって、里中が凄い賑わいっぷりだった。民族らしい独特の飾りが、リーヴェ達の目を驚かせる。見たことのない料理の露店も並んでおり、彼らの先祖から受け継がれた技術で作られた細工物なども非常に興味を惹かれる物ばかりだ。

 子供達も、初めて見る物ばかりで次第に緊張がほぐれて笑顔になっていく。


リーヴェ(よかった。皆、楽しそうだ)

ココ「あ~、留守番してる連中にも見せてやりたかったな」

ミオ「仕方ないですよ。ぼく達でも砂漠の移動は大変だったんですから」

ラナ「そうよ。あの子達になにかあったりしたら、あたし悲しい」

リジェネ「皆、逸れないようにして下さいね」


 元気よく返事をする子供達にほっこりしながら、祭りを楽しむ一行。

 頃合いを見て、本日の目玉に参加するべく里の石舞台広場へと向かった。この場所でこれから、神様に収穫の感謝を捧げる催し物が執り行われる。


ココ「うおー、スッゲー。皆がんばろーぜ!」

子供達「おおー!!」


 この催し物は、5~13歳までの子供達が対象の競技や芸能、遊戯なのだった。この催し物に参加すると、収穫した果物などを貰うことができる。

 子供達も、自分達で食料を調達するんだと張り切って参加することにしたのだ。幸いにも外部からの飛び入りもある程度許可されていて、今回は事前にラソンが連絡して知らせていた。子供達がやる事のレクチャーを受けるために呼ばれていく。


 ほどなくして催し物が開幕した。最初は男の子達による剣舞だ。


ココ「うおぉ~りゃあぁぁ!」

少年「えいっ、とぅ」


 大歓声の中で、木刀を持った少年たちが激しく舞台上を駆け回っている。

 子供がやるものなので、ガッツリやる剣舞ではなく若干シャンバラ寄りな内容で、パッと見は遊んでいるようにしか見えない。けれど、今回の目的はあくまでも神様への感謝を示すものなのでこれでいいのだ。

 なぜ子供達がやるのかという理由は、子供は神の子で神様と通じやすいと信じられているからである。


 次の出し物は、女の子達を中心とした舞踊だった。

 砂漠の子供達も里の衣装を着せて貰って、里の子供達とクルクルと踊っている。手には扇やスズなどの楽器を持っていた。


ラナ「あ……」

少女A「大丈夫? はい」

ラナ「ありがとう」

少女B「ほら、一緒にやろう?」

ラナ「うんっ」


 うっかり扇を落としてしまったラナを、周囲の里の子供達が助けてくれる。

 ラナは笑顔でお礼を言って仲良く踊りを全うするのだった。


 その後もリーヴェ達は子供達と祭りを楽しみ、たくさんの食料を手にセレーネや幼子達の待つ場所へと帰還したのである。祭りの事を留守番組に報告し、子供達は夜遅くまで興奮が冷めやらぬ様子で賑わっていた。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆

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