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21話 進化した私の容姿でございます!

 私は二人をしばらくそのまま抱きしめたあと、ゆっくりと腕から離した。

 離れた二人は私の変化した身体をマジマジと見てこう言った。

 


「アイリスちゃん……身体が銀色…それにところどころ綺麗に緑色に光ってる」

「うん、それにぼく達より10センチくらい低いだけで、ほとんどの同じくらいの身長になったね!」



 その言葉に、私も乗っかってみる。



【そうですね。まあ、手がでかいですし……なんか手が腕から離れて浮いてますし……】

「え? それ、割と普通だよ?」

「うんうん。確かに珍しくはあるけど、手が浮いてるゴーレムって、結構見つかってるよね」



 あ、そうだったんだ。

 手が浮いてるのってこの世界じゃ常識なんだね………。

 

 そうだ、少し唐突だけれど、念のためだし、もう一度みんなに謝っておこう。

 迷惑かけたら謝る、これ大事。



【と、とにかくです。みなさま、誠にご迷惑おかけしました。ウォルク様もご協力ありがとうございました。おかげで無事、極至種として進化することができました】

「うむ、よかったの。ただ、やっぱり予想通り新種になったな。リトルリペアゴーレム、ワシは長年魔物の研究をしておるが、見たことも聞いたこともないからな」



 新種か……悪くないかも。

 このでかすぎる手さえどうにかなれば。

 人の頭三つ分はあるんだよね…。


 おじいさんは来た道に足を翻しつつ、私達三人にこう言った。



「さて、そろそろ家に戻ろう。ところで、この爆発する棍棒はどうすればいい?」

【あ、あとで私が処理しますので】



 私はおじいさんから爆弾棍棒を受け取る。

 私達はニコニコしながら家に帰った。



◆◆◆



【ガルルルル! オマエダレナンダゾ……ッテ、アレ? アイリス? アイリスナノカダゾ?】

【マア…ホントウニ アイリス ナノ。ズイブントオオキクナッタワネ。ミタメ ハ ソンナニ カワッテイケレドネ】



 帰ってすぐに、二匹は私に向かって威嚇し始めたけど、匂いか何かで私だと気づいたようだ。


 家に入るや否や、おじいさんは重い荷物を下ろしたかのように、椅子に座る。



「ふぅ……そろそろ夜飯にするかの」

「そうだね」

「ねぇ…アイリスちゃんも、ご飯たべれるの?」



 リンネちゃんがそんなこと聞いてきた。

 

 私が口が無いからご飯たべられないこと知ってるはずなのに、なんでそんなこと言い出すんだろう?

 あ、もしかして口が生えてきたかな?


 顔をその大きな手で弄ってみたところ、顔の形はトゥーンゴーレムの時と同じ、半球形だということがわかり、さらに、人間でいう、顎の上あたりに、二等辺三角形の形に、鉄板一枚程度に凹んでる場所があるのを見つけた。


 手を当ててみると、緑色の光が反射したのでどうやらここも他の模様と同じような感じになってるみたい。


 これが……口?

 いやいやいや、模様じゃ無いの?



【口……らしき模様がありますね】

「あれ? 気づいてなかったの? とりあえずなんか食べてようとしてみて、その口でたべれるかどうか試してみようか」

「はい、梨をどうぞ」



 リンネちゃんが梨農家からもらった梨を一つ私に渡してきた。

 それを手にそっと取り、口元まで持ってきてみる。



【それでは、いただきます】



 人間だった頃の記憶を頼りに、梨を丸かじりするイメージをした。

 そうしたら、いきなり口の中かどうかわよくわからない空間に梨の欠片が送り込まれた感じがした。

 ブワッと、私の口内であろう空間に梨の風味とふわっとした歯応えが伝わってくる。

 歯応えがあるってことはこの謎の空間には歯もあるということかな?


 梨を見てみると、確かに私がかじったかのような、三角形の歯型らしきものが付いていた。


 ……そっか、私はご飯を食べれるようになったんだね。

 

 でも、感覚・本能的には生きてく上で必要ないというのが分かるから、娯楽の一環としてってことかな?

 今後、料理をする時の味見に使える程度か。


 でも、久々に食べた梨はとっても美味しかった。

 てっきり形からして、日本の梨の味かと思ってたんだけど、ラ・フランスの味だったよ。

 食べやすい形のラ・フランスとか、日本だったらバカ売れ間違いなしなんじゃ無いかな?


