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第14.5話 サブイベント回収01

この回は、「ゲームでメインストーリーの合間などにサブイベントをやる」みたいな感覚です。そのため時系列がバラバラです。

 【倉庫整理ミニゲーム】

 王都パラムエールを散策中のこと。

 北区画の風車エリア付近に建ち並ぶ倉庫群の前を通りかかったリーヴェ達。


若者「ああ、ちょっと君達」

リーヴェ「ん? 私達のことか」

若者「そうそう。ねえ、ちょっと頼みがあるんだけど聞いてくれないかな?」


 突然引き留められたのには少し驚いたが、とりあえず話を聞いてみることにした。

 若者の頼みというのは、倉庫の整理を手伝って欲しいというもの。どうやら流行り病で急に人手が足りなくなったらしく、この日に限って搬入された物資の数が多くて困っていたようだ。


若者「オレは他の倉庫を整理しなくちゃいけなくてさ。ホント頼むよ」


 若者は手を合わせて軽く頭を下げながら懇願する。

 若者はやってくれたら報酬として、倉庫内で見つけた「在庫処分」の印が付いた箱の中身は自由に貰っていっていいと言った。それがどんなにレアな物であっても。


リジェネ「どうしましょう、姉さん」

リーヴェ「そうだな。困っているようだし、手伝ってみるか」

リジェネ「僕に異存はありません」


 2人は若者に了承すると告げる。


若者「ホントか。じゃあ、よろしく頼むよ。もし何かあったり、無理そうだったら言ってくれ」


 無理だったら、その時は別の方法を考えるらしかった。

 2人は指示された倉庫の中に足を踏み入れる。


リーヴェ「…………」

リジェネ「これ、本当に倉庫ですかね」


 倉庫内部は、思いのほか酷かった。これはもう、迷路と言っていいレベルだ。絶妙なバランスで箱が積み上がり、所々に通路は塞がれ、奥が全く見えない。

 いったいどう積み込んだら、こんな有様になるのかが不思議でならない現場だった。


リーヴェ「取り掛かるか」

リジェネ「はい」


 早速作業に取り掛かる。

 まずは通路の確保だ。道をふさいでいる荷物を移動させ、ある程度広さのある場所に一時置きする。

 だが、考えて移動させないと――。


リーヴェ「ん……んん?」

リジェネ「姉さん、なんか突っかかっているみたいですよ」


 ほら、と箱の角を示すリジェネ。本当だ。どうやらこれ以上は無理に移動させない方がいい。

 リーヴェは仕方なく、運よく開通していた通路を通り、反対側に回りんで一度戻す。これは、なかなかに手こずりそうである。

 リーヴェが開通作業に難儀していると、今度はリジェネが声をあげた。


リジェネ「わっ、ゴホッゴホッ。あ、姉さん見て下さい」


 堀塗れになったリジェネが持ってきたのは「在庫処分」の印が付いた箱だった。中を確認してみる。

 箱の中身は「天命のバングル」という装飾品だ。これは即死耐性を付与してくれるレアアイテムである。思わぬ掘り出し物だった。


 その後もせっせと倉庫整理を続ける。最終的に見つかった在庫処分品は全部で4個もあった。

 中身の内容は、先ほどの装備「天命のバングル」の他に、アイテム「聖水」、食料「保存食」、装備「純白のローブ」だった。入手した内の2つが装備品なのは、すごい収穫と言えるだろう。最も、今はローブを装備できる人がいないのだが。


リーヴェ(なにかの役に立つかもしれない。貰っておこう)


 その若者に無事整理が終わったと報告し、約束通り在庫処分品を貰ってその場を後にした。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆



 【井戸の中の声】

 ここは農村アンベム。住宅エリア脇にある枯れ井戸。


青年「誰か―、助けてくれー」

リジェネ「ひゃ、なにっ」


 どこからか若い男の声が聞こえた。リジェネが飛び上がりそうな勢いで驚く。

 2人がきょろきょろと辺りを見回すが、誰も見当たらない。首を傾げあっていると、また声が聞こえてきた。


青年「ここだぁ~。誰でもいいから助けてくれよぉ。暗い~、怖い~」


 挙句の果てには「腹が減った」とまで言っている。実に情けない声の悲鳴だ。

 2人はもう一度辺りを見回し、どうやら近くの井戸から聞こえてきてると気づく。中を覗き込んでみると、くたびれて座り込む青年の姿あった。いったい、どうしてこんな所にいるのだろう。

