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第23話 新しい仲間

リーヴェ「引き寄せているモノがないか探してみよう」

ラソン「そうだな。このままじゃ平原の魔物も殺気立ったままだし、何とかしようぜ」

リジェネ「さすがに村の行き来が危険すぎますし、賛成です」


 3人は既に次の行動を決めていた。一連の様子を見ていたセレーネが大きな声を出して皆の注目を引く。


セレーネ「だったら、あたしも3人と一緒に行っていいかな?」

リーヴェ「本当か、心強いよ。よろしく頼む」


 リジェネとラソンからも異議は上がらなかった。セレーネが嬉しそうにクルッと一回転する。


セレーネ「皆、宜しくね!」

3人「よろしく」


 セレーネ(Lv20)が仲間に加わった。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆


 

 【タルシス辞典  プロフィール編】

 名前 セレーネ・アンブレイス

 性別 女 身長 156.2cm 体重 48.3kg 年齢 21歳  右利き

 クラス 妖精闘士(フェーゲリエ)  種族 地上人(アーシィアン)  仲間加入時レベル Lv20


 ハ・グネの町でともに戦い仲間になった闘士。炎の妖精エルピスを連れている。

 己の身体ひとつで戦うため防御面は弱く、逆に攻撃面は非常に優秀で豊富な自己バフでの単体火力に優れる。HPと攻撃力や俊敏力が平均して高く、連撃による威力の上昇が一番のウリ。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆


 【サブエピソード14  初めましてエルピス】

 ハ・グネの町での騒動を乗り越え、セレーネ達を仲間に入れた一行。

 成り行きを見守っていたエルピスにリジェネが近づく。


リジェネ「エルピス、よろしくお願いします」

エルピス『ガルルルゥ』

リジェネ「わあっ」

リーヴェ「どうした?」


 見事に威嚇されてしまったリジェネ。

 別に不機嫌そうには見えないが、近づくと急に立ち上がり唸ってくる。近づくなと言っているようだった。3人の様子にセレーネは小声で笑い声をあげた。


セレーネ「大丈夫よ。こう見えてエルピスは3人のこと、割と好きだから」

ラソン「そ、そうか? 全然そう見えねーけど」

リジェネ「僕も」

セレーネ「ホントホント、ちゃんと評価してるよね?」

エルピス『ガルル、ガウガウッ』


 セレーネの軽い態度にツッコミを入れるエルピス。すると今度はセレーネが慌ててしまった。


セレーネ「え、むしろ3人のほうが見ていて安心するって」

エルピス『ガルゥ、ガウッ』

セレーネ「お前はもっと彼等を見習ったほうがいい……て、ちょっとエルピス!?」

一行「………………」


 百面相を作りながら会話するセレーネ。見事としか言えない程に的確な会話を繰り広げていた。

 彼らの会話はまだまだ続き、「少しは俺の苦労も察してくれ」だとか、「地元で道に迷うのはいい加減勘弁しろ」だのと言っているらしいエルピスにセレーネが必死で反論している。

 リーヴェ達が反応に難儀していると、やがてセレーネのほうが根負けしてガックリと項垂れた。エルピスのほうは若干胸を反らしている。


セレーネ「毎度、ご迷惑をおかけてしてます……」

エルピス『ガルッ』

リーヴェ「それで、結局エルピスが威嚇した意味は?」


 どっちが主人なんだかわからない光景だった

 リーヴェの言葉に、まだしょげているセレーネが顔だけを上向けて答える。


セレーネ「エルピスは人見知りが激しいだけなの。あんまリちょっかいを出されるのも嫌いで」

ラソン「つまり、ただ単に慣れれば問題ないってことか」

セレーネ「うん、会ったばかりは誰でもこう。あたしも慣れてくれるまで結構かかったし」

リジェネ「え? でも契約してるんでしょ?」


 リジェネの問いかけには「この子は特殊」とだけ答えた。ラソンの話からも珍しいケースだとわかり、クライスは契約当初から割と友好的だったという。

 妖精にもいろいろな性格がいるのだと、改めて知ったリーヴェだった。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆



 町の探索と情報収集を行うリーヴェ達。襲撃の心配も消えていないので2人1組で行動する。

 リーヴェとラソンは町の西半分側を捜索していた。こちらは主に住宅区と公共施設が集中しているエリアだ。公園や学校、役所などが建ち並び、商店などが建つ区画よりは静かである。

 2人がまず訪れたのは役所だった。扉を押して中に入る。


リーヴェ「すみません。誰かいますか」

ラソン「うーん、さすがにいねぇんじゃねーかな」


 室内はガランとしていた。幸い荒らされた形跡は特に見受けられない。建物の外側よりはずっと綺麗なものだった。セレーネの言っていた通り、アンデット連中には扉を開ける知能すらなかったようだ。捻るタイプのドアノブだったのが功を奏したらしい。


女性「だ、誰?」


 あ、人がいた。ガタンッ、と大きな音を立てて部屋奥の隅にあった床扉が開く。この床扉は、地下資料庫に繋がっている入り口だ。扉から恐る恐るといった感じで、眼鏡をかけた女性職員が姿を現す。