 いや、もしかしてこの村の特産品ていうだけあるし、この世界でも売れてる商品なのかも。


 とにかく、甘ったるくてふわっとしたした食感が美味しかった。


 美味しすぎて涙が出そう。



【うぅ……たべれましたぁ……この村の梨、すごく美味しいですねぇ……】


 

 私は嬉し泣きしながらそう言った。


 え? 涙?



「すごい、アイリスちゃん、目から涙が出てる!」

「本当だ! さっきは気づかなかったけど、瞬きみたいなのもしてない? まぶたは無いみたいだけど」

【え? そうなんですか? ちょっと鏡見てきます】



 私は二人を後に、風呂場に向かい鏡を覗いた。


 驚いた! 本当に瞬きできるじゃん、私。

 ロボット映画のロボットが瞬きするみたいに、外にまぶたがあるわけじゃなくて、目の内側にまぶたがあるみたい。


 それに三角の口。丸い目。鼻はないけれど、そういえば匂いも分かる。

 そしてトゥーンゴーレムと同じ半球体の顔。


 トゥーンゴーレムの時よりも、口が加わってることにより、機械のマスコットキャラ的な可愛さが滲み出ている。


 首はなく、胴の一番太い部分と大体同じくらいの太さだ。


 次にに胴体。

 まるで銀だ。

 いや、銀そのものかもしれない。


 私の身体全体は主に銀のようなものでできているよ。


 身体はトゥーンゴーレムの時と違って、胸あたりから、人でいう肋骨の終わりよりちょっとした 下辺りはすごく太く、そこから股にかけて、その胸部より、1~2まわりほど、横が細くなってる。

 だからまるでくびれてるようにも見えなくも無い。

 そして、胸と股あたりの奥行きはほぼ一緒の太さ。

 頭~股までならまるで、キノコのカサと、柄が太いトンカチを合わせたような感じだ。


 さらには、緑色の光がのようなもので模様も書いてある。

 胸の真ん中あたりにはハートマーク、背中には天使の羽のマーク。

 ハートマークの奥になにか異物が丸い異物が見えるような……小石っぽい……気のせいかな?


 とにかく、すごく…人工的だ。

 地球なら絶対に生物と認識されず、ロボットだと思われるはず。

 ていうか、ロボット以外の何者でもない。


 足の長さは、身長と身体に見合った感じで、バランスの良い脚だよ。

 これだったらこれからは蹴り技もできそう。

 

 やっぱり、ところどころ緑色の光…特に関節部分に見えたり、脚の数カ所にエメラルドみたいな綺麗な石が埋め込んであったりしてる。


 次に腕なんだけど…。


 これがまたすごい。

 太い、太すぎる。

 そして肩幅もすごい。

 両腕合わせたら、私の胴体の太い部分と同じ太さがあるんじゃ無いかな?


 もちろん、腕にも関節部分や模様に緑色の光が見えてたり、肩横辺りに宝石らしきものが埋め込まれている。


 長さもかなりの物で、大体、私の手を無くしたら人間と同じくらいの手の長さの比率になりそう。


 

 最後に手。


 今度はちゃんと5本指になってる。

 でも、でかすぎて作業がしにくいのは今までと同じか、それ以上。


 大きさは大体、人間の頭3つ分。

 さらには手が腕から離れて宙に浮いている。

 浮いてはいるけど、腕の動きに対応してはいるみたいだ。


 手と腕の断面らしき部位はやっぱり緑色に光ってる。

 さらには手の甲には今までとはまた違った埋め込まれ方をしてる半球のエメラルドのようなものが両手に埋め込まれている。


 他のとは何が違うかと言うと、少し埋め込まれてるところ。

 まあ、それがどうしたって感じなんだけどね。


 あ、そうそう、一番大切なこと忘れてた。


 ……頭に緑色の天使の輪っか浮いてるんけれども。

 


 って、まぁ、いいや。

 特に邪魔ってわけじゃ無いし、触れないし。


 気にする必要は無いよね。

 そろそろロモンちゃんとリンネちゃんのところに戻ろう。


今日から4日間、1日3話投稿します。


ランキングのバグが解消されたお祝いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公の口調が癖になりますね、とても魅力的です。 [気になる点] 、ほとんどの同じくらいの身長になったね!」 ↓ 、ほとんど同じくらいの身長になったね!」 次にに胴体。 ↓ 次に胴体。 …
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