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HalloweeN ✝︎ BATTLE 〜僕が夢みた150年の物語〜  作者: 善法寺雪鶴
仲間を探しに
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狙われる姫


「なぁ、聞きたいことあんだけどいいか?」


 突然グレイがミオラの方を向いて言った。


「構わないわ。何かしら。」

「ミオラって姫様なんだろ?」

「えぇ。それが何か?」

「姫ってことは、知らねー奴から奇襲をかけられることってあんのか?」


 あまりにも突然の話題に、ミオラだけでなく、俺とヒショウまで困惑してしまった。


「えっと⋯⋯どうして?」

「いや、ちょうど最近読んだ漫画にそういうシーンがあったんだよ。そういうもんなのかと思って。」

「なるほど。そういう事ね。⋯⋯まぁ、そうね⋯⋯。」


 ミオラが話を続けようとした時だった。


 ガッシャーン!!


「うぉっ!?」

「ひぃ!!」

「な、なんだ?」


 俺達の歩いていた道は裏道だった。そのため、両側には建物が立っていた。

 その建物の一部が突然破壊され目の前には砂埃が立った。

 目をよく凝らすと、砂埃の先に人影が見えた。


「ひゃっはっはっはぁ!!!!姫さぁ〜ん!久しぶりぃ〜!!」

「裏道を通ってたって我らにはお見通しだ。」

「あんたのネックレス、今日こそ頂く。」


 そう言いながら砂埃の中から現れたのは、3人の男性だった。


「あら、ちょうどいいわ。こんな感じによく奇襲されるわよ。」

「⋯⋯なるほど。これが奇襲か。わかりやすい。」


 男性達の方を手で示したため、グレイは男性達をじっと見つめながら頷いた。


「な〜にごちゃごちゃ言ってんだぁ〜?俺達のことは無視かぁ〜?」


 首をうねうねとした動きで傾げながらこちらに睨みを効かせてくる。

 それを見たミオラは何を思いついたのか、俺達の方を向いた。


「ちょうどいいから紹介するわね。こちらの3人、私のネックレスを奪うために毎度奮闘している盗賊よ。右端がスヴェル。蛇の子よ。」


 突然の紹介に盗賊達は戸惑いながらも挨拶を続けた。


「えぇ?あ、スヴェルでぇ〜す!」


 初めに紹介されたのは腕に蛇の紋章が描かれている先程首をうねらせていた男だ。なるほど。蛇の子だから軟体動物のような動きをしているのか。


「左端がリージィ。見た目の通り蛇使いよ。至る所から蛇を出してくるわ。」

「⋯⋯どうも。」


 フードを被った男は蛇使いらしい。腰元をよく見ると、腰に下げた物は短刀の入った袋ではなく笛だ。あれで蛇を出すのだろうか。


「中央はサルバード。同じく蛇使い。サルバードは広範囲を砂漠にして蟻地獄ならぬ蛇地獄を作り出してくるわ。」

「よろしく頼む。」


 そう両手を胸の前で合わせながらお辞儀をするのは布を被ったガタイのいい男だ。盗賊だからだろうか。至る所に宝石を身につけている。


「っていうかぁ!なんで俺達の名前知ってるわけぇ!?」

「当たり前じゃない。この街の姫よ。住民の名前、特に貴方達のような盗賊の名前なんて簡単に覚えられるわ。それに貴方達はよく私の所に来るじゃない。嫌でも覚えるわ。」

「流石姫様。情報網が広いですな。」

「そんなこと今はどうでもいい。お前ら、さっさとネックレス奪うぞ。」

「そうだなぁ!!今日はいつもの護衛がいないみたいだしぃ〜、今がチャ〜ンスってかぁ!!」

「護衛がいない今、我らの方が優勢。姫様には負けませぬぞ。」


 ミオラは深くため息をついた。


「はぁ。面倒なことになったわね。」

「ミオラ。護衛って誰のことだ?」

「城にいた執事達よ。普段は盗賊達が来るとすぐに護衛が飛んできて私の代わりに対応してくれるのよ。」

「なら簡単だな!俺達が護衛の代わりするからよ!」


 俺とヒショウ、グレイはミオラの前に立ち戦闘態勢に入った。

 しかしミオラはそんな俺達の前に1歩出てきた。


「⋯⋯ミオラ?」

「護衛は結構よ。」

「で、でも、普段は護衛が対応してるんだよね⋯⋯?」

「そうね。でも大丈夫。私だってこんな盗賊ごときに負けないわ。」


 ミオラは盗賊達から視線を逸らさずに続けた。


「ビア、ヒショウ、グレイ。貴方達は逃げなさい。」

「いや、お姫様を1人になんてできないだろ。」


 ミオラはフッと笑った。


「ありがとうビア。貴方ならきっとそう言うと思ったわ。でも私は本当に大丈夫よ。だって私、この街の姫ですもの。」


 その言葉を聞いて1番初めに反応したのはヒショウだった。


「⋯⋯分かった。ミオラを信じる。」


 ヒショウの目付きが変わった。


「ヴァニッシュ。」


 小さな声で囁くようにヒショウが声を出した。

 その瞬間、何故か盗賊達がどよめき始めた。


「な、なんだ?いきなり⋯⋯?」

「しっ⋯⋯静かに。」


 グレイが盗賊達の様子を見て不思議そうにしていると、ヒショウがグレイの声を遮った。

 ミオラはこちらを眺めると、ニコッと笑った。


「流石ヒショウね。これで安心して戦えるわ。」


 その言葉の意味がまだ理解出来ていない俺とグレイに対し、ヒショウが小さな声で説明をするように話し始めた。


「今、俺とビアとグレイは誰にも見えないように透明化してる。だから盗賊はもちろん、ミオラにも俺達の実体が見えていない。声を出したら流石にバレちゃうから、声は出さないようにして欲しい。それと⋯⋯。」


 ヒショウは俺の方を向いた。


「多分ここにいたらミオラの邪魔になっちゃうと思う。攻撃の対象にはならないけれど限度があるから。だから、ビアの力で俺とグレイを建物の上に連れて行って欲しいんだけど⋯⋯いいかな?」


 なるほど。先程のヒショウのレガロのおかげで俺達は透明化されたのか。

 ヒショウがレガロを使ってミオラの手助けをしたのなら俺もそれに応えなければならない。


「分かった。」


 俺はグレイとヒショウを掴んだ。


「動くなよ。」


 それだけ言うと、俺は力を込めて高く飛び上がった。


「うぉっ!」


 突然の出来事に驚きを隠せなかったらしいグレイが声を上げた。声は抑えられていたため盗賊やミオラには聞こえていないらしい。


 俺はそのまま建物の上まで2人を運んだ。

 俺達3人は、建物の上からミオラの様子を眺めることにした。


 もしミオラの身に何かが起きた時は、すぐに助けに行けるようにしないといけないな。


 ミオラは盗賊達の様子が落ち着いたのを見計らい、ニッコリと笑って言った。


「さぁ、始めましょうか。」

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