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265話 なんと3ヶ月経ったのでございます!

「今日ってデートの日だっけ、ぼく達と特訓だっけ」

「今日は特訓ですね」

「そっか! じゃあ出発!」



 リンネちゃん式の特訓を始めてから3ヶ月が経った。慣れっていうのは怖いもので、週に5日はこれに時間を割いていたら段々と体力が増していって、歩くことや走ることに関してはそんなに疲れを感じなくなってきた。それにおへそを出して外で剣を振り回すこともなんて事は無くなった。同性の前ならこの程度にもう恥ずかしがることはないわね。とりあえず。

 私達はいつもの練習場所に住処を出てから寄り道せずにまっすぐ向かい、そこで手早く着替えた。着替えるスピードなど、一挙一動が3ヶ月前より明らかに早くなっている気がする。それはそうと、 特訓を続けることにより思わぬ大きな変化があったのは体型だと思うの。お腹周りがキュッと引き締まり、くびれがより目立つようになった。足も腰もいい感じに筋肉がついてて健康的。3ヶ月間もの間、人を超えた動きをし続けたのだから、短期間で身が引き締まるのは当前といえば当然よね。

 そう、その結果、裸だった場合のロモンちゃんとリンネちゃんは見た目の違いが髪型だけになってしまった。前は活発そうな体型がリンネちゃん、大人しそうでか細い体型がロモンちゃんの特徴だったのに。

 体型といえば成長期だから3ヶ月で少しだけ身長も伸びたし胸も大きくなった。ついに二人ははっきりとCカップと言える大きさになったの。先月、お風呂で揉みあいしてて、その感覚がいつもより大きいことに気がついたときはにはびっくりした。ここまできたら激しく動き回るのはきついかと思ったけど、そういう対策はちゃんと考えてたみたいで特に動きを制限されてるなんて事はないみたいね。だから私もその対策を参考にして、先月から一番使用している大人の姿で特訓をするようになったの。確かに胸が邪魔だとかそんなことは想像より思わない。



「さすがはロモンとアイリスちゃんだよね! そろそろ始めて100日経つけど、最近は武器の扱いも上達してきてさ。ぼく、少しだけ焦っちゃうよ」

「何を言っているんですか。そもそも純粋な剣士希望なはずのリンネちゃんは、私達と一緒に最上級魔法まで覚えてしまったでしょう? そこで嫉妬していてはダメですよ、お互い様です」

「そうだよ! いままで私と比べて、お姉ちゃんばっかり色々できてたんだから」

「そうかなぁ?」



 リンネちゃんは小首を傾げる。でもリンネちゃんが焦るのもわかるような気もする。流石にあの速さに近いものを手に入れるのには私もロモンちゃんもしばらくかかりそうだけど、速すぎて見えなかったリンネちゃんの動きを目で捉えられるようにはなったし、明らかに動きも早くなったもの。特にロモンちゃんなんて、魔物使いとしてじゃなく、杖術でもちゃんと冒険者やれそうなくらいだし。



「まあいいや、始めようか!」

「そだね!」



◇◆◇◆◇



 私達は練習メニューをこなした。やっぱりリンネちゃんは速すぎる。確かに昔からずっと同じ特訓を繰り返してきたってのもあるかもしれないけど、天才なのよね、やっぱり。今のリンネちゃんの速さに追いつく頃には倍早くなってそう。そもそも今にすら追いつけないかも。

 みっちり体づくりと剣術と杖術の練習を休憩含めて5時間くらい頑張ったあと、私達は宿に戻った。

 宿との半年間の契約はすでに切れてるけど、また何かあるかもしれないから契約を続行してるの。居座って、その料金を払い続けられるだけのお金はあるしね。ご好意であの家族には宿泊費を半額にしてもらったし。