ラソン「お姉さん、まさかそこに隠れてたのか?」

女性「ええ、怖くて咄嗟に……それで、その」


 外の様子を気にしている女性にリーヴェは微笑んだ。


リーヴェ「襲撃してきた魔物は倒した。今はいない」

女性「よかった……」

ラソン「けど、まだ油断は出来ねーから広場に避難しといた方がいいぜ」


 今回は無事だったが次も上手くいくとは限らない。隠れていては救助も難しくなるだろうと判断したラソンが提案した。女性も納得がいった様子で頷く。

 避難しようと行動を始めた彼女に、リーヴェはここ最近で変わったことや噂などを知らないかと尋ねてみた。女性がしばし思案を巡らせ、思い出したように受け付け脇の棚をあさり始める。


女性「確かこの辺に……あった」

リーヴェ「思い当たる節があるのか?」

女性「はい。えっと……ここ最近ですと、オーグマの森付近の魔物に奇妙な変化が出たと兵士からの報告が上がっています」


 女性は手に盛った資料本を捲りながら応対した。


ラソン「具体的にはどんな具合なんだ」

女性「報告資料には、生息域から不自然な移動が見られ、前触れもなく突然死しているそうです」

リーヴェ「突然死だと。その森で、なにが起きているんだ」

ラソン「魔物同士の縄張り争いとかとは違うんだよな」

女性「そうですね。外傷があるものと、ないものがいるようですし」


 オーグマの森には、そもそも激しい縄張り争いをするような魔物はいないと言われた。しかも今は繁殖の時期でもなく、他の魔物の縄張りにはまず踏み込まない仕組みが構築されていたらしい。

 言われてみれば、今まで襲ってきた魔物も種類の違うものを意味もなく攻撃はしていなかった。魔物は強者を恐れて住処を移動することはあっても、別種だからと闘争することは基本的にはない。

 リーヴェ達は他にもないかと女性に問いかける。が、それ以上は報告にも上がっていないと返答された。女性に礼を言い、彼女を見送ってから役所を後にした。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆



 ――時は遡る。

 広場に無事生還を果たした新兵。すぐに上官の姿を見つけた彼は、ほっと胸を撫でおろして駆け寄った。


新兵「小隊長、ただいま帰還いたしました」

小隊長「おお無事だったか」

新兵「はいっ」

小隊長「て、バッカモーン! あれほど逸れるなと言っておっただろーがっ」


 新兵の報告を受けた小隊長の怒号が響く。新兵は身体が跳ねるほどに驚いた。パニック気味に何度も深く頭を下げている。

 どうやらこの新兵は、配属されてからもう1月近く経つのにしょっちゅう逸れるらしかった。しかも困ったことに、逸れる大概の理由は余所見・寄り道・雑談なのである。


 今回もなにか気になるものを見つけてフラフラとしている内に逸れてしまった。更に運が悪いことに、見つけたものというのが敵だった訳である。

 小隊長はプルプルと拳を振るわせていた。


小隊長「戦場では些細な油断や隙が、命取りだという教訓を忘れたのかお前は」

新兵「申し訳ありませんっ」

小隊長「何か発見があれば即報告。行軍中に足並みは乱すな。何度教えれば覚えるのだ!!」

新兵「ひぇ~、すみませんっ」


 せっかく生還を果たしたというのに、全然生きた心地がしない。小隊長の正論に頭が上げられない新兵であった。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆



 リジェネとセレーネは東半分側を捜索していた。

 町の東方面は、主に商業区と倉庫、銀行などが集中しているエリアである。本来は人の行きかいが激しい区画だが、襲撃直後の今は人の姿もまばらだ。

 2人は通りを行きかう人々に声をかけることにする。


セレーネ「すみませーん。ちょっといいかな?」

青年「ん、なんだい」


 20代くらいの青年が振り返った。


セレーネ「最近、変な噂とか聞いたりしてない?」

リジェネ「些細なことで良いんです。教えていただけませんか」

青年「そーだなぁ、平原の魔物が狂暴過ぎて行商が難儀してるって聞くけど」


 青年はそれ以上は知らないようだった。礼を言って次に行く。

 全方向をくまなく見回しながら町を進み人を探した。


リジェネ「すみません。少しお聞きしたいのですが」

男性「悪いね。今それどころじゃないんだ」

リジェネ「そうですか。すみません」


 ぐちゃぐちゃに荒らされた店の店主に話しかけるが失敗する。めげずに次だ。

 今度はセレーネが少し離れた所を歩いていた住人を走って引き留めた。


おばさん「何か用かしら」

セレーネ「ごめん、ちょっと聞きたいことがあるの。最近、この近くか町内で変な物とか噂って知らない?」


 怪訝そうに振りむいたぽっちゃり気味の女性は、思案を巡らせすぐに口を開く。急にフレンドリーに話しかけてくる。


おばさん「そうそう、オーグマの森に夜な夜な奇妙な光が蠢いてるって知ってる」

リジェネ「奇妙な光ですか」

おばさん「そうなのよ。あそこには昔っから何かいるって噂だけど、ここ最近は何か悪さでもしてるんじゃないかってくらいそこら中光だらけって話よ」

セレーネ「つまりオバケってこと?」

リジェネ「ひゃあ、そ、そんな恐ろしい森が近くにあるんですか!?」


 震えるリジェネを他所にセレーネと女性の会話は弾む。関係ないような世間話も交えながら、オーグマの森に最近大きくて変な影が飛び去って行ったのを目撃したと教えて貰う。

 女性はまだ話し足りない様子だったが、セレーネは上手く切り上げてリジェネを連れ次へ移動した。

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