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HalloweeN ✝︎ BATTLE 〜僕が夢みた150年の物語〜  作者: 善法寺雪鶴
仲間を探しに
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僕は夢を見ていた。


 深い深い眠りの中⋯⋯

 僕は1週間続けて同じ夢を見た。


 目の前に立つ綺麗な男の人。

 顔はハッキリ分からないけれど、綺麗な人だって思った。


 人⋯⋯とはいったけれど、多分僕と同じ人間ではない。何か人間とは違うオーラを感じる。だけど、夢の中だからか違和感がない。

 ファンタジーの世界へ迷い込んだようだった。


 お互い何も話さずただただそこに立っているだけの夢。

 話しかけようともしたが、声が出ず話しかけられなかった。近づくこともできず、もどかしかった。


 そんな夢が1週間続いたが、今日その夢に変化が起きた。

 ハッキリと分かる表情の男の人。 想像以上に綺麗な人。

 そんな男の人に見惚れていると、男の人は優しく微笑み話しかけてきた。



 こんばんは。


 貴方様の夢に突然現れてしまい申し訳ございません。

 やっとお話ができる時が来ましたね。

 嬉しい限りでございます。


 突然ですが、貴方様は「ハロウィン」という言葉を聞いて何を思い浮かべるでしょうか。


 確か、人間の住む世界でハロウィンは収穫祭を意味するのでしたね。

 最近では仮装というものをしたりお菓子を配ったり、カボチャのお菓子を食べたりしているとお聞き致しました。それはそれは楽しい祭典でしょう。


 私達の国でもハロウィンは存在しております。

 また、私達もハロウィンの日を毎年心待ちにしているのですよ。


 なぜなら私達にとってのハロウィンは、人間の住む世界で暴れ回ることの出来る唯一の日ですから。


 おっと⋯⋯失礼致しました。怖がらせるつもりは無かったのですよ。


 さて、そろそろお気づきになられましたか?

 いや、貴方様は初めからお気づきになられていましたよね。


 そう、私は人間ではございません。

 ハロウィンと呼ばれる国に住む怪物でございます。

 と言いましても、貴方様から見た今の私は人間に見えるでしょう。これはハロウィンでの私達の姿でございます。

 一見人間に見える私達ですが、ハロウィンの日に人間の住む世界に降り立つ際はそれぞれの姿に化けて出るのですよ。

 そちらの姿の方が、貴方様にとっては見慣れているかもしれませんね。


 ところで。先程から申しておりますハロウィンという国には、吸血鬼や化け猫、透明人間といった様々な種族の住む街が多数存在しております。

 ハロウィンの街は種族の壁を超えて長年交流を深めておりました。


 そんな中150年前に大事件が起きました。

 それはハロウィンの存亡を揺るがす大事件でございました。

 しかし、その大事件は今までハロウィン以外では語り継がれておりませんでした。


 ですが、今こうして貴方様と出会うことができました。そして貴方様とお話をする時間がございます。

 これはとても良い機会ではないでしょうか。この機会を逃してはなりませんね。


 長くなりましたが、今から人間である貴方様にはこの大事件の物語をお聞きして頂きたいと思います。

 大事件がどのように終わりを迎えたのか⋯⋯よくお聞きくださいね一一




 ピリリリリリッ!

 目覚まし時計が鳴った。

 僕はいつも通り時計を止め、起き上がる。

 今日は11月1日。丁度昨日がハロウィンだった。

 大学1年目のハロウィンは豪華なパーティーをしたいという親友達の提案で、1週間前から準備をしていた。

 夢を見始めたのも1週間前。


 ハロウィンの事を考えすぎて変な夢でも見たか⋯⋯。


 僕は寝ぼけ眼をこすりながらベッドの傍のカーテンを開けると、いつも通り朝日が窓から差し込んできた。

 僕の家の前には広場がある。だから、影になるものもなく朝から気持ちのいい朝日を浴びることが出来る。

 いつも通り朝日を浴びた僕は、伸びをするとすぐに大学へ出かける支度を始めた。


 まさか、男の人が言っていた大事件の物語を毎日夢で見ることになるなるとも知らず一一一

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