 青年がこちらに気づいて、しきりに助けてくれと懇願してくる。


リーヴェ「ちょっと待ってろ」


 リーヴは近くのあった住居の住人からロープを借りてきて青年を助ける。まあ、近くの住居と言っても田舎も同然なのでかなり距離があったが。

 井戸から青年が脱出してくる。


青年「いやぁ、死ぬかと思ったよ。ありがとう」


 青年は疲れ切った笑顔を作った。

 事情を聴いてみたところ、青年は畑仕事の最中に魔物に襲われ咄嗟に近くの井戸に逃げ込んだという。そして、そのまま出られなくなった。あの井戸、結構深いようだ。幸いだったのは、水が張っていなかったことだろう。


青年「それにしても、最近はここいらも危険になって困るよ」

リーヴェ「そうなのか」

青年「ああ、なんでも近頃は北の方でも山賊が暴れてるって話だしな」


 青年はお礼を渡すから此処で待つように言ってその場から走り去る。数分後、両手に大量の食糧を抱えて戻ってきた。

 リーヴェは食料コポム(リンゴ)×5、ケパーニ(玉ねぎ)×5、ペルナ(ジャガイモ)×5を貰った。


 此処で少し補足しておくと、この惑星の食料は名前が違うだけで、見た目や味は地球の物と変わりはない。名前に至っても、地球と同じ呼び方をするものもあると伝えておこう。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆



 【伝説のシェフ】

 王都パラムエールの西地区にやって来たリーヴ達。

 そこは多種多様な料理店や食料品店が建ち並んでいた。いわばグルメスポットである。少し裏路地っぽい所には隠れた名店もあり、中でもひときわ目立つ奇妙なオブジェが目を引いた。


リーヴェ(ん? なんだこのオブジェ)


 明らかに浮いている。とてもこの町の一部には見えない。

 このオブジェはなんと言ったらいいのだろう。人の似たフォルムに、何だかよくわからないハット帽と、球を連ねてドーナツ状にした後光らしきものがくっついている。おまけに角が3本。

 なんだこれ。なんでこんな物見つけちゃったんだろう、と思いたくなった。

 リーヴェ達が困惑していると、不意にオブジェの中心が割れた。パカーンッ、と変な効果音つきで。


シェフ「やあ諸君、ごきげんよう。ワタシは料理を極めた男シェフ=ロバートだ」

一行「………………」


 割れたオブジェの中から、長いシェフ帽と赤いスカーフを身に着けた長身の男が現れた。

 スカーフを止めている金具には何やら王冠のようなマークが入っている。


シェフ「早速だが諸君。ひとつワタシの頼みを聞いてくれないかい」

一行「…………え」

シェフ「んー、なかなかにシビヤな反応だねぇ。ナニ、難しい話ではない。食料調達を手伝って欲しいんだ」


 唖然とするリーヴェ達をよそに、シェフは「手伝ってくれたらいい物をあげるよ」と言ってきた。リーヴェ達はどうするか迷う。返答に困る一行の様子に、シェフは少し落ち着きを失い……。


シェフ「ね、ねえ。まさか無視ってことはないよね? ……お願いだ、手伝っておくれぃ。please」

リーヴェ「あ、ああ。わかった。なにが欲しいんだ?」


 おかしな動きをするシェフに動揺が収まらないが、一応内容を聞いてみることにする。我ながら推しに弱い。なんというか、シェフの独特な動きが妙にアツを飛ばしてくるのだ。うっかり笑ってしまいそうだ。

 シェフが欲しがっていたのは、割と持ち合わせていた食糧ばかりだった。ただ1つ、「ヒメツルギ草」という香草以外は。


 リーヴェ達は香草を求めて商店に言ったが見当たらず、店員に聞いてアンベムの特産だと知った。一行は陸路でアンベムまで調達に行く。さすがに道中は苦戦するものではなかった。


リーヴェ「これでいいか」

シェフ「おお、Thanks。では、これを進呈しよう!」


 妙な上から目線でなにやら渡してくる。

 リーヴェは貴重品「レシピ本『オードブル』」を手に入れた。

 満足したシェフは、パチンッと指を鳴らしてオブジェの残骸を消失させる。どうやったのかわからないスゴ業だ。スキルなのかも不明である。


シェフ「では、諸君。さらばだ」


 一行の驚きなどには目もくれず、シェフは悠々と去っていった。

 終始、訳の分からない奴だと思わざるを得ないリーヴェ達だった。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆



 【タルシス辞典  地上人(アースィアン)

 地上界シュピッツヘイムに住む人々の総称。

 我々「地球人」と変わらない身体能力と寿命をもち、全体の総人口も多い。4つの国々に分かれて生活を営み優れた技術力をもっているが、古代文明の知識が廃れてしまっていることもあり、一部の機械面には疎い傾向がある。銃や機械的な乗り物がそれにあたる。そのため、現在での移動手段は馬車や船が主流だ。平均的な寿命は100年程度。

 唯一魔法適性を持たないが、妖精の恩恵で近い現象を起こすことは可能。



         ☆    ☆    ☆    ☆    ☆

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