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3月3日:とうがらし島

 私はとうがらしアイランドにいた。大変辛い。辛いが、別につらくはない。からい。

 だが、辛いことを除けば普通の南の島である。カモメのような姿をしたペンギンも飛んでいる。

 

 とうがらしアイランドでは最も辛い物が最も尊敬に値するものである。すなわち、からすみである。

 なんだ、からすみは辛くないじゃないか、とも思ったが、それを指摘するリスクを負うつもりはなかった。変なことを言って怪しまれるのは良くない。

 

 携帯電話が震えた。着信だ。取ってみると無機質な女性アナウンスが流れた。

 「突然ですが、この島は隕石の衝突で滅びます。衝突まで残り、30、29、28、」

 まさかの天体衝突予報だった。こんな理不尽はない。私は旅行先をこの島に決めたことを激しく後悔した。どうしてこんな旅先で死なねばならないんだ。

 

 サイレンが鳴った。空が割れた。隕石は落下の摩擦で、太陽のように光り輝いていた。そしてそれは、カプサイシンでもあった。

 

 衝撃波はすべての物を同心円状に吹き飛ばした。 

 私も、ヤシの木と一緒に飛ばされた。滑稽なほど遠くに飛んだ。

 

 ――――そして、すべてが辛くなった。

 

 

 それからというもの、太平洋に浮かぶ小さなとうがらし島は、カプサイシンの一大産地として末代にわたって繁栄したんだとか。

今夜から睡眠導入剤を使い始めるので、暫く更新が止まると思います。変な夢とも一時の別れ。

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