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とんかつ

作者: みかん太郎



「とんかつ」ってなんの肉だっけ。危うく牛肉コーナーに足を一歩踏み入れたところでなんとか引き返すことができた。



手ごろな肉を広げ塩コショウで下味をつける。薄力粉をまぶしてから卵、パン粉の順に豚肉をくぐらせる。油を熱して肉を揚げていく。揚げ物のたとえとしてキツネ色とよく言われるが、はたして本当にキツネの色は適した表現なのかを調べるべくヤフーの画像検索欄に「キツネ」と打ち込んだ。


そこには紛れもなくとんかつがいた。いや、違うな。とんかつ色のキツネが。


これがいまから食べるとんかつなのだとよだれをじゅるじゅるにしてみているとフライパンの中のキツネがとんかつ色になっていた。



まな板の上にキッチンペーパー敷き、こんがりととんかつ色になったキツネを均等に切り分けていく。サクサクと音を立てるキツネ。早く食べたい。


キャベツの千切りは面倒だったのであらかじめ袋詰めされているものを買ってきた。ご飯はすでに炊けている。すべては整った。皿に盛り付け、リビングのまるい小さなテーブルへ運ぶ。


ゆっくりとキツネの前に腰を下ろした私はまじまじとその容貌を眺める。すこし焦げてしまっているところもまたキツネであることを証明している。


ソースをたらりとかける。


私は両手を合わせ、キツネに向かって言った。


「いただきまっす。」


 

 

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