○話 お正月でございます! 2020
「今年は賑やかだねえ! 賑やかなのはいいことだよ!」
王様がそう仰った。あと一分で年が明ける。私達はお城に呼ばれ、綺麗なドレスをきて年越しを待っているの。なんだかいつもは私含め、ロモンちゃんとリンネちゃんに着物を着せていたような気がするんだけど、そうしちゃうとこのお城の雰囲気から浮いちゃうのよ。場所には場所なりの服装しないと。
それにしてもすごいわ、偉い人がたくさんこの場所に集まって新年を待ちわびている。
「今年はどうでしたか、ガーベラさん」
「色々あった、本当に」
「そうですね。魔王軍幹部と戦うことは少なかったですが、私の正体が判明したりガーベラさんが勇者だったり。私達の人生を大きく変えたのではないでしょうか」
ガーベラさんは任命式で使用していたタキシードをそのまま着ている。そういえばガーベラさんの金髪ってまさに金色って感じ、鮮やかで綺麗なのよね。拝んでればご利益あるかしら。
「……ん? 俺の髪の毛になんかついてる?」
「い、いえ! そう言うわけでは……」
「ねーねー、ガーベラくんガーベラくん!」
「な、なんでしょう王様!」
王様が目をキラキラさせながら私たちのもとに近づいてきた。お皿には私達が記憶を頼りに調理し提供した祖国の料理が盛られている。ガーベさん曰く、この時期に食べるのにふさわしい料理らしい。
「この卵焼き美味しいねぇ! なんていうの?」
「伊達巻です」
「へぇー! 甘々でいい感じだよー。また今度作ってねー」
それだけを言うと彼はトコトコとどこかへ行ってしまった。どうやら色んな人に挨拶して回ってるみたいね。そして今度はロモンちゃんとリンネちゃん。……着物はもちろんだけど、ドレス姿も眩しいくらいに美しい。
「これ初めて作るよね!」
「プチプチしておいしーの、なんて料理?」
「それは数の子だね。食材はここではなかなか手に入らないものでね、王様に特別に取り寄せてもらったんだ」
「へー!」
そんなことまでして作ったのね、この数の子。さすがは料理上手のガーベラさんだわ。しみじみとガーベラさんに感心していると、鐘の音のような音が場内で響いた。
「あ、年越したね! みんな、今年もよろしくぅ!」
王様が元気よくそう言った。その瞬間、皆々も口を揃えてこう唱えたの。
「「「あけましておめでとうございます!!」」」
皆様、今年もよろしくお願いします。
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あけましておめでとうございます! 本作は三回目の元旦を迎えました。ここまで来れたのも皆様のおかげ。深く感謝いたします。
本作も全体の7~8割以上が過ぎエンディングが私の中で見えてきた次第であります。無理のないよう投稿を続けていきますので、今後ともよろしくお願いします。
毎年、この後書きで一年内に行う予定などを書かせていただいておりましたが、今回は各投稿サイトの活動報告や近況ノートと言ったものに書かせていただきます。新作に関することなども記載しますので是非、そちらをご覧ください。