「ただいまケル! 誰か来た?」

【ふあぁ……今日も誰も来てないゾ】

「お城からも?」

【ゾ】



 そっか、今日も来てないのか。もうダメなのかもしれないわね。

 オーニキスさんが行方不明になってからも3ヶ月以上経つわけだけど一向に見つからない。手掛かりすらない。何一つわからないの。お城は恥を忍んで、ついに一般の人たちにもオーニキスさんの写実(私が描いた)付き、懸賞金付きで捜索を協力するように要請してるんだけどそれでも進展はなし。

 それも1ヶ月半前の話で、最近じゃついに諦めたのか、オーニキスさんの仕事だったもののほとんどをおじいさんが行なっている。今、オーニキスさんを探してるのは他所に情報が漏洩されるのを怖がっているからね。でも国の領土内をでた形跡もないらしい。

 お城は総動員で捜索することをとっくにやめ、お母さんとお父さんは普通の職務に戻ってる。だから会おうと思えば時間を合わせれば前みたいにいつでも会えるの。



【オイラ、ずっと読書と昼寝を繰り返してたから身体が鈍ったんだゾ。もういいんじゃないかゾ? オイラも三人と一緒に身体を動かすんだゾ】

「そうだね……そろそろそうしよっか」

「もう誰も訪ねてきそうにないもんね。魔王軍幹部も現れてないし」

「では明日から一緒に訓練しますか?」

【ゾ!】



 というわけで私達もたった今、お城からオーニキスさんに関する急な依頼が来るかもしれないという警戒を解いた。だから冒険者としての仕事と再開しなきゃいけないわね、近いうちに。もうちょっと鍛えたい気持ちもあるけど。



「ずっとお留守番ありがとうね、ケル」

【別に構わないんだゾ。ロモンとリンネとアイリスがオイラを引き取る前は、本も読まずに眠ってるだけだったんだゾ。あの頃に比べれば有意義だったゾ】

「でもずっと頑張ってくれたからなにかお礼しなきゃ。何か食べたいものとかある?」

【それならじっくりと香ばしく焼かれたニンニク風味が効いたステーキを食べたいゾ。今日読んだ本にそういう描写があったんだゾ】

「わかりました、今日の夕飯はステーキにしましょうか」



 3キロくらい買えば足りるかしらね。あとでお買い物行って来なくっちゃ。ニンニクもたっぷり買わないと。



【そういえば最近聞いてなかったけど、ガーベラとはどうなのかゾ? ちゃんの定期的にデートには行ってるみたいだけど】

「いつも通りですよ」

【ゾー……アイリスとガーベラに流石に進展があると思ってたけど、やっぱりないのかゾ】



 たしかにデートはお出かけして、公園やお店などを回って一緒に食事をして別れるっていうのが代わり映えしないな流れになったわね。私はそれで満足してるし、ガーベラさんもそれで文句は言わないけれど。



【もう付き合って半年も見えてきてるんだから、そろそろキスくらいしてもいいと思うゾ? 年齢が年齢だし、なんならもう家にお泊まりしやることやっててもいい頃だと思うゾ】



 ほんとにケル君ってば本を読むたびにそういう知識が増えてくわね。なんやかんや言って獣の魔物だからわからないかもしれないけど、なかなか踏み切れないだとかそんいうのもあるのよ、人間になれた私には。



「いいのですよ、私とガーベラさんはこれで」

「でもアイリスちゃんさ、そういうのに抵抗があるのは私達も十分把握してるよ? だけどもしガーベラさん方が頃合いだと思ってそういうの仕掛けてきたらどうするの?」

「そうだよね、結構長い間彼氏がいるんだから、そこらへん心変わりしてるかも!」



 ガーベラさんから誘われたらどうするか? ……誘われたらどうしよう。私が服を脱いでガーベラさんと抱き合うのはいつかしなきゃならないんだろうけど、まだかなり抵抗がある。

 でもキスくらいなら……もしかしたら。私をこのままお嫁さんにもらってくれてムードを整えてくれて、ガーベラさんからお願いしてきたらファーストキスを渡しても……。わがままかしら?



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