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3月2日:猫の裁判

 一般に、うかつに駄洒落を言うと痛い目に合うものだ。私も痛い目にあった。

 私の発した、

 「()()()して――――虫だけに。」

 という駄洒落はトノサマバッタの逆鱗に触れたのだ。

 

 トノサマバッタは私を訴訟した。そして私はアメリカ中央裁判所に呼び出された。それは埼玉県にあった。

 私は中央法廷に立たされた。畳一畳分くらいしかない非常に狭い法廷だった。目の前には裁判長の黒猫が鎮座していた。傍聴人はもちろん、原告も、弁護士も、裁判官すらもいない裁判だった。マンツーマン、もしくはマンツーニャンだった。

 「()()だからって――――()()()()おく訳にはいかないニャ。――――プックックックックック……。」

 黒猫裁判長は自分の発した駄洒落に自分で笑った。

 

 裁判の方法は簡単で、私が金平糖の匂いと猫の匂いを嗅ぎ分けられるかどうかで罪の有無が決められる。最初は簡単だと思ったが、いざ嗅いでみたところどちらもミントの匂いだった。これでは嗅ぎ分けることができない。私は焦った。このままでは懲役3年だ。この国では懲役3年刑は死刑と同じくらい重い。

 

 

 「――このような横暴な裁判方法により、毎年100人以上の被告が非業の死を遂げています。政府は緊急で対策委員会を開き――」

 テレビではニュース番組が流れていた。その内容のあまりの理不尽さに、私はご飯を食べる手も口も止め、じっとテレビ画面をにらみつけていた。

 すると唐突に、ご飯が赤く光り輝いた。緊急ご飯である。私はテレビから目を離し、急いで食べた。

司法権の暴走は道交法に違反するか?

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