支援魔法
なんか、さすがに罪悪感が出てくる。
あまりに可哀相なので、この場でもう一つくらい決めてあげよう。
「アサイさん、アサイさん、もう一つ決めたいんですけど、よろしいでしょうか?」
返事が無い……ただの屍のようだ……
っていやいや、生きてるから。
大体、立ち直ってもらわないと俺の寝る所がなくなってしまう。
「明日さ、キジマさんの腕時計を買う時に一緒に買ってあげるからさ~。話を聞いてよ」
「……本当に?」
「ああ、本当に」
「……高くてもいいの?」
「……いいよ。買うよ」
「……本当に?」
「本当だって! だからちょっと教えて欲しいな~」
「……判った」
良かった。復活したようだ。
さりげなく高価な買い物させる気だけどな。
まあ、お金で買えない物を貰えるんだから良しとしよう。
アサイさんの減った給料の補填になれば良いね。
「ぐすっ、何が聞きたいの?」
「えっと……俺、魔法の本を持ってるんだけどさ、カウントが0になっちゃって魔力の補給が必要らしいんだ。
補給する方法って知ってる?」
「どれ、見せてみなさいよ」
マジックボックスの中から魔法の本2冊を取り出して、アサイさんに渡した。
その本を開いたりひっくり返したりしながら調べて、結論が出たようだ。
「多分、支援魔法の『ディストリビューション』で補給出来ると思うわよ」
リストで調べてみると、たしかにあった。
『支援魔法 魔力を分け与える:ディストリビューション』
これか!
「これってどういう魔法?」
「自分の魔力を他人に分け与える魔法よ。対象は物でも良いみたいね」
なるほど。これは便利だ。
カンダさんのようにMAXが30の人でも、与え続ければずっと魔法が使える。
「このリストのもう一つ下にあるのが、その逆の魔法よ」
そう言われたので、もう一度リストを見る。
『支援魔法 魔力を吸い取る:オブテイン』
取るのと出すのは別の魔法なのか……。
「覚えるなら両方覚えた方が得ね」
「何で?」
「魔法石ってあるでしょ? あれは魔力を入れておけるの。 いわば魔力の貯金箱ね。
使わない時に貯めておいて、使う時に取り出せば魔力の枯渇がなくなるわよ。
ちなみに、この魔法の本にも魔法石が使われてるわ」
ほう! これは良い事を聞いた!
つまり魔法石を大量に持っていれば、使わない時に保存しておけると!
という事は、俺は権利さえあればオークションに参加可能じゃないか?!
「なあ、ちょっと聞きたいんだが……」
「ん? 何?」
「この2つの魔法を覚えて、魔力を貯めるとするよね?」
「うん」
「その貯めた魔力で、俺もオークションに参加出来るかな?」
「オークション? 参加したいの? イイクラに頼めば参加資格が貰えると思うわよ?」
「じゃあ、それ頼めるかな?!」
「オークション参加ね。了~解。で、その2つの魔法を覚えるの?」
「うん。空間魔法・ディストリビューション・オブテイン、ついでにオークション参加資格をお願いします」
「じゃあ連絡するね~」
そう言ってアサイさんはどこかに電話し、2分後に電話を切った。
「参加資格はポイントに含まないってさ。今から送るって言ってたわよ」
「本当か?! イイクラさんには感謝だな!」
なんて考えてたら、頭痛がしてきた!
こないだのような軽い頭痛じゃないぞ?!
合計6個も魔法を入れるからか?!
誰か~! 俺にバファ○ンを~!!




